それゆけ!ストレンジアドベンチャー!
カンムリ雪原でも奥の方の大樹、ダイ木。話によると三匹の鳥ポケモンがいた場所。
その樹の根本に、ルキとレジギガスはいた。
レジギガスはしきりに樹を揺らしている。
「来ましたね」
アルベルとジュードとロキを見て、ルキは腕を組む。
「ルキ、どういうことだよ!!」
「待ってよ、ロキが打ち解けたみたいだから、最後に楽しいことをしようと思ったんだ。きのみ集めない?」
「へ?」
思ったより平和的な提案に固まっていると上から何かが落ちてきた。
「うわっ!」
そのままなしくずし的にバトルが始まる。相手はヨクバリス。
「俺はイエッサンで行くよ~みんなは?」
ルキが楽しそうにボールを構える。
「ええと、ヤドキング……」
「アブソル……」
「僕もイエッサン……」
「よーし、じゃあ泣いても笑っても最後の共同作業だ! 頑張っていこうなー!」
「……」
「……」
「……お騒がせな兄め」
温度差で台風ができそうなくらいのテンションの中、きのみレイドは始まった。
★★★
「君、俺が嫌いだったんじゃなかったのか」
きのみレイドの後、皆のきのみを精査しているルキに向かって尋ねると、ルキは苦笑した。
「それしちゃったから今回の企画建てたっていうか、な? その、直接言うと、こっ恥ずかしいとこ、あったので……」
謝りたかったということか。
「ロキ……昔おもしろがって、力使わされててん熱出したことあったから。過敏になってしまって……アキのことも実は特大地雷発動させただけで、癇癪でェ……!」
「いや、ロキに無理をさせたのは。事実だし、地雷踏んだのも事実だ」
「状況もロキから聞いたし、自分がアンガーマネジメントをし食っただけなので。……あ、ほら」
「これは、スターのみ……いいのかっ!?」
「レジギガスを持ち出したことを目を瞑って頂ければ」
「……難しいかな」
「だよなー」
大人たちにしっかり絞られましたとさ。
★★★
カンムリ雪原から電車に乗って、双子は雪景色を見ていた。同乗していたアルベルとジュードはお互いもたれかかるように眠っている。無理もない、カンムリ雪原にいた間はずっと動いていたのだから。
「写真撮っちゃお」
「こらこら。それにしてもロキがここまで仲良くなった者も稀だねえ」
「……どういう意味? 僕は自分の意志で友達作ってないだけなんだけど」
「ふふ、そうだな」
二人をスマホに納めて満足したロキが戻ってくる。
「だって別れるの辛いじゃん」
「今回は?」
「二人ともラティス地方に来て欲しい」
「連絡先は交換したし、追々ね。今はお嬢様のこともありますから」
ロキは考え込む仕草をした後、呟いた。
「アマルス、めっちゃいいチョイスだよな」
「そうですね」
俺たちもこのポケモンも、長いですからね。
「──……」
アルベルが誰かの声をした気がして目を覚ますと、首にロキのマフラーが置いてあった。
持ち主を探すがどこにもいない。乗り継ぎで行ってしまったのだろうか。
スターのみをなんとなく取り出してみる。
「『光り輝く一等星』か……」
自分の手持ちのヤドキングをボールから出す。なになに、と近づいてくるヤドキングに持っていたきのみを渡す。
「ほら」
「やあん!」
大喜びするヤドキングを微笑ましいといった顔で眺めながら、ミカのことを思い出す。
『あたしも、まわりがどんどん、あたしをわすれていって、かなしかったことあります』
彼女の顛末は村長に話してある。自分も墓には定期的に行こうと思っている。
(人はどんなにかっこ悪くても、やり直せる。死ぬことも負けることも、一人になることも終わりじゃない)
すうと吸った息は早くも生まれ故郷の匂いが混じり始めている。
ジュードを肩にもたれかけさせたまま、アルベルもまた寝ることにした。
Fin
【250912】
その樹の根本に、ルキとレジギガスはいた。
レジギガスはしきりに樹を揺らしている。
「来ましたね」
アルベルとジュードとロキを見て、ルキは腕を組む。
「ルキ、どういうことだよ!!」
「待ってよ、ロキが打ち解けたみたいだから、最後に楽しいことをしようと思ったんだ。きのみ集めない?」
「へ?」
思ったより平和的な提案に固まっていると上から何かが落ちてきた。
「うわっ!」
そのままなしくずし的にバトルが始まる。相手はヨクバリス。
「俺はイエッサンで行くよ~みんなは?」
ルキが楽しそうにボールを構える。
「ええと、ヤドキング……」
「アブソル……」
「僕もイエッサン……」
「よーし、じゃあ泣いても笑っても最後の共同作業だ! 頑張っていこうなー!」
「……」
「……」
「……お騒がせな兄め」
温度差で台風ができそうなくらいのテンションの中、きのみレイドは始まった。
★★★
「君、俺が嫌いだったんじゃなかったのか」
きのみレイドの後、皆のきのみを精査しているルキに向かって尋ねると、ルキは苦笑した。
「それしちゃったから今回の企画建てたっていうか、な? その、直接言うと、こっ恥ずかしいとこ、あったので……」
謝りたかったということか。
「ロキ……昔おもしろがって、力使わされててん熱出したことあったから。過敏になってしまって……アキのことも実は特大地雷発動させただけで、癇癪でェ……!」
「いや、ロキに無理をさせたのは。事実だし、地雷踏んだのも事実だ」
「状況もロキから聞いたし、自分がアンガーマネジメントをし食っただけなので。……あ、ほら」
「これは、スターのみ……いいのかっ!?」
「レジギガスを持ち出したことを目を瞑って頂ければ」
「……難しいかな」
「だよなー」
大人たちにしっかり絞られましたとさ。
★★★
カンムリ雪原から電車に乗って、双子は雪景色を見ていた。同乗していたアルベルとジュードはお互いもたれかかるように眠っている。無理もない、カンムリ雪原にいた間はずっと動いていたのだから。
「写真撮っちゃお」
「こらこら。それにしてもロキがここまで仲良くなった者も稀だねえ」
「……どういう意味? 僕は自分の意志で友達作ってないだけなんだけど」
「ふふ、そうだな」
二人をスマホに納めて満足したロキが戻ってくる。
「だって別れるの辛いじゃん」
「今回は?」
「二人ともラティス地方に来て欲しい」
「連絡先は交換したし、追々ね。今はお嬢様のこともありますから」
ロキは考え込む仕草をした後、呟いた。
「アマルス、めっちゃいいチョイスだよな」
「そうですね」
俺たちもこのポケモンも、長いですからね。
「──……」
アルベルが誰かの声をした気がして目を覚ますと、首にロキのマフラーが置いてあった。
持ち主を探すがどこにもいない。乗り継ぎで行ってしまったのだろうか。
スターのみをなんとなく取り出してみる。
「『光り輝く一等星』か……」
自分の手持ちのヤドキングをボールから出す。なになに、と近づいてくるヤドキングに持っていたきのみを渡す。
「ほら」
「やあん!」
大喜びするヤドキングを微笑ましいといった顔で眺めながら、ミカのことを思い出す。
『あたしも、まわりがどんどん、あたしをわすれていって、かなしかったことあります』
彼女の顛末は村長に話してある。自分も墓には定期的に行こうと思っている。
(人はどんなにかっこ悪くても、やり直せる。死ぬことも負けることも、一人になることも終わりじゃない)
すうと吸った息は早くも生まれ故郷の匂いが混じり始めている。
ジュードを肩にもたれかけさせたまま、アルベルもまた寝ることにした。
Fin
【250912】
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