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22時を回る頃、私は成歩堂くんのアパートで、彼のベッドを背もたれにこの部屋の主と並んで座っていた。
だらだらとバラエティ番組を観ていると、女性の好きな髪型ランキング、というコーナーになった。
街行く男性に好きな髪型を6つの中から選んでもらい、スタジオの芸能人がその順位を当てるという企画らしい。
「成歩堂くんだったら、どれ選ぶ?」
「……なんでもいいんじゃないかな」
「ええ、ちゃんと教えてよ」
「そう言われてもなあ……」
「ほら、ポニーテールとか、ロングとか。あ、ボブも人気だって」
「ふうん」
興味なさそうに答える彼の左腕が私の腰に回る。
「しいていうなら、でもいいからあの中から選ん……」
「ぼくは、今の髪も、前の髪も好きだって言っただろ」
すり、と鼻同士が触れたと思ったら、そのままキスをされた。
唇を離した彼は、右手でリモコンを操作し、テレビを消した。
「あ、まだ途中……んっ」
再度言葉ごと唇を塞がれる。
「きみが好きな髪型でいいよ、何だって好きだ」
「そ、そうじゃなくて。なんとなく知りたかっただけで」
そう答えている間に、右手で太ももを撫でられる。
腰に回されていた反対の手も怪しい動きをしだした。
どうやらその気になっているらしい。
「……し、たいの?」
「名無しちゃんが可愛いからね」
「……………」
「いじらしいねえ、ほんと。ぼくの好みを気にしちゃってさ」
「……馬鹿にしてる?」
「まさか」
ちゅ、ちゅっ、とキスを繰り返される度に、体温があがる。
は、と息を吐くと、唇を離した彼が満足そうに口角を上げた。
少しむっとしたので、簡単には流されまいと抵抗を試みる。
「……床はイヤ」
「はは、わかってるよ」
が、大した効果はなかったらしい。笑ってあしらわれてしまった。
背もたれにしていたベッドに腰かけるとそのままゆっくり押し倒される。
……急にスイッチが入る人だと、誰かも言っていたがまさにその通りだ。
まあその人は法廷での話をしていた訳で、決してこういうシーンでの話ではなかったけれど。
「……電気、消してね」
せめてもの抵抗を、再度試みる。
「仕方ないなあ」
彼は相変わらず余裕ぶったまま、部屋の電気を消すのだった。
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