Re:アンダンテ
「メガシンカ……?」
「メガストーンという対応の石を持たせたポケモンは、戦闘中にメガシンカできる」
ジルコニアはそう言うと目を閉じた。するとハッサムは元の姿に戻り、ジルコニアが次に目を開けた時には目はいつものような漆黒に戻っていた。
言葉に迷っていると、
「メガシンカが気になるなら、シャラシティのコンコンブルを訪れるといい」
とだけ言って去ろうとした。
「あの……ジル君!」
ジルコニアは立ち止まった。
「助けてくださって、ありがとうございました!」
礼をすると、ジルコニアは振り返らずに。
「いいよ、俺フレア団嫌いだから」
「フレア団……?」
「さっきの連中。色々やらかしてるからね。そこのデリバードみたいな目に遭わせたり……」
君も気をつけなよ、とだけ残して彼は今度こそ行ってしまった。
「デネ!」
ジルコニアに手を振っているデデンネを抱き抱えて、クロワはデリバードと呼ばれたポケモンに近づいた。
「大丈夫? これ食べて。オボンのみだよ」
「ク……」
手渡しできのみを渡されたデリバードは幾分か体力を回復させたようだ。そしてクロワにその持っていた袋から何かを取り出した。
それは綺麗な石だった。
「お礼かな、ありがとう」
「バリ!」
デリバードは立ち上がると、クロワの周りをぴょんぴょんとした。
「じゃあ私、行くからね」
「デリ……」
「?」
クロワが歩き出すと、デリバードも着いてくる。振り返るとなにやら険しい顔で、デリバードはそこに立っていた。
「どうしたの?」
「デリっ」
デリバードはメンヒルロードをクロワたちが進もうとした先に進んで行った。
「なんか、伝えたいみたいだった」
「デネ……」
「私たちも行こっか」
「デ!」
★★★
場所は変わってショウヨウシティ。
「やっぱりクロワ、最近ジム挑戦したって!」
ジムから出てきたエイヴァルがエイトたちに手を振る。
「じゃあエイヴァルは用事すぐ済ませらそうだな」
「そうだね。カロス観光もよかったなあ」
エイトはふと気になり尋ねてみた。
「イッシュからなにしに来たの?」
「ああ、今は楽器持ってないんだけど、オレ、バンドやってるんだよ」
「バンド」
エイヴァルは頭を掻いた。
「それで最近一人ドラムが抜けちゃったから新メンバー探しについでに、ね?」
「そのためにイッシュから? すごいバイタリティだね」
「ああ! 人のためになにかするの、嫌いじゃない!」
立派だな、エイトはそう思った。
自分はどうだろう。
「とりま、次の町目指しますか!」
「おー!」
ノルンが腕を振り上げ、エイヴァルも腕を突き上げた。なんだか、置いてかれているような気がした。
★★★
セキタイタウンに着いたクロワはポケモンセンターの外でポケモンたちのコンディションを見ていた。あの後コフーライはビビヨンになり、クロワの周りをご機嫌に舞っている。ヒノヤコマがポフレをつまみ、デデンネは日向ぼっこして寝ていて、ゴロンダは少し離れたところできのみをがっついていた。
次のシャラシティまで、厳しい道のりになるらしい。手は尽くさねば。
「本当によく会うなあ。お前」
手持ちたちに気を取られていて、気づかなかった。かけられた声に少し驚いて顔を上げるとヤンチャムをゴロンダにしてくれた男だった。
「あ、お兄さん! これから映し身の洞窟へ行くんです」
「一人で行けンの?」
「わかんないです!」
「そっかぁ」
男は暫くなにか考えていたようだったが、言った。
「セヴン」
「え?」
「名前、俺はセヴン」
「クロワです!」
「ふん」
セヴンは暫く顎に手を当てていたが、クロワを見据えた。
「デリバードを見なかったか?」
「デリバード……ですか?」
「脱走個体だ。それを探してウロウロしてるんだよな」
フレア団たちにボロボロにされたデリバードが、頭をよぎった。
「……ちょっと知らないですねー」
「ああ。お前みたいなガキが知ってる訳ねぇよな」
(ごめんなさい)
クロワは心の中で謝った。
「さて、行きますか」
「……はい」
★★★
「ソーナンスには気をつけろ。そこは俺が露払いする」
「はい!」
セヴンはとても強いトレーナーだった。彼のカメックスの怒涛の攻撃で野生ポケモンもトレーナーのポケモンも全て蹴散らして行った。
「ヒノヤコマ!」
クロワも俊敏なヤヤコマにアタックを任せ、勝利数を重ねていく。その途中でなんと最後の進化のファイアローになった。
「勝った勝ったー! やったーファイアロー!!」
「俺の敵じゃないね」
「セヴンさんはそんなに強いのにバッジ集めないんですね」
「どいつもこいつも恵まれてる訳じゃねぇからな」
「?」
セヴンは決まりが悪そうに頭を掻いた。
「十人十色ってこと。あ、ほら出口」
「本当だ!」
セヴンの指差した光に向かってクロワは走っていく。セヴンもゆっくりと着いていく。
舞台はいよいよシャラシティだ。
【260319】
「メガストーンという対応の石を持たせたポケモンは、戦闘中にメガシンカできる」
ジルコニアはそう言うと目を閉じた。するとハッサムは元の姿に戻り、ジルコニアが次に目を開けた時には目はいつものような漆黒に戻っていた。
言葉に迷っていると、
「メガシンカが気になるなら、シャラシティのコンコンブルを訪れるといい」
とだけ言って去ろうとした。
「あの……ジル君!」
ジルコニアは立ち止まった。
「助けてくださって、ありがとうございました!」
礼をすると、ジルコニアは振り返らずに。
「いいよ、俺フレア団嫌いだから」
「フレア団……?」
「さっきの連中。色々やらかしてるからね。そこのデリバードみたいな目に遭わせたり……」
君も気をつけなよ、とだけ残して彼は今度こそ行ってしまった。
「デネ!」
ジルコニアに手を振っているデデンネを抱き抱えて、クロワはデリバードと呼ばれたポケモンに近づいた。
「大丈夫? これ食べて。オボンのみだよ」
「ク……」
手渡しできのみを渡されたデリバードは幾分か体力を回復させたようだ。そしてクロワにその持っていた袋から何かを取り出した。
それは綺麗な石だった。
「お礼かな、ありがとう」
「バリ!」
デリバードは立ち上がると、クロワの周りをぴょんぴょんとした。
「じゃあ私、行くからね」
「デリ……」
「?」
クロワが歩き出すと、デリバードも着いてくる。振り返るとなにやら険しい顔で、デリバードはそこに立っていた。
「どうしたの?」
「デリっ」
デリバードはメンヒルロードをクロワたちが進もうとした先に進んで行った。
「なんか、伝えたいみたいだった」
「デネ……」
「私たちも行こっか」
「デ!」
★★★
場所は変わってショウヨウシティ。
「やっぱりクロワ、最近ジム挑戦したって!」
ジムから出てきたエイヴァルがエイトたちに手を振る。
「じゃあエイヴァルは用事すぐ済ませらそうだな」
「そうだね。カロス観光もよかったなあ」
エイトはふと気になり尋ねてみた。
「イッシュからなにしに来たの?」
「ああ、今は楽器持ってないんだけど、オレ、バンドやってるんだよ」
「バンド」
エイヴァルは頭を掻いた。
「それで最近一人ドラムが抜けちゃったから新メンバー探しについでに、ね?」
「そのためにイッシュから? すごいバイタリティだね」
「ああ! 人のためになにかするの、嫌いじゃない!」
立派だな、エイトはそう思った。
自分はどうだろう。
「とりま、次の町目指しますか!」
「おー!」
ノルンが腕を振り上げ、エイヴァルも腕を突き上げた。なんだか、置いてかれているような気がした。
★★★
セキタイタウンに着いたクロワはポケモンセンターの外でポケモンたちのコンディションを見ていた。あの後コフーライはビビヨンになり、クロワの周りをご機嫌に舞っている。ヒノヤコマがポフレをつまみ、デデンネは日向ぼっこして寝ていて、ゴロンダは少し離れたところできのみをがっついていた。
次のシャラシティまで、厳しい道のりになるらしい。手は尽くさねば。
「本当によく会うなあ。お前」
手持ちたちに気を取られていて、気づかなかった。かけられた声に少し驚いて顔を上げるとヤンチャムをゴロンダにしてくれた男だった。
「あ、お兄さん! これから映し身の洞窟へ行くんです」
「一人で行けンの?」
「わかんないです!」
「そっかぁ」
男は暫くなにか考えていたようだったが、言った。
「セヴン」
「え?」
「名前、俺はセヴン」
「クロワです!」
「ふん」
セヴンは暫く顎に手を当てていたが、クロワを見据えた。
「デリバードを見なかったか?」
「デリバード……ですか?」
「脱走個体だ。それを探してウロウロしてるんだよな」
フレア団たちにボロボロにされたデリバードが、頭をよぎった。
「……ちょっと知らないですねー」
「ああ。お前みたいなガキが知ってる訳ねぇよな」
(ごめんなさい)
クロワは心の中で謝った。
「さて、行きますか」
「……はい」
★★★
「ソーナンスには気をつけろ。そこは俺が露払いする」
「はい!」
セヴンはとても強いトレーナーだった。彼のカメックスの怒涛の攻撃で野生ポケモンもトレーナーのポケモンも全て蹴散らして行った。
「ヒノヤコマ!」
クロワも俊敏なヤヤコマにアタックを任せ、勝利数を重ねていく。その途中でなんと最後の進化のファイアローになった。
「勝った勝ったー! やったーファイアロー!!」
「俺の敵じゃないね」
「セヴンさんはそんなに強いのにバッジ集めないんですね」
「どいつもこいつも恵まれてる訳じゃねぇからな」
「?」
セヴンは決まりが悪そうに頭を掻いた。
「十人十色ってこと。あ、ほら出口」
「本当だ!」
セヴンの指差した光に向かってクロワは走っていく。セヴンもゆっくりと着いていく。
舞台はいよいよシャラシティだ。
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