お礼用⑥
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成歩堂龍一は彼女のスマホのアラームで目を覚ました。
のろのろと上半身をおこし、前髪をかきあげる。
スマホの持ち主は腕だけを伸ばしてアラームを止めた。
そのまま動かない彼女だったが、成歩堂に髪を撫でられると、うっすらと目を開けた。
「おはよ、龍一くん」
そして眠そうに、しかし幸せそうに、彼女は微笑む。
「ん……おはよう」
成歩堂も同じく幸せそうに返し、手の甲で彼女の頬を撫でた。
いくらかベッドの中でゆっくりした後、彼女が先に洗面所へ向かう。
数分後、未だ眠そうにしながら戻ってきた彼女と入れ替わって、成歩堂は洗面所へと向かった。
顔を洗って、ひげを剃ろうかとしたとき、彼女が洗面所へと戻ってくる。
「あ、待って。ちょっとだけ」
そう言って女は成歩堂の肩に手を置いて背伸びし、頬に口づけた。
口づけされた方はというと、数秒固まった後に惚けた声を発する。
「…………えっ、な、なに?」
「私、龍一くんの無精ひげ好きなんだよねえ」
ちゅ、ちゅと頬や顎に軽い口づけを繰り返す。
「あー……えっと、ひげ生やしててほしいって話?」
職業柄剃った方がいいんだけどなあ、と成歩堂が答えると、彼女は首を振った。
「違う違う。いやそれもそれでアリだけど」
「なんだそれ」
成歩堂が思わず苦笑すると、彼女もつられて笑う。
「そうね、普段は手入れしててもらって、私だけが知ってるってのが一番かなあ」
そうしてもう一度頬に口づけをして、彼女は言った。
「私しか知らない龍一くんなんて、なんかイイじゃない」
ふふふ、と悪戯っぽく笑った後、彼女は朝食の準備をすると言ってリビングへと戻って行った。
彼女が去ったあとの洗面所。
成歩堂龍一は額に手を当てうなだれ、独りごちる。
「朝から困るな、そういうの……」
耳まで真っ赤に染まっていたことについて、誰も知る由はない。
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