春なのに、あつい
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昔、両親と私はヴィランに襲われた。
両親は必死に私のことを守ってくれて、
でも、ヴィランの攻撃で倒れてしまった。
圧倒的人数の差にはどう足掻いたって勝てない。
ヒーローも駆けつけた。
けど、ヴィランの数が多すぎる。
私はその騒ぎの中心地点にいたため、
ヒーローの助けが中々来なかった。
ひとまずヴィランが周りのプロヒーローの
相手をしに行った今、
私の周りには倒れた両親が2人。
怪我は重症、生きて帰れたところで
今までどうりの生活ができるとは思えない。
でもまだ息をしている
私の個性でなら治癒できる
まだ、可能性はあるかもしれない。
この時だった
初めて個性が暴走したのは。
私が出来ることは、
水を操ることと、
治癒だけじゃなかった。
治癒だけじゃなく、
その正反対の事も出来てしまった
治癒=復元、
そして反対は、
“崩壊”
私が歌い始めると、
最初は上手くいっていた。
傷が少しずつ癒えていくのが見える。
ただ、ほんの少し、
ほんの少し、心が乱れた。
怖い…辛い…どうしよう…
って。
その乱れが、悲劇を引き起こした。
私が歌い続けると共に
周りの建物が崩れ始めたのだ。
挙句の果てにはヴィランにまで影響は及び、
次々とヴィランが倒れていく。
それが何故なのか
この時の私には理解出来ていなかった
だからこそ、歌うことをやめなかった。
だから…
気づいた時には両親は、
息をしていなかった。
________________
『あの頃の私の個性に人を殺せる程の力はなかったんだけど…ヴィランの攻撃で既にボロボロになってたから…私がトドメを刺しちゃったことになるの……』
私があの時個性を使わなければ、
両親はまだ生きていたかもしれない
どれだけあの選択を後悔したことか。
「そんな過去が…」
『このことを知っているのは、あの時すぐそばにいたイレイザーヘッドとリカバリーガールだけ。』
絶対誰にも言わないようにとは言われていない
ただ私のために2人は
この事実を黙っていてくれた
私を世間の目から守るために。
私の親はヴィランによって殺されたことになっている。こんな話は簡単に人にしてはいけないけど、これと同等な、いや、それよりも重い秘密を知ってしまった気がしたんだ。
オールマイトと緑谷くんの秘密。
彼らの秘密を知ってしまった今、
彼らが私の秘密をばらすことも絶対にないだろう
「そうか…そんな辛い過去を思い出させてしまってすまないな…」
『謝らないで!私が俊くん達の会話聞いちゃったのが悪いから…、私も2人の関係は言わない、だから私のこの過去も誰にも言わないで欲しい」
「分かった。今聞いたことは誰にも言わないと誓うよ」
「俊くん??」
話がひと段落したところで、
出久くんが不思議そうな表情で
私を見ていることに気がついた
(あっ、そっか、いつもの癖で…)
私は昔からプロヒーロー達とは顔見知りが多く
あだ名とかくん呼びとかが定着しちゃってて
気を抜くとそっちで呼んでしまう。
みんなの前では呼ばないように気をつけてたけど
保健室だとつい気が抜けちゃって…。
『あっ、えっと、私昔から訳あってヒーローには知り合いが多くてさ!時々昔からの呼び方で呼んじゃうんだよね』
「ええええすご…!!羨ましい…」
ヒーローオタクの出久くんは
キラキラした目でこちらをみてくる。
(羨ましい…か、)
『…じゃあ…私そろそろ行くね。出久くんの治療っていう用事も終わったし!』
あんまり長居してると
余計なことまで言ってしまいそうだったから
ここで話を切り上げた。
『折角プールの許可も貰ったし早く行かなきゃ。あ、あと私が個性で治癒出来る件についてもまだ他の子には言わないでね。それじゃ、また明日!』
「あ、うん!ありがとうあくあちゃん。また明日ね!』