廃校舎から脱出せよ
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岩泉さんに続き、全員が美術室から出ると勢いよく引き戸が閉まり鍵が掛かった
電気も消えている
試しに見つけた鍵を使うもサイズが合わず鍵穴に入らない
「もしかして重要なアイテムを手に入れたりボス倒すとその部屋は用済みになって入れなくなる…とか?」
『何それ!めっちゃRPGやん!』
「そのワクワク顔やめて」
川西君の言葉に怖さも吹き飛び、早く行こう!とみんなを促す
階段があるが、まずは1階の把握をすることに話がまとまり、廊下を進む
右側には窓が並ぶも、外は相変わらず暗い
試しに開けようと試みるもビクともしない
『割れへんかな?』
ハンドルを振りかざすと、女の子でしょ!やめなさい!と及川さんに止められる
左側の壁には歴代卒業生の集合写真が貼られていたが、どれも顔が黒く塗りつぶされており不気味さを増していた
少し歩くと右側に靴箱が見え、昇降口を見つけた
もちろんドアは閉まっており開けることができない
「思ったより生徒数少ないな」
下駄箱の数でざっと300人弱か?川西君計算早っ、まぁ勘だけど
なんてやり取りをしながら見て回る
特に変わった様子はなく、次に行こうかと話していると昇降口向かいにある全身鏡がふと視野に入った
鏡の前に立ち自分の容姿を見る
いつもの烏野の真っ黒なジャージ姿で特に違和感もない
ふと鏡に触れてみる
うん、やっぱ何もないよな
手を離そうとした瞬間、鏡に映った自分がニヤリと笑い、腕を引っ張ってきた
『なっ、んやねん!』
咄嗟に抵抗するも相手の力が強く、鏡の中に引き摺り込まれる
そんな様子に近くにいた川西君がいち早く気付き、後ろから体を抱え引っ張ってくれる
「ちょっ、力強っ!」
『んー!!』
すぐに他の3人も駆けつけてくれ、みんなで引っ張ると鏡の自分が手を離し、勢いのまま後ろになだれる
鏡の方を見ると4人の姿は映っておらず、ただ仁王立ちしてこちらを睨みつけてくる自分の姿だけがあり、思わず鳥肌が立つ
そして鏡の自分がスーっと消え、何もなかったかのように座り込む私たちを映していた
今の何やってん…
それよりええ匂いするなと思ったら川西君にバックハグされとるやん。青春かよ
こんな状況やし吊り橋効果発揮されるんちゃうん?
ってそうやなくて!!
『あー!川西君ごめんなぁ?!重いやんな!』
すぐ退けるー!と言って動こうとするもがっちりホールドされているため動けず…
『えぇっと…どないしたん?』
無言で掴まれていた方の腕を持ち上げられ、袖を捲られる
その時に痛みが走り思わず声が出てしまった
腕に視線を落とすとくっきりと手形が残っており、内出血していた
『うわぁ…えっぐ』
他の人の眉間にも皺がよる
「ごめん、もう少し早く反応できたらよかった…」
『いやいや!川西君何も悪ないやん!あんなんなるとは思ってへんかったし…』
「とりあえず保健室探すか」
「あ、あれじゃない?」
岩泉さんの提案に及川さんが指差す先、突き当たりが保健室になっていた
起き上がろうとしたら青根君が手を差し伸べてくれたので反対の手で掴んで立たせてもらい、みんなに囲まれて保健室へ向かう
鍵かかってませんように…
(みょうじさん、こんな状況だけどいきなり抱き締める感じになっちゃってごめんね?)
(全然かまへんよ!逆にありがとう!)
(??でももっと太ったほうがいいよ。細すぎ)
(えー、これでも結構食べる方やで)
(そうは見えないけど。今度なんか食べに行く?)
(ええね!美味しいもん食べに行こー)
(及川さんも一緒に行くねー)
((え?))
(え?)