黒の時代
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『うーん、そろそろ溜まってた書類の整理もしないとなぁ…』
沙羅はブツブツと独り言を呟きながら
ポートマフィアのビル内を歩いていた
そして曲がり角で曲がったところで
「うおっ!?」
『わっ…!?』
見事に誰かとぶつかった。
「おい手前、ちゃんと前見て歩け!……って、沙羅?」
『中也?!ごめんちょっと今考え事してて…』
正面からぶつかってこられて
今にもキレそうだった中也は
沙羅だと気づくなり怒りを収めた
そんな中也を
沙羅はじーっと見つめると
『…………ていうか中也、背縮んだ?』
唐突にも背の高さの話題を持ちかけた
「あ゛?手前いきなりそれかよ______ 」
そしてその話題については
気にしている中也
『あ!…間違えた、私が伸びたのか!』
「どっちも変わんねぇわ!」
小学生のような会話をする2人。
でも、ポートマフィア本拠地のこの場で
こんな会話をしていられるのは
今日がまだ平和だということだ
『うそうそ、ごめんって。…でも目線が合いやすいから話しやすいし、私は中也の背伸びないでほしいけどなぁ』
笑いながらそう云う沙羅を見て
中也は何か言おうとしたけれど
直ぐに沙羅から目を逸らした
「……っていうかそんな事より、沙羅が考え事してて人とぶつかるなんて珍しいな。なんかあったのか?」
一度会話が落ち着いたところで
というか無理矢理落ち着かせたところで
中也が心配そうに沙羅にそう問いかけた
−沙羅side−
「最近疲れてるように見えるし…困った事があるならちゃんと言えよ?」
どうしてこう、君達は
こんなにも優しいんだろう。
治だけじゃなく、中也にも
私がちゃんと休んでいない事がバレていた挙げ句
2人共こうして私を優しい目で見てくれる
『…バレてた?私が最近疲れてる事」
「バレるも何も、最近少し様子がおかしかったからな」
『ええ?私、そんなにバレバレだったの?!』
「いや、多分他の奴等にはバレてねぇよ。でも俺にはすぐ分かる。……あと太宰の奴も気付いてんだろ」
疲れとかそういうものは
なるべく見せないようにしているつもりだった
けど、付き合いの長い中也と治には
どれだけ隠してもやっぱり見破られてしまう
「いいか、もしも何かあった時は隠さずちゃんと言え、絶対!」
中也は私の頬を両手で掴んで
顔を覗き込むとそう言い張った
『……中也、顔近いっ…』
私が目を逸らしながらそう言うと
中也も徐々に頬が赤くなる
我に帰るとその距離の近さに
動揺したのか焦って手を離した
「!!っ悪い…」
『………でも、ありがと。ちょっと元気出た!』
逸らした視線をもう一度中也の方へ向けると
ニコッと笑ってみせた
「…手前はやっぱり、笑顔の方が似合う。」
『え?』
「なんでもねぇよ。じゃあな」
中也は私の頭をくしゃっと撫でて
そのまま通り過ぎて行った
私の頭に触れた中也の手は
暖かかった。