10年越しの歌声
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−あくあside−
「一かたまりになって動くな!13号、生徒を守れ!」
そう叫んだ消くんはゴーグルを付けた
彼がゴーグルをつける時が
どういう時かなんて決まっている。
その時感じた嫌な気配の正体は、
「何だアリャ!?また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」
「動くなあれは」
敵〈ヴィラン〉だ。
黒い霧の中からぞろぞろと
こちらに向かってくるヴィラン達
プロが何と闘っているのか、
何と向き合っているのか、
それは
途方もない、悪意。
「ヴィラン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」
「先生、侵入者用センサーは!?」
「もちろんありますが…」
「現れたのはここだけか学校全体か…何にせよセンサーが反応しねぇなら向こうにそういうこと出来る個性がいるって事だな」
驚きながらも冷静に判断しているところが
さすが雄英の生徒って感じだ
私が初めてヴィランに遭遇した時なんて
冷静さのかけらもなかったと思う。
「校舎と離れた隔離空間、そこに少人数が入る時間帯、バカだがアホじゃねぇこれは…なんらかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ。」
そう、ヴィランが
こんなところに来るなんてバカだけど、
アホじゃない
何も考えず目的も持たず
わざわざ来たりしないだろう。
そして…
その目的を果たせる算段があるから
こんなところに襲撃してきたのではないか
「13号避難開始、学校に連絡試せ!センサー対策も頭にある敵だ、電波系の個性が妨害している可能性もある、上鳴おまえも個性で連絡ためせ」
「っス!」
「先生は!?一人で戦うんですか!?」
(消くん、一人で、あの数と?!)
いくら消くんでも
一人で相手しきれる数の敵じゃない
私は…どうするべき…?
私は一応仮免を持っているし、
実力も、ヴィランと戦う資格もある
足手まといになる程弱くない
でも、今ここで消くんを
追いかけるべきなのか分からない
追いかけたところで、
本当に今私は個性を使いこなせる…??
戦闘訓練ですら
まともに使えていなかったのに…??
「あの数じゃいくら個性を消すって言ってもイレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ正面戦闘は…」
「一芸だけじゃヒーローは務まらん」
捕縛布を掴み、
本格的にヒーローモードに入った
消くんの後ろ姿が目に映る。
『消くん…私っ…!!』
“私も一緒に行く”
言葉は少なくても
消くんに私の意思はしっかり伝わった
その上での彼の返答。
「…平気だ。お前は出来るだけ敵に個性を隠せ。13号、任せたぞ」
そう言った消くんは1人で
ヴィランの大群に向かって突っ込んで行った
それを言われてしまうと、
一緒に戦いに行くことなんて出来ない
“個性を隠す”、
これは私のためだけじゃない。
皆の為でもある。
私のこの個性を敵に知られたら、
個性を求めて私が狙われる可能性がある
そしてもし、この個性を悪用されたら…?
被害の規模はきっと、
尋常じゃないほど大きくなる。
昔からそうだ、
大人は私にヒーローになれと言うのに
なるべく個性を敵に見せないようにしろと
矛盾しているような事を言われ生きてきた
確実に勝てる確証がある時だけ
個性の使用を許される。
敵を確実に仕留めて、
私の情報を
持って行かれないようにするためだ。
私がおおっぴらに個性を
使えるようになるためには早く個性を
使いこなせるようにならなくてはいけない
そして今この状況を見て、
確実に勝てるとは思えない。
戦いたいのに、戦えない。
私は拳をきつく握りしめたまま、
その場で消くんの
背中を見ることしかできなかった
ゴーグルで目線を隠すことで
誰の個性を消しているのかを
敵に悟られないようにし、
その隙に捕縛布での攻撃。
一人であれだけの数と同時に戦う消くんは
さすがプロヒーローだと思わせられる程に
すごいし強いけれど、私には、
ここにいる皆を、
生徒を安心させるために
無理して飛び込んでいったように見える。
「皆、早く避難を!!」
「させませんよ」
「一かたまりになって動くな!13号、生徒を守れ!」
そう叫んだ消くんはゴーグルを付けた
彼がゴーグルをつける時が
どういう時かなんて決まっている。
その時感じた嫌な気配の正体は、
「何だアリャ!?また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」
「動くなあれは」
敵〈ヴィラン〉だ。
黒い霧の中からぞろぞろと
こちらに向かってくるヴィラン達
プロが何と闘っているのか、
何と向き合っているのか、
それは
途方もない、悪意。
「ヴィラン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」
「先生、侵入者用センサーは!?」
「もちろんありますが…」
「現れたのはここだけか学校全体か…何にせよセンサーが反応しねぇなら向こうにそういうこと出来る個性がいるって事だな」
驚きながらも冷静に判断しているところが
さすが雄英の生徒って感じだ
私が初めてヴィランに遭遇した時なんて
冷静さのかけらもなかったと思う。
「校舎と離れた隔離空間、そこに少人数が入る時間帯、バカだがアホじゃねぇこれは…なんらかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ。」
そう、ヴィランが
こんなところに来るなんてバカだけど、
アホじゃない
何も考えず目的も持たず
わざわざ来たりしないだろう。
そして…
その目的を果たせる算段があるから
こんなところに襲撃してきたのではないか
「13号避難開始、学校に連絡試せ!センサー対策も頭にある敵だ、電波系の個性が妨害している可能性もある、上鳴おまえも個性で連絡ためせ」
「っス!」
「先生は!?一人で戦うんですか!?」
(消くん、一人で、あの数と?!)
いくら消くんでも
一人で相手しきれる数の敵じゃない
私は…どうするべき…?
私は一応仮免を持っているし、
実力も、ヴィランと戦う資格もある
足手まといになる程弱くない
でも、今ここで消くんを
追いかけるべきなのか分からない
追いかけたところで、
本当に今私は個性を使いこなせる…??
戦闘訓練ですら
まともに使えていなかったのに…??
「あの数じゃいくら個性を消すって言ってもイレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ正面戦闘は…」
「一芸だけじゃヒーローは務まらん」
捕縛布を掴み、
本格的にヒーローモードに入った
消くんの後ろ姿が目に映る。
『消くん…私っ…!!』
“私も一緒に行く”
言葉は少なくても
消くんに私の意思はしっかり伝わった
その上での彼の返答。
「…平気だ。お前は出来るだけ敵に個性を隠せ。13号、任せたぞ」
そう言った消くんは1人で
ヴィランの大群に向かって突っ込んで行った
それを言われてしまうと、
一緒に戦いに行くことなんて出来ない
“個性を隠す”、
これは私のためだけじゃない。
皆の為でもある。
私のこの個性を敵に知られたら、
個性を求めて私が狙われる可能性がある
そしてもし、この個性を悪用されたら…?
被害の規模はきっと、
尋常じゃないほど大きくなる。
昔からそうだ、
大人は私にヒーローになれと言うのに
なるべく個性を敵に見せないようにしろと
矛盾しているような事を言われ生きてきた
確実に勝てる確証がある時だけ
個性の使用を許される。
敵を確実に仕留めて、
私の情報を
持って行かれないようにするためだ。
私がおおっぴらに個性を
使えるようになるためには早く個性を
使いこなせるようにならなくてはいけない
そして今この状況を見て、
確実に勝てるとは思えない。
戦いたいのに、戦えない。
私は拳をきつく握りしめたまま、
その場で消くんの
背中を見ることしかできなかった
ゴーグルで目線を隠すことで
誰の個性を消しているのかを
敵に悟られないようにし、
その隙に捕縛布での攻撃。
一人であれだけの数と同時に戦う消くんは
さすがプロヒーローだと思わせられる程に
すごいし強いけれど、私には、
ここにいる皆を、
生徒を安心させるために
無理して飛び込んでいったように見える。
「皆、早く避難を!!」
「させませんよ」
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