ヒーロー科と新たな出会い
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–爆豪side−
なんなんだアイツ。
俺が、討論で押し負けた…?
女子に??
追いかけてきたかと思えば
謝れだのお礼言えだの、
あんな奴は初めてだ。
今まで俺にしつこく話しかけてきた
女子なんざ少し怒鳴るだけで
逃げてったってのに
アイツは真っ直ぐ意見をぶつけて来た
「あくあ、自己紹介は昨日一通りしたから、お前今自己紹介しろ」
『えっ今?!…分かった。えと……海凪あくあです!!昨日は訳あって出席してなかったけど、これからよろしくお願いしますっ!』
ニコッと微笑んだ彼女は、
みたことのないくらい眩しい笑顔だった。
アイツはこの教室に入ってから
初めて笑った
彼女が笑っただけで教室の空気が
ふわっと暖かくなった気がする。
「私芦戸三奈!よろしくね〜あくあちゃん!」
「あくあちゃん、俺上鳴電気、よろしくね!」
「俺は切島鋭児郎、よろしくな」
そんな中、クラスの連中は
個々に自己紹介を始める
その後海凪の周りにはすぐに
人だかりができて囲まれていた。
いや、ないだろ。
いやいやいや、ありえない
この俺が、あんな奴に……?
『君、名前は?』
「…は?」
今まさに頭を抱えて
悩んでる最中だってのに
海凪は俺に話しかけてきやがった
『は?じゃないでしょ、名前を聞いてるの!』
「…………爆豪勝己。」
『よろしくね、爆豪くん!」
海凪はニコッと笑った。
さっきとは違く、俺に向かって。
”えー同じクラスなのー“
とか言ってたお前はどこいったんだよ
なんだよその眩しい笑顔
ありえない、そんなはずはない。
そう自分に言い聞かせた。
–轟side–
この教室内に突如現れた海凪は
昨日俺が保健室で会った少女だ。
いきなり教室に入ってきたと
思いきや爆豪と言い合いをし始め、
やっと落ち着いたかと思えば
今度はクラスの奴らに囲まれている。
隣の席が空席なのはおかしいと思っていたが、まさかこのクラスにもう1人メンバーがいたとは。
『確か、轟くん…だよね?お隣よろしくね!』
「あぁ、よろしくな」
そう言ってみんなとの自己紹介を
済ませたあくあは隣の席へ座った。
この時の俺は数日後に
あんな事になるなんて想像もしていなかった
まさか、彼女が本当に
あの時の女の子だっただなんて