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可愛い顔した地下アイドルとお近づきになれそうだと思ったら、急にフられた。
『アナタ色んな女の子と遊んでるんですって!?』とヒステリックに叫ばれた。
売りにしている笑顔はどこへやら、目をつり上げて怒鳴る姿は鬼のようだ。
どこから聞いたかは知らないが、弁明しても無理そうだったので諦めた。
正直そこまで固執するほどの女でもない。
なにより、こんなときには他に行くあてがある。
チャイムを鳴らすと名無しはすぐに扉を開けて嬉しそうに俺を出迎えてくれた。
すぐに開けていいのかと聞くと、玄関にカメラがあって誰が来たのか一目瞭然だからいいのだと答える。
「それに、返事してる時間がもったいないから」
そう言ってはにかんだ顔にドキリとしてしまい、つい顔を逸らす。
「返事してからの方がいい?」
「い、いや、いい」
顔を逸らした俺を気遣ってくれた提案への返答も短いものになってしまった。
「お腹空いてる?」
「あー、いいや。……それより膝貸してくれよ」
「……うん、わかった」
今日は腹を満たしに来たのではない。
心を満たしに来たのだ。
正直に甘えれば何も聞かずにただただ承諾してくれる。
いつからだろうか。
イライラしたり、何かがうまくいかなかったときは名無しの家に来るようになった。
初めて訪れたときには当然戸惑いを見せていたものの、それでも俺のことを誉めるばかりで、何一つ文句は言わなかった。
その後も何度となく訪れているが、アポ無しにも関わらず毎回快く迎え入れてくれる。
自分に好意的であることがわかりきっているというのは、どんなに安心できるだろう。
もう、ズブズブだ。
「それでさあ、その女が言うワケ。『アンタなんてサイテー!』って」
名無しに膝枕をしてもらいながら早速例の地下アイドルのことを愚痴る。
名無しは俺の髪を撫でながら話を聞いてくれる。
「それは災難だったね」
「ほんとほんと。この高田馬場ジョージ様に向かって『この遊び人!』だなんて無礼な物言いだよな?」
「そうね、だってジョージくんはトッププリズムスタァだもの」
「さっすが名無し、わかってるう~」
おどけて笑う俺の頭を優しく撫でてくれる手が心地いい。
手だけではなく、俺のことを全て認めてくれる彼女といること自体が心地いい。
……はずなのに何かが引っかかる。
「そういや、最近みゅうみゅうも連絡くれないんだよね」
「そうなの?どうしてかしら」
「さあね。ま、そろそろ遊び飽きたしいいんだけど」
「そっか」
「……名無しは俺に他の女の子と遊ぶのやめろとかって説教しないわけ?」
「私が?ジョージくんに?」
「そう、名無しが、俺に」
「そんなこと言わないわ、私はジョージくんにお説教なんてしない」
「……そう」
「ジョージくんがしたいことをすればいいのよ。そしてそれを、全部受け入れさせてほしい」
「……うん」
「私、ジョージくんのこと愛してるの」
俺のやることなすこと全て認めてくれる存在は気分のいいもののはずなのに、やはりどこか釈然としない。
釈然としないがその理由がわからないならどうしようもない。
愛してると言われているのに何が不満だと言うのか。
俺はへらっと笑って名無しの頬に手を伸ばす。
俺も愛してるよ、と答えると彼女は俺の手にすり、と頬を寄せて恍惚の表情を浮かべた。
『アナタ色んな女の子と遊んでるんですって!?』とヒステリックに叫ばれた。
売りにしている笑顔はどこへやら、目をつり上げて怒鳴る姿は鬼のようだ。
どこから聞いたかは知らないが、弁明しても無理そうだったので諦めた。
正直そこまで固執するほどの女でもない。
なにより、こんなときには他に行くあてがある。
チャイムを鳴らすと名無しはすぐに扉を開けて嬉しそうに俺を出迎えてくれた。
すぐに開けていいのかと聞くと、玄関にカメラがあって誰が来たのか一目瞭然だからいいのだと答える。
「それに、返事してる時間がもったいないから」
そう言ってはにかんだ顔にドキリとしてしまい、つい顔を逸らす。
「返事してからの方がいい?」
「い、いや、いい」
顔を逸らした俺を気遣ってくれた提案への返答も短いものになってしまった。
「お腹空いてる?」
「あー、いいや。……それより膝貸してくれよ」
「……うん、わかった」
今日は腹を満たしに来たのではない。
心を満たしに来たのだ。
正直に甘えれば何も聞かずにただただ承諾してくれる。
いつからだろうか。
イライラしたり、何かがうまくいかなかったときは名無しの家に来るようになった。
初めて訪れたときには当然戸惑いを見せていたものの、それでも俺のことを誉めるばかりで、何一つ文句は言わなかった。
その後も何度となく訪れているが、アポ無しにも関わらず毎回快く迎え入れてくれる。
自分に好意的であることがわかりきっているというのは、どんなに安心できるだろう。
もう、ズブズブだ。
「それでさあ、その女が言うワケ。『アンタなんてサイテー!』って」
名無しに膝枕をしてもらいながら早速例の地下アイドルのことを愚痴る。
名無しは俺の髪を撫でながら話を聞いてくれる。
「それは災難だったね」
「ほんとほんと。この高田馬場ジョージ様に向かって『この遊び人!』だなんて無礼な物言いだよな?」
「そうね、だってジョージくんはトッププリズムスタァだもの」
「さっすが名無し、わかってるう~」
おどけて笑う俺の頭を優しく撫でてくれる手が心地いい。
手だけではなく、俺のことを全て認めてくれる彼女といること自体が心地いい。
……はずなのに何かが引っかかる。
「そういや、最近みゅうみゅうも連絡くれないんだよね」
「そうなの?どうしてかしら」
「さあね。ま、そろそろ遊び飽きたしいいんだけど」
「そっか」
「……名無しは俺に他の女の子と遊ぶのやめろとかって説教しないわけ?」
「私が?ジョージくんに?」
「そう、名無しが、俺に」
「そんなこと言わないわ、私はジョージくんにお説教なんてしない」
「……そう」
「ジョージくんがしたいことをすればいいのよ。そしてそれを、全部受け入れさせてほしい」
「……うん」
「私、ジョージくんのこと愛してるの」
俺のやることなすこと全て認めてくれる存在は気分のいいもののはずなのに、やはりどこか釈然としない。
釈然としないがその理由がわからないならどうしようもない。
愛してると言われているのに何が不満だと言うのか。
俺はへらっと笑って名無しの頬に手を伸ばす。
俺も愛してるよ、と答えると彼女は俺の手にすり、と頬を寄せて恍惚の表情を浮かべた。
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