無防備すぎるお前が悪い
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そのうち誤解を招くようなこと
言いそうな2人を見て
私の焦りは更に大きくなる
そろそろ私も
この空気耐えられなくなってきたし、
とりあえず他の子に話しかけて話を逸らそう
誰に話かけようかと
正面の椅子に座るクラスメイトを見渡すと
真正面に座っていた出久くんと目があった
(さっきも助け舟出してもらっちゃったけど…)
『ね、ねえ出久く』
「おい!今クソデクの名前出すんじゃねぇ!」
話しかけようとした途端、
さっきまで私の事ガン無視だった
勝己くんに何故か怒鳴られる
流石にキレられる理由もわからない私は
さっきまでの空気の仕返しと
言わんばかりに反論を初める
『え、何で?!……もー…この際だから言わせてもらうけど2人ともさっきからなんなの?!こっち来いとか言う割に私のことガン無視で2人で言い合いしてるし、その空気感に挟まれてる私の身にもなってほしいんだけど!!』
(あ……声デカすぎたかも)
不満をぶつけ終わると共に
一瞬静かになったバスの車内。
昔から私は感情が昂ると
無駄に声が大きくなる癖がある。
−緑谷side−
「わりぃ…」
「それはこいつが!!……いや、悪い」
あくあちゃんが大声で反論した後、
先程までの重い空気感は
色んな意味で一気に変化した。
(それにしても…あのかっちゃんが反論をやめたなんて)
何か言われたら誰にでも
とりあえずキレるような性格のかっちゃんが
反論を止めるだけでも意外なのに
さらにまた謝るという意外すぎる行動を
目の当たりにしてさっき廊下で聞いた
あの会話はガチなんだ…と思わせられる
「うおおおすげえ、あの爆豪が反論やめて謝ったぞ…!!」
「これは…爆豪も轟も結構ガチだな!?」
「そういえばさ!あくあちゃんの個性すごかったよね!?」
やっと空気が軽くなったところで
芦戸さんが放ったこの一言。
お陰で空気と一緒に話題も変化した
「爆豪に向けて放ってたあの水の渦みたいなやつとか凄かったよな〜!」
あれはたしかに凄かったと思う
攻撃を素早く避けるのが得意なかっちゃんでも
避けることに間に合ってなかったし、
スピードだけじゃなく威力も
ものすごい勢いだった
「そん時までどっちかといえば勝ってた爆豪が初めてモロに攻撃くらってたもんな」
「うるせぇっ!!」
「爆豪ちゃんて、キレてばっかだから人気でなそ」
かっちゃんがキレると同時に
蛙吹さんが言った
さっきまでの会話で
ヒーローは人気も大事だよね
みたいな事を話していたからだろう。
「んだとコラ出すわ!!」
「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されるってすげぇ」
「てめぇのボギャブラリーはなんだコラ殺すぞ!!」
かっちゃんがイジられてる…!!
信じられない光景ださすが雄英…。
−あくあside−
(よかった、もう大丈夫そう)
わいわいと賑やになった
バスの車内を見ながら
私は安堵のため息を漏らす。
「もう着くぞ、いい加減にしとけよ 」
「「「ハイッ!」」」
運転席のすぐ後ろの席に座る
担任の消くんが後ろを振り向きそう言った
丁度その時消くんと目が合って、
消くんが表情で何か伝えようとしてきた。
いやいや流石に表情じゃ分かんないよ!!
と思ったけどなんとなく
分かってしまった自分がいる。
“面倒臭い事になってるな。ま、頑張れよ”
とでも言いたげな表情だ
消くん、一見感情が分かりにくい感じするけど
意外と分かってしまう
まあでも10年も一緒に過ごしてきたもんな。
(頑張れよって……)
この状況で私に何を頑張れというのだ
昨日今日といい
私の中で疑問がどんどん増えていく。