自惚れ
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「本部長の指揮下で死ねるなら本望」
「でもそれってさあ、あんたが死ぬことでその指揮が間違っていたって証明しちゃうんじゃないの?」
「そんなの、アラ探しするマスコミと同じだよ。どんなに頑張っても、どんなに最善を尽くしても命が失われることはあるんだから」
だからといって指揮官が全部悪いなんて、浅はかすぎる。ぼーっとどこかの誰かの模擬戦を見ながらそう言って、私は話し続けた。
「第一次
「……なんにせよ、死んだっていいって気持ちはボーダー隊員としてよくないと思うけど」
同期が呆れて首をふる。
そんな光景を思い出していた。
スナイパーは位置が知られたら終わりだ。トリオンもほぼ残っていない。
C級隊員である私に
同期のあの子は、生き残ってるかな。本部まで逃げ切れたかな。それならいいのだけど。
近くにいる隊員はできる限り烏丸さんと三雲さんを援護しろとの本部長指令があったと、近くのB級隊員が言っていた。
そんなの、するに決まっているじゃない。
少し前、本部の方向へ向かう彼らを見た。ただ、その後を
スナイパーは一発撃ったら走って場所を変える。そんな基本的なこと、知っていたけど。向こうの方がずっと早かった。
「……願わくば、悲しんでくれますように」
「忍田本部長、随分お疲れのご様子ですので、少し休まれては」
「……怪我をした民間人、失った隊員のことを思うと、休む気にならないんだ」
「お言葉ですが、忍田本部長が責任を感じることではありません。どうしてもそうだと仰るならば、私達オペレーターの援護が足りなかった、その責任も問われなければなりません。それに、キューブ化され、奪われた隊員たちを救う道はまだ残されています」
「……彼らとは、入隊時に全体に対して挨拶しただけだ。私の立場では個人個人と話す機会はなく、お互いがお互いのことをまだよく知らない。絶対に取り返す、その気持ちは揺るがないとしても……そんな、まだまだこれからがある隊員たちを失い、奪われてしまったことは」
「…………」
「……とても、悔しい」
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