Shining on
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『お待たせしました!生2つです!』
今日から本格的に働かせてもらうお店“おふくろ”
私がまだ小さい時に両親が始めたお店でお昼は定食メイン、夜は居酒屋として地元の方に長年愛されている
現に通ってくださるお客様は昔から顔馴染みの方が多く、私の顔を見ると「大きくなったねぇ」と声をかけてくれる
父が亡くなってからは母が1人で調理を担当し、配膳等はパートさんがやってくれているがどうしても、特に夜は人手が足らず、高校に入ったら自分もお店に出たい!と頼みこみ、こうして今日初日を迎えた
以前からたまにお手伝いをしたことがあったため特に困ることもなく、同じく夜にバイトに入っている1つ上の男の先輩と声をかけ合いながら接客にあたる
今日は平日にも関わらずカウンターは常連さん、テーブル席も2組入っており忙しく動き回るっていると新たにお客様が入ってきたため、空いたグラス片手に空いてるお座敷へ案内する
『お先にお飲み物お伺いしてもよろしいですか?』
「とりあえず生4つ」
おしぼりを渡す時にチラッと確認してみるけど…この黒髪短髪の人成人に見えない…未成年だよね?
『すみません、一応年齢の確認させていただいてもよろしいでしょうか…?』
「…」
え、なんかおかしな事言った?
一瞬静かになったと思ったら金髪の人は俯きながら肩振るわせてるし…
無言で出された学生証を確認させてもらい…
***
『たいっへん失礼いたしました…』
深く頭を下げながら生ビールを差し出す
金髪の方は相変わらず笑っているし、他の2人はあまり気にしていないのかメニューを見ている
「いや、店員として当たり前のことをしただけだ。気にするな」
「あんた初めて見る顔だな。新人か?」
『前に少しお手伝いしてましたが、今日から本格的にバイトで入らせてもらってます』
カウンターから母の「うちの娘だからいじめないであげてよー」の声に驚く4人
顔見知りなら未成年じゃないって教えてくれてもよかったのに…と母に目線を送るも笑顔で返されてしまった
とりあえず注文を聞いてカウンターに戻る
文句言ってやろうかと思ったら失礼したお詫びのサービスだと唐揚げを出された
すぐ出すってことは最初から私が年齢確認するの読んでたな?
じゃないとこんなタイミングよく唐揚げ出来上がらないもんね!
『こちらサービスの唐揚げです。よかったらどうぞ』
「ラッキー!ここの唐揚げ好きなんだよね」
「おい雷蔵!取りすぎるなよ」
『ごゆっくりどうぞ〜』
このあとは新規のお客様は入らず、あっというまに21時になり残ったお客様はお座敷の4人だけになった
私はもう上がる時間になったためカウンターで賄いを食べさせてもらい帰り支度をする
『お先に失礼しまーす』
「おー、お疲れーい」
『はい!えっと…大丈夫ですか?』
従業員入口はないため、お店の入り口から声をかけて出ようとすると金髪の人が反応してくれた
未成年に間違えちゃた人机に伏せてるけどどうしたんだろ?飲み過ぎた?
「こいつはいつもこうだから気にしなくていい」
「そうそう。外暗いから気ぃつけて帰れよー」
『ありがとうございます。では失礼します』
ぺこりと頭を下げてお店を出る
流石に少し疲れたな…
体は疲労を感じているが、それよりも達成感の方が強く軽い足取りで家へと向かう
また来られたときは年齢確認はしないよう覚えとかなくちゃ…!
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