それゆけ!ストレンジアドベンチャー!
「ゆけっ、オオタチ!!」
「捕まえたばっかりのアブソルでお相手するよ!」
「ならば俺はレフェリーをやろう」
「そうこなくちゃ」
「一対一でいいよな、では始めっ!」
「アブソル──!」
「そうはさせないわよ! “でんこうせっか”!」
「くっ!」
オオタチの先制攻撃がアブソルに入る。
「負けないで! “ちょうはつ”」
「! ぽたー!!」
アブソルが気取ったようなポーズで余裕を見えるとオオタチは不機嫌そうに吼えた。
「なるほど、オオタチは厄介な変化技が多いからな……」
ポケモンバトルについても学んでいるとは聞いた。
「そのまま“はたきおとす”!」
間髪入れずアブソルの強烈な腕の振りオロシが当たる。反動でオオタチのオボンのみが転がり落ちた。
「強いわね、あたし、とっておき出しちゃう!」
ユイは楽しそうに笑い、オオタチに指示する。
「“れいとうパンチ”!!」
「なにっ!」
「!」
オオタチの冷気をまとったパンチがアブソルの足に当たり、この寒さも手伝って、凍り付いてしまう。動くことができない!
「そのまま“たたきつける”!!」
「させない、“まもる”!!」
「くっ」
(ジュード、捕まえたばかりのアブソルにもう技マシンを、ずっと勝負強くなってる……)
まもることでオオタチの動きが一瞬止まった。
「今だよ!“きりさく”!」
「ぽたっ!!」
爪の一撃を受けたオオタチが地面に転がる。そのまま目を回して気を失った。
「え、えと」
「審判?」
戸惑っているとユイから圧を受けてしまった。
「し、失礼! オオタチ、戦闘不能! よって勝者、ジュード!!」
「やった! ありがとう、頑張ったねアブソル!」
「きゅううん」
勝てて嬉しいのかアブソルが甘えた声を出す。それを撫でながらジュードは言った。
「僕、そっちの掛け金は要りませんから」
「あら。色違いポケモン二匹よ? 分け合っても一匹ずつよ?」
「ポケモンの価値はそれだけではないので……ユイさんとのバトルで課題も見えたので、勉強代でいいです。残りの巨人はユイさんが間に合うといいですね?」
ユイは目を見開いた後、ふふっと笑った。
「その感じだと巨人は無理そう……わかった。奥にある大木で珍しい鳥ポケモンが見つかったらしいから、そっちを調査するわ」
「競ってくれていいのに」
「珍しいポケモンはタイム イズ タイムなの」
そう言ったユイはもうライコウに乗っている。
「じゃあ! 縁があったら!」
そう言って初めて会った時のように走り去って行ってしまった。
「まるで嵐だな」
「アルベル! 僕バトルうまくできたよ! 同じあくタイプだけど、レパルダスとは全然違っておもしろいね!」
「ああ、見てたよ。ジュードは強くなったな」
「アルベルが見ててくれたからだよ」
「──……そうか」
そんなことはないよ。
「とりあえず、ピオニー隊長に報告しよう」
「うん!」
★★★
「ユウリならいねえよ」
ピオニーはそう言った。
「俺が服こさえたら『ちょっと豊穣の王とデートしてきます!』って行っちまった。俺も一瞬記憶なくしたりしてるんだが、縫い疲れか?」
「疲れたなら休んでください」
「これがレジスチルだ。鋼の巨人はこれだろう」
「おう! お疲れさん! ボールはこっちで保管しとくぜ」
ボールを受け取った後、ピオニーは顎に手を当てて。
「そういえば、フリーズ村にまた物好きなトレーナーが増えたみたいだぜ。もうここはいっぱいだから村長の家に泊まるらしい」
「へぇ。挨拶に行こうか。ジュード」
「いや、挨拶っていうか、あれは……」
「?」
「まあいいか! ド・かてぇ鋼にぶつかって欠けるのも人生だしな!」
「物騒な人生だなあ」
「はは、俺はピオニーさんすごい好きかも」
★★★
「なるほど、そうかあ」
「うんうん」
「ということなら、当面は調査かな。ルキ」
「そうだね、後で色々調べよう。ロキ」
村長の家で村長から話を聞いている二人の燕尾服の男性は、アルベルとジュードに気づくと首を傾げた。髪の色が一緒で顔はそっくりだ。双子だろう。差異は片方が長い髪でリボンで髪をくくってるくらい。
「村長の言ってたお客人かな」
「あ、僕らのライバルだぁ」
「ライバル?」
「ええと、俺はジュード。こっちがアルベル」
「ルキと呼んでどうぞ、こちらはロキ。ジュード様、アルベル様」
「さ、様?」
「呼ばれ慣れてるけど、ここでは慣れないね」
「僕は呼ばないよ」
ロキという、長い髪の男性はルキとは違ってあまり好意的ではないようだ。
「ね、行こうよルキ。おい貴族共、あまり調子に乗るなよ」
「こらこらロキ。それでは」
二人は雪降りの景色に消えた。
村長が語り出す。
「双子の使用人っていうんですか。主人のためにここのポケモンを捕まえにきたようで」
「はあ……」
「捕まえる分には問題ないですじゃ。あんたたちも順調かね」
「はい、ミカとの約束もありますし」
「ミカ……? 何故うちの大叔母の名前を?」
大叔母、祖母の妹。
「えええっ!?」
「うちの祖母の妹の名前ですな。多分偶然だと思うですが……小さい頃に遭難してそれきりらしくてね。祖母からはよく悲しみの話を聞かされたものですじゃ」
それだけ言うと村長は踵を返す。
「それじゃ、風邪には気をつけて」
家に入って行った村長に取り残され、アルベルとジュードは顔を見合わせた。
「どういうこと?」
「さ、さあ……でもミカなんてよくある名前だし……」
「次会った時、聞いてみてもいいかもね」
「ああ……」
謎を抱えつつも、その日は二人は冒険を終え、ベッドで眠ることにした。
【250911】
「捕まえたばっかりのアブソルでお相手するよ!」
「ならば俺はレフェリーをやろう」
「そうこなくちゃ」
「一対一でいいよな、では始めっ!」
「アブソル──!」
「そうはさせないわよ! “でんこうせっか”!」
「くっ!」
オオタチの先制攻撃がアブソルに入る。
「負けないで! “ちょうはつ”」
「! ぽたー!!」
アブソルが気取ったようなポーズで余裕を見えるとオオタチは不機嫌そうに吼えた。
「なるほど、オオタチは厄介な変化技が多いからな……」
ポケモンバトルについても学んでいるとは聞いた。
「そのまま“はたきおとす”!」
間髪入れずアブソルの強烈な腕の振りオロシが当たる。反動でオオタチのオボンのみが転がり落ちた。
「強いわね、あたし、とっておき出しちゃう!」
ユイは楽しそうに笑い、オオタチに指示する。
「“れいとうパンチ”!!」
「なにっ!」
「!」
オオタチの冷気をまとったパンチがアブソルの足に当たり、この寒さも手伝って、凍り付いてしまう。動くことができない!
「そのまま“たたきつける”!!」
「させない、“まもる”!!」
「くっ」
(ジュード、捕まえたばかりのアブソルにもう技マシンを、ずっと勝負強くなってる……)
まもることでオオタチの動きが一瞬止まった。
「今だよ!“きりさく”!」
「ぽたっ!!」
爪の一撃を受けたオオタチが地面に転がる。そのまま目を回して気を失った。
「え、えと」
「審判?」
戸惑っているとユイから圧を受けてしまった。
「し、失礼! オオタチ、戦闘不能! よって勝者、ジュード!!」
「やった! ありがとう、頑張ったねアブソル!」
「きゅううん」
勝てて嬉しいのかアブソルが甘えた声を出す。それを撫でながらジュードは言った。
「僕、そっちの掛け金は要りませんから」
「あら。色違いポケモン二匹よ? 分け合っても一匹ずつよ?」
「ポケモンの価値はそれだけではないので……ユイさんとのバトルで課題も見えたので、勉強代でいいです。残りの巨人はユイさんが間に合うといいですね?」
ユイは目を見開いた後、ふふっと笑った。
「その感じだと巨人は無理そう……わかった。奥にある大木で珍しい鳥ポケモンが見つかったらしいから、そっちを調査するわ」
「競ってくれていいのに」
「珍しいポケモンはタイム イズ タイムなの」
そう言ったユイはもうライコウに乗っている。
「じゃあ! 縁があったら!」
そう言って初めて会った時のように走り去って行ってしまった。
「まるで嵐だな」
「アルベル! 僕バトルうまくできたよ! 同じあくタイプだけど、レパルダスとは全然違っておもしろいね!」
「ああ、見てたよ。ジュードは強くなったな」
「アルベルが見ててくれたからだよ」
「──……そうか」
そんなことはないよ。
「とりあえず、ピオニー隊長に報告しよう」
「うん!」
★★★
「ユウリならいねえよ」
ピオニーはそう言った。
「俺が服こさえたら『ちょっと豊穣の王とデートしてきます!』って行っちまった。俺も一瞬記憶なくしたりしてるんだが、縫い疲れか?」
「疲れたなら休んでください」
「これがレジスチルだ。鋼の巨人はこれだろう」
「おう! お疲れさん! ボールはこっちで保管しとくぜ」
ボールを受け取った後、ピオニーは顎に手を当てて。
「そういえば、フリーズ村にまた物好きなトレーナーが増えたみたいだぜ。もうここはいっぱいだから村長の家に泊まるらしい」
「へぇ。挨拶に行こうか。ジュード」
「いや、挨拶っていうか、あれは……」
「?」
「まあいいか! ド・かてぇ鋼にぶつかって欠けるのも人生だしな!」
「物騒な人生だなあ」
「はは、俺はピオニーさんすごい好きかも」
★★★
「なるほど、そうかあ」
「うんうん」
「ということなら、当面は調査かな。ルキ」
「そうだね、後で色々調べよう。ロキ」
村長の家で村長から話を聞いている二人の燕尾服の男性は、アルベルとジュードに気づくと首を傾げた。髪の色が一緒で顔はそっくりだ。双子だろう。差異は片方が長い髪でリボンで髪をくくってるくらい。
「村長の言ってたお客人かな」
「あ、僕らのライバルだぁ」
「ライバル?」
「ええと、俺はジュード。こっちがアルベル」
「ルキと呼んでどうぞ、こちらはロキ。ジュード様、アルベル様」
「さ、様?」
「呼ばれ慣れてるけど、ここでは慣れないね」
「僕は呼ばないよ」
ロキという、長い髪の男性はルキとは違ってあまり好意的ではないようだ。
「ね、行こうよルキ。おい貴族共、あまり調子に乗るなよ」
「こらこらロキ。それでは」
二人は雪降りの景色に消えた。
村長が語り出す。
「双子の使用人っていうんですか。主人のためにここのポケモンを捕まえにきたようで」
「はあ……」
「捕まえる分には問題ないですじゃ。あんたたちも順調かね」
「はい、ミカとの約束もありますし」
「ミカ……? 何故うちの大叔母の名前を?」
大叔母、祖母の妹。
「えええっ!?」
「うちの祖母の妹の名前ですな。多分偶然だと思うですが……小さい頃に遭難してそれきりらしくてね。祖母からはよく悲しみの話を聞かされたものですじゃ」
それだけ言うと村長は踵を返す。
「それじゃ、風邪には気をつけて」
家に入って行った村長に取り残され、アルベルとジュードは顔を見合わせた。
「どういうこと?」
「さ、さあ……でもミカなんてよくある名前だし……」
「次会った時、聞いてみてもいいかもね」
「ああ……」
謎を抱えつつも、その日は二人は冒険を終え、ベッドで眠ることにした。
【250911】
