黒の時代
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−No side−
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「目覚めたかい、織田作」
『気分は、大丈夫?』
織田作は病室で目を覚ますと
ベットのすぐ横の椅子に
太宰と沙羅が座っていた
「無効五十年の二日酔いをまとめて受け取っている気分だ。お前達に云われた場所で、安吾に会った」
ミミックのアジトへ向かい
爆破から安吾を救け出した織田作は
毒でアジトの近くに
そのまま倒れてしまっていたのだ
「やはり安吾はあの場所にいたのだね」
予想通りだった為特に驚く訳でもなく
淡々と言葉を続け、
沙羅はその会話に無言で耳を傾けている
「ああ。黒ずくめの兵士達と闇に消えた」
「差し当たり、黒の特殊部隊といったところだね。どうやら起こっている現象は二つに分けられるようだ」
「奴等とミミックは別組織なのか?」
「別だよ」
「ただ、黒の特殊部隊の方は当面無視していい。やはり危険なのはミミックだ。市内で起きている抗争に、芥川君を始めとする武闘派構成員が対抗してはいるけれど、こちらは敵の長が使う異能力さえ判っていないんだ。分が悪い」
夕日が差し込む薄暗い病室で
太宰と織田作の声が重く響く
「その芥川という男は、確かお前達の部下だったな。かなり攻撃的な異能力を持っていると聞いたが」
「彼は鞘のない刀剣だよ。遠からずマフィア最強の異能力者になるだろう。でも今は誰かが刃の仕舞い方を教えなくちゃならない。………話がそれたね。今朝、五大幹部会が招集されてポートマフィアの全戦力をもってミミックを迎撃することが決定された。ついさっき、芥川君を含む私と沙羅の部下達が奇襲を受け、今も美術館で抗争を…」
太宰が言葉を言い終わる前に
織田作は銃を手に取り
ベットから降りようとした
『織田作、まさか行くつもりなの?』
「全戦力を持って迎撃するんだろう」
「人殺しをしない織田作は、抗争なんて興味ないと思っていたよ」
「ない」
織田作はベットの横に畳んであった
コートを手に取り、
そう言いながら立ち上がった
『じゃあどうして…?』
沙羅が心配そうに織田作に問えば、
「借りの多い人生だからな。部下が苦戦中なら、助けが必要だ」
織田作はそう言い残して、
病室のドアを開け去っていった。
静かな病室には、
ドアの閉まる音だけが響いて
「借りなんて忘れて仕舞えばいい。相手だって、何を貸したかなんて、憶えちゃいないさ」
独り言のように、
太宰がそう呟く。
沙羅は織田作が行ってしまった
病室のドアを眺めたまま
ただ呆然と、その場に座っていた
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あの後織田作は、
ミミックの長のジイドという男に会った
その場にいた芥川を助け出し、
そのまま美術館の外へ出る。
そしてその男のは、
織田作と同じ、未来予知のできる異能を
持っていることが分かった。
その日の夜_________
「夜は良い。マフィアの時間だ」
太宰と織田作と沙羅は
霧のかかった裏路地を
3人並んで歩いていた。
「この抗争はいつまで続く?」
「ミミックの兵士はともかく、指揮官の異能力は厄介だね。」
『そうだね、奇襲が効かないのはかなり厄介』
「となると、内部情報が必要だ。心当たりはあるかい?」
「安吾しかいない」
少しの間を持って織田作がそう答えた
「私と沙羅も同意見だね」
「安吾を探す方法はないものかな」
「ある」
「あるのか?」
織田作がそう訊いたところで
立ち止まると、
『正確に言えば、探し出す必要すらない。そうでしょ?』
沙羅が横にある看板を見ながら言った
4人がよく集まっていた場所、
そのいつもの酒場の看板を