廃校舎から脱出せよ
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保健室の扉に手を掛けると鍵は掛かっておらず、ゆっくりと開ける
奥にはカーテンで仕切られたベットが2つあり、至って普通の保健室だった
椅子に座らされ、他のみんなは使えそうなものを探す
棚から包帯を見つけた及川さんが目の前にしゃがむので静かに腕を差し出す
「痛いかもしれないけど我慢してね?」
『はい』
本当は冷やすものがあったらよかったけどなかったよー、大丈夫?痛くない?とこちらを気遣いながら器用に巻いてくれる
無駄のない動作に思わず黙って見ていると、
「そんなに見ちゃって…及川さんに惚れちゃった?」
『はい…あ、ちゃうわ』
「そこ間違える?」
『惚れてはないですけど…見直しました』
「なんか複雑な気分」
はい、できた! 及川さんにお礼を言い立ち上がる
その間に保健室内を物色してくれていた3人が集まり、その手元には救急箱の他に追加で包帯や消毒液など細々したものがたくさん集まった
鍵や紙切れはなかったらしい
これらを一旦体育館に置いておくことになり、川西君が細かい物をコーンに入れていく
『…コーンなんて絶対使えんやんなんて思ってごめんな?』
「そんな事思ってたのかよ」
保健室を出て来た道を戻る
鏡の前を警戒しながら進むも特に何も起きなかった
半分くらい進んだ時に後ろの方からなにやら騒がしい声と足音が聞こえ、一斉に振り返る
「鬼ごっこみたいだな!」
「なに面白がってんだよ!」
「今そうゆうのいらないです」
「いいから早く走れ!」
聞き覚えのあるような…?
勢いよく曲がってきた人物に思わず目を見開く
『えっ、なんで?!』
「ん?おー!なまえじゃーん!なんでこんな所にいるんだ?」
「木兎さん、今はそれどころじゃないです」
「お前らも急いで走れ!」
黒尾さんが言い終わると同時に彼らの後ろからは下半身のない女子生徒が腕の力だけにもかかわらず、すごい速さで追いかけてくる
『ひっ、テケテケさんやん!』
「体育館行くぞ!」
岩泉さんの声で慌てて前をむき直し全力疾走するも運動部の彼らの方が足が速く、あっとゆう間に東京組が追いつく
黒尾さんに腕を掴まれ、引っ張られるようにして体育館を目指す
幸いにもそんなに距離がなかったので、ギリギリ追いつかれることなく体育館に入れた
全員が入ってすぐ扉を閉めると、先程の生徒がぶつかったであろう衝撃が体育館内に響く
しばらく息を潜め、及川さんが扉に耳をつける
「…うん。行ったみたいだね」
『びっくりしたぁ…』
みんなほっと息を吐く
「まじ焦ったー」
「木兎さんが勝手にドアを開けるからですよ」
「いやーすまん!」
「絶対思ってないだろ」
「えっと…味方?でいいんだよね?なまえちゃん知り合い?」
及川さんの疑問に答え、東京組をみんなに紹介し、宮城組もそれぞれが自己紹介をする
「なまえ、研磨見てないか?」
『いえ、見てへんです』
「そうか」
黒尾さん達は研磨も一緒にお風呂に向かっていたところ急に真っ暗になり、気がついたらこちらの異空間に飛ばされていたそうだ
「人も増えたし、とりあえず状況確認をしよう」
珍しくまともな事を言う及川さんの所に集まり、それぞれが意見を言う
黒尾さん達は1階の職員室で目が覚め、木兎さんが興味本位で校長室のドアを開けるとテケテケさんが中におり追いかけられたと
そのためまだ職員室の探索ができていないそうだ
岩ちゃんとは別の意味で危機感ないじゃん…と溜息をつく及川さん
を睨む岩泉さん
みんなの共通点はバレー部であること、合宿中であったこと以外に思い当たらず…
器具庫からホワイトボードを引っ張りだし、手に入れた紙切れに書いてある番号と簡単な地図を書くことにする
体育館から見えた校舎の外枠を書き込み、中に今現在把握している部屋を追記する
他に飛ばされた人がいるかもどうかわからない状況であり、情報が少なすぎるため職員室探索チームと校内把握チームに分かれることに
「みょうじは怪我してっから職員室チームな」
岩泉さんの言葉に東京組が反応する
「悪い、さっき腕引っ張っちゃったけど大丈夫だったか?」
『反対の腕やったんで大丈夫です!』
職員室チームは黒尾さん、夜久さん、川西君、青根君
校内チームは木兎さん、赤葦くん、及川さん、岩泉さん
校内チーム大丈夫そ?
(岩泉さん…色々頑張ってください)
(菩薩顔やめろ)
(木兎さんが迷惑掛けると思いますので先に謝ります。すみません)
(そんなやべぇ奴なのか?)
(好奇心旺盛といいますか…)
(…まぁなんとかなるだろ)
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