お礼用②
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「月が綺麗ですね」
って言うと
「月は綺麗ですね」
としか言ってくれない。
幼馴染として長い間過ごしてきた私に対する成歩堂くんの態度は、いつもそっけないものだ。
私の好意もぶつけ続けて早10年にはなるのではないだろうか。
もう一生本気になってくれないかもしれないな、とは思うけれど、だからといって諦められるものでもない。
そんな不毛なワガママを続けている。
彼の優しさでそれが許されている。
そして私は、それに思いっきりつけいっているのだ。
帰り道。人通りも少ない街中を歩きながら、月を見上げる。
「月が綺麗ですね」
もう何度目かの告白をした。
「……私死んでもいいわ」
初めての返事が返ってきた。
「…………えっ」
「……なんだよ、ぼくだってそれくらいの文学知識はあるぞ。芸術の勉強してたんだし」
こちらを見ずに答える成歩堂くんの表情はわからない。
「言っとくけど、どういう意味とか無粋なこと聞かないでよ」
「………………」
「まさか散々言っといてこの返し知らない訳じゃないよね」
「………………」
「……自分でふっておいて固まるのやめてくれないかな。ぼくがスベってるみたいじゃんか」
思わず固まってしまった私に振り向いてそう告げる。
それでも私は動き出せなかった。
だって唐突すぎる。いつもみたいに月『は』綺麗ですねと返されて、星も綺麗ですねって答えるつもりだったのに。
「あー、もう」
痺れをきらした成歩堂くんが頭をかいてから私に詰め寄った。
「月が綺麗ですね」
「……わ、私、……死んでも、いいわ……」
「ほんとに死にそうだなあ」
そう言って彼は呆れた目で私を見るのだった。
って言うと
「月は綺麗ですね」
としか言ってくれない。
幼馴染として長い間過ごしてきた私に対する成歩堂くんの態度は、いつもそっけないものだ。
私の好意もぶつけ続けて早10年にはなるのではないだろうか。
もう一生本気になってくれないかもしれないな、とは思うけれど、だからといって諦められるものでもない。
そんな不毛なワガママを続けている。
彼の優しさでそれが許されている。
そして私は、それに思いっきりつけいっているのだ。
帰り道。人通りも少ない街中を歩きながら、月を見上げる。
「月が綺麗ですね」
もう何度目かの告白をした。
「……私死んでもいいわ」
初めての返事が返ってきた。
「…………えっ」
「……なんだよ、ぼくだってそれくらいの文学知識はあるぞ。芸術の勉強してたんだし」
こちらを見ずに答える成歩堂くんの表情はわからない。
「言っとくけど、どういう意味とか無粋なこと聞かないでよ」
「………………」
「まさか散々言っといてこの返し知らない訳じゃないよね」
「………………」
「……自分でふっておいて固まるのやめてくれないかな。ぼくがスベってるみたいじゃんか」
思わず固まってしまった私に振り向いてそう告げる。
それでも私は動き出せなかった。
だって唐突すぎる。いつもみたいに月『は』綺麗ですねと返されて、星も綺麗ですねって答えるつもりだったのに。
「あー、もう」
痺れをきらした成歩堂くんが頭をかいてから私に詰め寄った。
「月が綺麗ですね」
「……わ、私、……死んでも、いいわ……」
「ほんとに死にそうだなあ」
そう言って彼は呆れた目で私を見るのだった。
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