それゆけ!ストレンジアドベンチャー!
色々あった翌日。
「ふああー、おはようアルベル……」
「おはようジュード」
「今日も巨人かなー。ユイさんに任されちゃったからね」
「そうだな……」
そう言った時、ジュードのスマホに着信が鳴った。
「リスからだ」
「そ、そうか」
彼には本当に悪いことをしたとアルベルは思う。
「出るよ?」
「ああ」
『もしもーし! ジュードん家行ったらカンムリ雪原にいるって聞いたんでかけてまーす!!』
スピーカー越しに大声が聞こえてくる。
「ああ、そうなの?ごめんね」
『だからさー、オレから支援!!』
「え?」
『タマゴ通信交換で送っといたからさ、後で受け取ってくれよなー。ジュードとアルベルで育ててくれ!』
そう叫んで電話は切れた。
「……嵐みたいな奴しかおらんのか」
「あ。本当だ。タマゴ」
ボックスを操作していたジュードがタマゴを取り出した。
「俺が持とう。実はムゲンダイナを持ってきていてな……余裕はある」
「え!」
「すまん……」
そろそろ頃合いか。アルベルは息を吐く。
「実は、あれから……ブラックナイトの時からかな。自信がなくて、ずっとお守り見たいに持ち歩いてたんだ……」
「……」
「ああ、ダメだ。ずっとダメだ。……あれからずっと迷ってばっかりだ」
情けなさに頭を抱える。
「……も」
「ジュード……」
俯いてしまったジュードに、やはり失望したか、と言ったことを後悔していると。
「一等星じゃなくても、王族じゃなくても、僕はアルベル好きだよ」
しかしジュードは。微笑んでいる。
「ダメでも、自信なくても、一生懸命生きてるアルベルが好きだよ」
「ジュード……」
またぽろ、と涙が零れた。
「俺……っ、前みたいじゃなかったら、嫌われる、と思ってェ……!」
「うんうん」
ジュードの手を握り、ぐすぐす泣いていると、ピオニーがやってきた。
「隊員を泣かせたのか!? 隊長!!」
「ちが、うぅ~ッ」
「ふふ」
「?」
★★★
「まさか入るのにフリージオが必要だとは」
「捕まえてて、よかったね」
「ああ……」
恐らく今回も戦闘になるだろう。
「行くぞ」
「うん!」
タマゴを抱えてアルベルは遺跡に足を踏み入れた。
-----
「レジアイス、ゲット!!」
「ふう……」
「やったね、隊長に報告しに行こう!」
「その必要はないぜ」
振り向くとロキがいた。
「ロキ?」
「レジロックは僕たちが捕まえた。へへっ、悔しい?」
「え、と……」
「任されたといえど俺たちだけのものではないから状況さえ教えてくれれば俺たちはいいが……」
「懸命だね」
ロキはそれだけ言うと考え込む動作になってしまった。
「……強すぎる」
「え?」
「巨人は、強すぎる」
「そりゃあ、あまり見ないポケモンだからね」
「アルベル、だったっけ」
「は!?」
「レジロックを預けるから、十歳の女の子でも扱えるポケモン、捕まえてくんない」
「……いいのか」
「さっきも言ったけど強すぎるんだ。お嬢様の友達やるにはごついし……」
「そう、か……」
それなら、とボールを受け取り、電話番号も交換する。
「なるべく可愛いポケモンで頼むよ」
「わかった」
「じゃ」
ロキは去って行った。
「ふう。だがとりあえず、この調子で巨人は踏破してしまおう! 行くぞジュード!!」
「ふふ、はあい」
走って行く二人を見送ったロキは顎に手を当てた。
「仲よさそう」
★★★
「レジエレキにレジドラゴか……」
「最近観測された巨人らしい、こちらもメモを更新しとくか……しかし」
アルベルは一個のボールを取った。
「女の子は本当にこれで喜ぶだろうか……? やっぱりジュードが選んだ方がよかったんじゃ」
「大丈夫! 自信持って!」
「ふう、巨人はまだ続きがあるようだが、一旦コバルオンを探すか」
「気になる? ミカちゃんのこと」
「うん、やはりね」
ミカは村で話を聞いてから一回も姿を見せていない。
うっすら『話を聞いたからでは』と思いつつも、コバルオンのことは後にしてしまっていた。
「じゃあ、俺は巨人の続きやっちゃおうかな」
「大丈夫か? 一人で」
「……俺を誰だと思ってるのさ」
ジュードは不敵な笑みを浮かべて、腰に手を当てた。その頼もしさに、笑い声が漏れる。
「……そう、だな。では行ってくる」
片手を上げて、二人は別れた。
★★★
「と言っても、ユイ君に言うと対価を要求されそうだし……まずロキに連絡するか」
スマホを起動し、教えてもらった番号にかけると数分経ってから、ロキの低い声が聞こえた。
『……なに?』
「ポケモンを調達した。フリーズ村で会えないか」
『さすが仕事が早いな。わかった』
簡素な応答だけで電話は終わった。
「そういえばルキの方は別行動なんだろうか……」
ぼやきながらアルベルは空飛ぶタクシーを呼んだ。
★★★
「これがアマルスだ。やがて強くなるし気性も穏やかだ」
「助かる」
ロキはボールを受け取ると中身を確認している。
「しかし慣れあいなどしないって感じだったのに、随分と頼ってくれるんだな?」
そうするとロキは途端に口を尖らせた。
「……人見知り」
「なるほど?」
人知れず誤解されて苦労してそうだ。
「そういえばルキは」
「大樹を調べに行ってる。なんかここから見える奴」
「ああ、そこならユイ君も」
「ユイ?」
「変わった女性がいるんだ」
ロキはボールをしまい腕を組む。
「やっぱりここ、似てるなあ」
「うん?」
「僕たちの故郷。もうないんだけどさ。いろんなポケモンがいた……。いい奴も悪い奴も」
「……」
「うん、気にしないで」
ロキは腕を崩すと今度は肩に手を当てた。
「今はお前とバトルしたいかも」
「いいぞ!」
「……話早い。行くぜ。ギタギタにして泣かせてやるよ」
「ははっ、口調だけは悪役だな! 出番だポットデス!」
「いけっ、サンサン!」
ロキのボールから出てきたのはオスのイエッサン。出た瞬間、足元が桃色に不思議な感じになる。
「サイコメイカー……!」
なかなか厄介なことをしてくる。
「ダブルだったらもっと痛い目見せれたんだけど、サンサン、“サイコキネシス”!」
「エスパーの威力が上がってるのはこちらも一緒だ! “サイコショック”だ、ポットデス!!」
「イェー!」
「ポッチャ!」
お互いの威力の上がったエスパー技がぶつかり合う。
それは相殺され、空中でピンクの小爆発が起きた。
「煙に潜り込めポットデス!」
「サンサン! “マジカルシャイン”で範囲を攻めろ!」
光は煙ごと包み──……。何かが地面に落ちた。
「やったか……みがわり人形!?」
「“ギガドレイン”!」
ポットデスに体力を吸われたサンサンが尻もちをつき、くらくらとしている、ひんしだ。
「俺の勝ちだな」
「いつポットデスにサイン出してた訳?」
「ハンドサインを使っている。技を言うだけでは手の内がバレてしまうからな」
「そんなん僕咄嗟にできない……」
「諦めるな!」
俯くロキが大声で叫ばれ驚いている。
「諦めたらそこで可能性は止まってしまう。俺だって……」
そこでアルベルはジムチャレンジで自分がなにをしたかを伝えた。ロキは驚いて聞いていたが信じてはくれたようだ。燕尾服の上に着けたマフラーを掴み、何かを考えている。
「話してくれて、ありがとう。……でもルキの前ではその話、しない方がいいぜ」
「どうして?」
「全く同じことした奴が、身内にいるからだよ」
「え?」
ロキのマフラーを掴む力が強くなる。
「アキ。……さっき言った僕たちの世界を、壊した存在」
「君は……」
いつの間にか夜になっていた。そのロキの目が爛爛と金色に光っている。目が光るなんて普通の人間ではありえない。
「なにも、聞かないで欲しい」
「ロキ。安心してくれ。事情はよくわからないが。君が誤解されがちないい子だというのはわかっている。何も聞かないし暴かない」
「……ありがとう。アマルス、大切にさせる」
「うん」
「きゃー!!」
ロキが頷いた時、老人たちが声を上げているのが聞こえた。そちらを見ると巨大な馬のポケモンが老婆に襲われているところだった。
「ご老人!!」
アルベルがそちらへ向かおうとした時だった。
「──『 』ッ!!」
ロキが何か言葉を発した。聞き取れなかったが、馬のポケモンはそれに反応し、ロキの方を見た後、去って行った。
ロキはそれだけで疲れたように肩で息をしている。
「ロキ……」
その後ユウリが来て、事情を聞いて『あれは豊穣の主が乗るポケモンだ』、とだけ伝えた後、ここにはいないことを知り、また村の外へ出て行った。
その話をしている間もロキは辛そうで、アルベルが支える形になっている。
「少し休もう、俺たちのところで」
「ん」
「ロキ!」
今度はルキが来た。ロキに一直線に向かい、その顔色を見ている。
「『使った』のか!?」
「……やはり何かしたんだな?」
ルキは悔しそうに唇を噛む。
「貴方がいながらっ……たいしたことないようだね、元ジムチャレンジャー」
「……っ」
「ガラルの鳥ポケモンが解き放たれた。……ユイという女が見つかってね。本土のワイルドエリア、ヨロイ島、ここカンムリ雪原。どちらにせよお嬢様には早すぎる。捕えたいなら勝手にしろ」
「……なあ、『アキ』って」
「その名前を出すな!」
ロキがアルベルの胸を押した。
「……ぼく、アルベルが怒鳴られてるとこ、みたくないよっ……」
「ああ、すまない。ロキ。こんな奴はほっといて、行こう」
ルキはロキの体を強引に奪い取るとおぶって村長の家に向かった。茫然としていると自分が村の老人たちの注目を受けていることに気づき、慌てて『ユウリが向かったからもう大丈夫だ』と釈明し、ジュードを迎えるために借りているロッジに戻った。
【250912】
「ふああー、おはようアルベル……」
「おはようジュード」
「今日も巨人かなー。ユイさんに任されちゃったからね」
「そうだな……」
そう言った時、ジュードのスマホに着信が鳴った。
「リスからだ」
「そ、そうか」
彼には本当に悪いことをしたとアルベルは思う。
「出るよ?」
「ああ」
『もしもーし! ジュードん家行ったらカンムリ雪原にいるって聞いたんでかけてまーす!!』
スピーカー越しに大声が聞こえてくる。
「ああ、そうなの?ごめんね」
『だからさー、オレから支援!!』
「え?」
『タマゴ通信交換で送っといたからさ、後で受け取ってくれよなー。ジュードとアルベルで育ててくれ!』
そう叫んで電話は切れた。
「……嵐みたいな奴しかおらんのか」
「あ。本当だ。タマゴ」
ボックスを操作していたジュードがタマゴを取り出した。
「俺が持とう。実はムゲンダイナを持ってきていてな……余裕はある」
「え!」
「すまん……」
そろそろ頃合いか。アルベルは息を吐く。
「実は、あれから……ブラックナイトの時からかな。自信がなくて、ずっとお守り見たいに持ち歩いてたんだ……」
「……」
「ああ、ダメだ。ずっとダメだ。……あれからずっと迷ってばっかりだ」
情けなさに頭を抱える。
「……も」
「ジュード……」
俯いてしまったジュードに、やはり失望したか、と言ったことを後悔していると。
「一等星じゃなくても、王族じゃなくても、僕はアルベル好きだよ」
しかしジュードは。微笑んでいる。
「ダメでも、自信なくても、一生懸命生きてるアルベルが好きだよ」
「ジュード……」
またぽろ、と涙が零れた。
「俺……っ、前みたいじゃなかったら、嫌われる、と思ってェ……!」
「うんうん」
ジュードの手を握り、ぐすぐす泣いていると、ピオニーがやってきた。
「隊員を泣かせたのか!? 隊長!!」
「ちが、うぅ~ッ」
「ふふ」
「?」
★★★
「まさか入るのにフリージオが必要だとは」
「捕まえてて、よかったね」
「ああ……」
恐らく今回も戦闘になるだろう。
「行くぞ」
「うん!」
タマゴを抱えてアルベルは遺跡に足を踏み入れた。
-----
「レジアイス、ゲット!!」
「ふう……」
「やったね、隊長に報告しに行こう!」
「その必要はないぜ」
振り向くとロキがいた。
「ロキ?」
「レジロックは僕たちが捕まえた。へへっ、悔しい?」
「え、と……」
「任されたといえど俺たちだけのものではないから状況さえ教えてくれれば俺たちはいいが……」
「懸命だね」
ロキはそれだけ言うと考え込む動作になってしまった。
「……強すぎる」
「え?」
「巨人は、強すぎる」
「そりゃあ、あまり見ないポケモンだからね」
「アルベル、だったっけ」
「は!?」
「レジロックを預けるから、十歳の女の子でも扱えるポケモン、捕まえてくんない」
「……いいのか」
「さっきも言ったけど強すぎるんだ。お嬢様の友達やるにはごついし……」
「そう、か……」
それなら、とボールを受け取り、電話番号も交換する。
「なるべく可愛いポケモンで頼むよ」
「わかった」
「じゃ」
ロキは去って行った。
「ふう。だがとりあえず、この調子で巨人は踏破してしまおう! 行くぞジュード!!」
「ふふ、はあい」
走って行く二人を見送ったロキは顎に手を当てた。
「仲よさそう」
★★★
「レジエレキにレジドラゴか……」
「最近観測された巨人らしい、こちらもメモを更新しとくか……しかし」
アルベルは一個のボールを取った。
「女の子は本当にこれで喜ぶだろうか……? やっぱりジュードが選んだ方がよかったんじゃ」
「大丈夫! 自信持って!」
「ふう、巨人はまだ続きがあるようだが、一旦コバルオンを探すか」
「気になる? ミカちゃんのこと」
「うん、やはりね」
ミカは村で話を聞いてから一回も姿を見せていない。
うっすら『話を聞いたからでは』と思いつつも、コバルオンのことは後にしてしまっていた。
「じゃあ、俺は巨人の続きやっちゃおうかな」
「大丈夫か? 一人で」
「……俺を誰だと思ってるのさ」
ジュードは不敵な笑みを浮かべて、腰に手を当てた。その頼もしさに、笑い声が漏れる。
「……そう、だな。では行ってくる」
片手を上げて、二人は別れた。
★★★
「と言っても、ユイ君に言うと対価を要求されそうだし……まずロキに連絡するか」
スマホを起動し、教えてもらった番号にかけると数分経ってから、ロキの低い声が聞こえた。
『……なに?』
「ポケモンを調達した。フリーズ村で会えないか」
『さすが仕事が早いな。わかった』
簡素な応答だけで電話は終わった。
「そういえばルキの方は別行動なんだろうか……」
ぼやきながらアルベルは空飛ぶタクシーを呼んだ。
★★★
「これがアマルスだ。やがて強くなるし気性も穏やかだ」
「助かる」
ロキはボールを受け取ると中身を確認している。
「しかし慣れあいなどしないって感じだったのに、随分と頼ってくれるんだな?」
そうするとロキは途端に口を尖らせた。
「……人見知り」
「なるほど?」
人知れず誤解されて苦労してそうだ。
「そういえばルキは」
「大樹を調べに行ってる。なんかここから見える奴」
「ああ、そこならユイ君も」
「ユイ?」
「変わった女性がいるんだ」
ロキはボールをしまい腕を組む。
「やっぱりここ、似てるなあ」
「うん?」
「僕たちの故郷。もうないんだけどさ。いろんなポケモンがいた……。いい奴も悪い奴も」
「……」
「うん、気にしないで」
ロキは腕を崩すと今度は肩に手を当てた。
「今はお前とバトルしたいかも」
「いいぞ!」
「……話早い。行くぜ。ギタギタにして泣かせてやるよ」
「ははっ、口調だけは悪役だな! 出番だポットデス!」
「いけっ、サンサン!」
ロキのボールから出てきたのはオスのイエッサン。出た瞬間、足元が桃色に不思議な感じになる。
「サイコメイカー……!」
なかなか厄介なことをしてくる。
「ダブルだったらもっと痛い目見せれたんだけど、サンサン、“サイコキネシス”!」
「エスパーの威力が上がってるのはこちらも一緒だ! “サイコショック”だ、ポットデス!!」
「イェー!」
「ポッチャ!」
お互いの威力の上がったエスパー技がぶつかり合う。
それは相殺され、空中でピンクの小爆発が起きた。
「煙に潜り込めポットデス!」
「サンサン! “マジカルシャイン”で範囲を攻めろ!」
光は煙ごと包み──……。何かが地面に落ちた。
「やったか……みがわり人形!?」
「“ギガドレイン”!」
ポットデスに体力を吸われたサンサンが尻もちをつき、くらくらとしている、ひんしだ。
「俺の勝ちだな」
「いつポットデスにサイン出してた訳?」
「ハンドサインを使っている。技を言うだけでは手の内がバレてしまうからな」
「そんなん僕咄嗟にできない……」
「諦めるな!」
俯くロキが大声で叫ばれ驚いている。
「諦めたらそこで可能性は止まってしまう。俺だって……」
そこでアルベルはジムチャレンジで自分がなにをしたかを伝えた。ロキは驚いて聞いていたが信じてはくれたようだ。燕尾服の上に着けたマフラーを掴み、何かを考えている。
「話してくれて、ありがとう。……でもルキの前ではその話、しない方がいいぜ」
「どうして?」
「全く同じことした奴が、身内にいるからだよ」
「え?」
ロキのマフラーを掴む力が強くなる。
「アキ。……さっき言った僕たちの世界を、壊した存在」
「君は……」
いつの間にか夜になっていた。そのロキの目が爛爛と金色に光っている。目が光るなんて普通の人間ではありえない。
「なにも、聞かないで欲しい」
「ロキ。安心してくれ。事情はよくわからないが。君が誤解されがちないい子だというのはわかっている。何も聞かないし暴かない」
「……ありがとう。アマルス、大切にさせる」
「うん」
「きゃー!!」
ロキが頷いた時、老人たちが声を上げているのが聞こえた。そちらを見ると巨大な馬のポケモンが老婆に襲われているところだった。
「ご老人!!」
アルベルがそちらへ向かおうとした時だった。
「──『 』ッ!!」
ロキが何か言葉を発した。聞き取れなかったが、馬のポケモンはそれに反応し、ロキの方を見た後、去って行った。
ロキはそれだけで疲れたように肩で息をしている。
「ロキ……」
その後ユウリが来て、事情を聞いて『あれは豊穣の主が乗るポケモンだ』、とだけ伝えた後、ここにはいないことを知り、また村の外へ出て行った。
その話をしている間もロキは辛そうで、アルベルが支える形になっている。
「少し休もう、俺たちのところで」
「ん」
「ロキ!」
今度はルキが来た。ロキに一直線に向かい、その顔色を見ている。
「『使った』のか!?」
「……やはり何かしたんだな?」
ルキは悔しそうに唇を噛む。
「貴方がいながらっ……たいしたことないようだね、元ジムチャレンジャー」
「……っ」
「ガラルの鳥ポケモンが解き放たれた。……ユイという女が見つかってね。本土のワイルドエリア、ヨロイ島、ここカンムリ雪原。どちらにせよお嬢様には早すぎる。捕えたいなら勝手にしろ」
「……なあ、『アキ』って」
「その名前を出すな!」
ロキがアルベルの胸を押した。
「……ぼく、アルベルが怒鳴られてるとこ、みたくないよっ……」
「ああ、すまない。ロキ。こんな奴はほっといて、行こう」
ルキはロキの体を強引に奪い取るとおぶって村長の家に向かった。茫然としていると自分が村の老人たちの注目を受けていることに気づき、慌てて『ユウリが向かったからもう大丈夫だ』と釈明し、ジュードを迎えるために借りているロッジに戻った。
【250912】
