黒の時代
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横浜のどこかの沿岸に
3人の死体が転がっていた
それを囲むように
ポートマフィアの構成員達が立っている
そしてそれを取りまとめているのは
広津柳浪という男。
「おはよーう皆さーん!」
『おはよーございまーす!』
そこに現れたのは
ポートマフィア幹部の太宰と
準幹部の沙羅
「ちょっと待ってねぇ今この難関面をクリアする所だから!あ、まずい抜かれた!くらえ爆撃!ええ避けられたー!」
太宰は手に持ったゲーム機を操作しながら
広津に話しかける
『ごめんねー、治ったらゲームに熱中しちゃうといつもこうなの。でも話はちゃんと聞こえてるから大丈夫。それで、状況は?』
やれやれと呆れた様子で
太宰を見る沙羅は
ゲームに夢中な太宰の隣から
広津に問いかける
「太宰殿、夢月殿、ご足労恐縮です。武器庫警備の者が撃たれました」
「ポートマフィア武器庫を狙うなんて命知らずは久しぶりだねぇ!」
太宰はゲームをしながらも
広津の言葉に返事をする
「各々、9ミリを10発から20発受け即死。その後武器庫から銃火器が盗まれました」
「じゃ見てみるよ。これお願い。いくよ、沙羅」
『はーい』
そう言って太宰と沙羅は
死体の側に段差から飛び降りた
そして太宰は広津にゲーム機を投げ渡す
案の定、広津は
「え、え、あの、急に渡されてもっ…!!」
動揺しながらゲーム機を受け取った。
「この弾痕の数で貫通ってことは、近距離からサブマシンガンか。かなりの手際だ。期待させてくれるね。倉庫の監視映像はある?」
死体を観察し、早々に原因を探っていく
さっきまでゲームを
していた人とは思えない。
倉庫の監視映像の写真を何枚か受け取り
沙羅と太宰はその写真を覗き込む
『ぱっと見たところはただの放浪者だけど、相当訓練された兵だね』
「それぞれが死角を消すように移動してる」
沙羅と太宰の後ろで
ゲーム機から敗北の音が
流れたのと同時に
太宰が広津の名前を呼んだ
「広津さん」
「面目御座いません…もう一度機会を頂ければ必ずや」
「この銃分かる?」
ゲーム機を渡した事など
忘れたかのように、太宰がそう問う
「古い型式ですな。おそらくグラオガイスト、欧州の旧式拳銃です」
『この銃…私昨日見た気がする』
沙羅がそう言うと
太宰は写真を持ったまま立ち上がった
「…ということは、武器庫の襲撃者はその直前に私達を襲ったことになる。ならあれは陽動か?ふふ、これは面白い」
今回襲われたのは
ポートマフィア最高保管庫の一つ
そして、そこに
準幹部クラスの人間しか知るはずのない
正規の暗証番号で侵入している
「まさか…マフィアの中に裏切り者が?この組織の正体、わかられるのですか?」
「昨日の捕虜を拷問して情報を吐かせようとしたのだけど、一瞬の隙をついて奥歯に仕込んだ毒をあおって自害したのだよ。ただ一つ聞き出せた……敵の組織の名前は」
“ミミック”
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「…安吾については」
『武器庫の暗証番号は、安吾によってもたらされたものだって事がほぼ確定した。』
あれからいくつかの証拠と照らし合わせ
隅々まで調べていった結果、
「安吾は組織を裏切ったのか」
「そう考えると、全ての辻褄が合う。」
1つの仮説に辿り着いた。
いや、もはや仮説というより
真実なのかもしれない。
とその時、
突然太宰の携帯電話が鳴った
「私だよ。………………了解した」
と言って携帯電話を耳に当てた太宰。
織田作と沙羅は
黙って太宰を見守っていると
「ネズミが罠にかかった。」
電話を終えた太宰がそう言って
織田作と沙羅の方へ視線を戻し
ニヤリと不穏な笑みを浮かべた。