春なのに、あつい
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−轟side−
(海凪、プールにいるのか?)
この気温でプールに入っているとは思えないし
なんでプールなのかよく分からないが
海凪は教室にも廊下にも居ないので
とりあえず緑谷の言っていた
プールに向かうことにした。
(たしか…こっちか)
そっとプールサイドのドアを開けると
普通のプールの景色が目に映った。
とくにだれか泳いでいるわけでもなく
プールサイドにいるわけでもない。
やっぱりこんな時期に
プールに居るわけねぇか
海凪の姿がなかったので
諦めて帰ろうと目線を少し下にずらした時、
制服と荷物が置いてあるのが見えた。
女子の制服、
そして、海凪の使っている鞄。
(荷物だけここにある…?)
何故荷物があるのに
本人はここにいないのだろうか
こんなところに制服を置いたままで
今どこで何をしてるんだ
思考を巡らせたがやはり何も分からない。
頭の中がはてなマークで
埋まりそうだったその時、《バシャ》と
水が跳ねる音がした。
誰も泳いでいないプールから水飛沫…。
小さな水飛沫が聞こえた3秒後
《ザパッ!!》と大きな音が
プールサイドに鳴り響くと同時に、
「何だ?!あれ…?」
水中から1人の女の子が空中に飛び出して来た
いや、ただの女の子ではなく、あれは…
「人…魚…?!!」
飛び出してきた女の子は
どうみても海凪なのだが、
上半身はヒーローコスチューム、
下半身が魚のヒレのようになっていて、
これは多分…人魚というやつだ。
動物に関わる個性を持っている人は
姿もその動物に影響されていることは多い。
だけどこれは…初めて見た
水飛沫とともに飛び出してきた彼女を見た時、
この世のものじゃないんじゃないかと思った。
あんなに美しい生き物が存在するのか。
彼女が空中にいたのはたった数秒。
その間に目が合った。
透き通る海みたいな目と、
太陽に反射しきらきらと輝く
海凪の長い髪の毛と鱗、
まるで時間が止まったみたいに
一枚の写真を見ているようだった。
『えっ?!轟く…わっ!!?』
俺がここにいることに気づいた
海凪は《ザッパーン!》と
今までで一番大きな音を立てながら
そのままプールに落下していった。
−あくあside−
動揺した私は
バランスを崩してゴボゴボゴボと
背中から勢いよく水中に沈んでいく。
とりあえず、え、
なんで轟くんここにいるの?!?
え?、待って待って、この姿…見られた…
屋上で歌っていた時は爆豪くんにみられてたし
プールに行ったら今度は
轟くんにみられてたとか…
私、警戒心足りなさすぎる。
どうしよう、足半分魚みたいなこの姿…
気持ち悪いって思われちゃったかな…。
あ〜〜どうしよう
とにかくひとまず轟くんが立っていない
端の方へと泳いでいく。
私は水中でも息ができるので
さっきからずっと潜ったままだ。
この姿は昔から今まで
ほとんど誰にも見せてこなかった。
だからこそなんて言われるのかが怖い。
自分で言うのもあれだけど…
私色々事情抱えすぎだな…
(でも、まさかこの季節にプールに来る人がいるとは思わないじゃん?!)
「海凪?」
『…あれ…?!』
水面から顔を上げると、
反対方向に泳いでいったはずなのに
何故か今私は轟くんの目の前に来ていた。
(動揺しすぎて水中で方向間違えた!!)
上から見下ろすように
プールを除いていた轟くんは
私があたふたしている間に靴下を脱いで
ズボンの裾を捲るとプールサイドに座り込み、
足だけをプールにつけた状態になった。
『あっ…えっと…』
「お前…人魚なのか?」
『…うん。私の個性、マーメイドっていってね。水を操るのがメインなんだけど、人魚の姿になることもできるんだ。乾くと人間の足に戻るの』
言い逃れは出来なさそうなので
私は諦めて話すことにした。
轟くんは私にこの姿を見てどう思ったんだろう
やっぱり変なのかな。
『……でも、この姿ほとんど人に見せたことなくてさ…』
「珍しい、よな」
『…やっぱり…気持ち悪いって思った…?』
私はそう言いながら俯いた。
見つめる先は静かに揺れるプールの水面。
わずかな沈黙の後に
彼が発した言葉は予想外のものだった。
(海凪、プールにいるのか?)
この気温でプールに入っているとは思えないし
なんでプールなのかよく分からないが
海凪は教室にも廊下にも居ないので
とりあえず緑谷の言っていた
プールに向かうことにした。
(たしか…こっちか)
そっとプールサイドのドアを開けると
普通のプールの景色が目に映った。
とくにだれか泳いでいるわけでもなく
プールサイドにいるわけでもない。
やっぱりこんな時期に
プールに居るわけねぇか
海凪の姿がなかったので
諦めて帰ろうと目線を少し下にずらした時、
制服と荷物が置いてあるのが見えた。
女子の制服、
そして、海凪の使っている鞄。
(荷物だけここにある…?)
何故荷物があるのに
本人はここにいないのだろうか
こんなところに制服を置いたままで
今どこで何をしてるんだ
思考を巡らせたがやはり何も分からない。
頭の中がはてなマークで
埋まりそうだったその時、《バシャ》と
水が跳ねる音がした。
誰も泳いでいないプールから水飛沫…。
小さな水飛沫が聞こえた3秒後
《ザパッ!!》と大きな音が
プールサイドに鳴り響くと同時に、
「何だ?!あれ…?」
水中から1人の女の子が空中に飛び出して来た
いや、ただの女の子ではなく、あれは…
「人…魚…?!!」
飛び出してきた女の子は
どうみても海凪なのだが、
上半身はヒーローコスチューム、
下半身が魚のヒレのようになっていて、
これは多分…人魚というやつだ。
動物に関わる個性を持っている人は
姿もその動物に影響されていることは多い。
だけどこれは…初めて見た
水飛沫とともに飛び出してきた彼女を見た時、
この世のものじゃないんじゃないかと思った。
あんなに美しい生き物が存在するのか。
彼女が空中にいたのはたった数秒。
その間に目が合った。
透き通る海みたいな目と、
太陽に反射しきらきらと輝く
海凪の長い髪の毛と鱗、
まるで時間が止まったみたいに
一枚の写真を見ているようだった。
『えっ?!轟く…わっ!!?』
俺がここにいることに気づいた
海凪は《ザッパーン!》と
今までで一番大きな音を立てながら
そのままプールに落下していった。
−あくあside−
動揺した私は
バランスを崩してゴボゴボゴボと
背中から勢いよく水中に沈んでいく。
とりあえず、え、
なんで轟くんここにいるの?!?
え?、待って待って、この姿…見られた…
屋上で歌っていた時は爆豪くんにみられてたし
プールに行ったら今度は
轟くんにみられてたとか…
私、警戒心足りなさすぎる。
どうしよう、足半分魚みたいなこの姿…
気持ち悪いって思われちゃったかな…。
あ〜〜どうしよう
とにかくひとまず轟くんが立っていない
端の方へと泳いでいく。
私は水中でも息ができるので
さっきからずっと潜ったままだ。
この姿は昔から今まで
ほとんど誰にも見せてこなかった。
だからこそなんて言われるのかが怖い。
自分で言うのもあれだけど…
私色々事情抱えすぎだな…
(でも、まさかこの季節にプールに来る人がいるとは思わないじゃん?!)
「海凪?」
『…あれ…?!』
水面から顔を上げると、
反対方向に泳いでいったはずなのに
何故か今私は轟くんの目の前に来ていた。
(動揺しすぎて水中で方向間違えた!!)
上から見下ろすように
プールを除いていた轟くんは
私があたふたしている間に靴下を脱いで
ズボンの裾を捲るとプールサイドに座り込み、
足だけをプールにつけた状態になった。
『あっ…えっと…』
「お前…人魚なのか?」
『…うん。私の個性、マーメイドっていってね。水を操るのがメインなんだけど、人魚の姿になることもできるんだ。乾くと人間の足に戻るの』
言い逃れは出来なさそうなので
私は諦めて話すことにした。
轟くんは私にこの姿を見てどう思ったんだろう
やっぱり変なのかな。
『……でも、この姿ほとんど人に見せたことなくてさ…』
「珍しい、よな」
『…やっぱり…気持ち悪いって思った…?』
私はそう言いながら俯いた。
見つめる先は静かに揺れるプールの水面。
わずかな沈黙の後に
彼が発した言葉は予想外のものだった。