青春は待ったなし!
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結果的に2セットとも町内会チームが勝利したが、烏野チームにとってすごくいい刺激がもらえた試合になった
合宿まで1週間を切った土曜日
午前中の練習が終わり、合宿に必要な物品の買い出しのため、某スポーツ店にやってきた
『いるものはテーピングと…』
手書きのメモを頼りに必要なものをカゴに入れていく
粉末ドリンクもあるため思ったより重くなってしまった
両手でカゴを持ち、少しふらつきながら通路を歩いていると前で見覚えのある人が練習着を物色していた
ジャージに書いてある高校名を見た瞬間、言葉にならない声を発してしまい、相手もこちらに気付いた
「あっれー?もしかして烏野のマネージャーさんじゃないっすかぁ」
『そういうあんたは伊達工のにろ君じゃないですかぁ』
「にろじゃねぇ、二口だ!ふ・た・く・ち!」
『にろの方が呼びやすいやん。ってか1人なん?相棒は?』
「そう呼ぶのお前だけだわ。青根なら今日は別。ってか別にいっつも一緒にいるわけじゃねぇし」
この男は試合の度に連絡先を教えろと迫ってきて、毎回相棒の青根君に止められていた
及川さんとはまた違ったイケメンではあるけど…チャラいんよなぁ
まじまじと顔を見るなまえにさすがの二口も若干顔を赤くしている
「ってか買い出し多くね?」
持っているカゴを指さし、連れがいるのか聞いてきた
『GWに合宿あるから多いんよ。1人だけどこんくらい余裕やで』
そう言って持ち上げようとするも重くて腕がプルプル震える
その様子に思わず吹き出す二口
「嘘下手かよ。他に買うものは?」
『もうないで』
ふーんと言いながらカゴを軽々取り上げる
慌てて取り返そうとするも貸し1つ目なーと言いながらレジの方へ歩き出す
1つ目って何個作る気や!と問いかけても誤魔化され、結局会計終わって袋詰めした後も持ってくれた
買ってものをどうするか聞かれたため、部室に置いとくと伝えるとそこまで持ってやるよとまさかのお言葉が
神やん…
思わず口にしてしまい、慌てて口を塞ぐもバッチリ聞こえていたようで
「もっと敬いたまえ」
『二口様〜』
なんて冗談を言いながら烏野高校までの道のりを並んで歩く
途中でお礼に飲み物を奢るとお礼を言われ
ちゃんと感謝伝えれるんやね…
心の中で思っていたが顔に出ていたらしく
「今失礼なこと考えてるだろ」
とジト目で見てきたので目を逸らしといた
学校に着いが二口は他校生で中には入れないので袋を受け取り、なんと部室まで運ぶことができた
持っていた鍵でしっかり施錠し、二口のもとへ戻る
『今日はほんまにありがとね。助かったわぁ』
「おー。ってことでいい加減連絡先教えろ」
『言い方よ。まぁ手伝ってくれたしええよ』
連絡先を交換し、電車で帰るという二口と駅で別れる
後悔するまであと30分
ーーー
(“家着いた“)
(“もう1人のマネって3年だろ?“)
(“あの人彼氏とかいんの?“)
(“美人だよな“)
(“別に俺のタイプじゃないけど“)
(“鎌先さんがタイプって言ってた“)
(“おーい“)
(…うっさいねん!なんやこいつ!鎌先さんに潔子さんは渡さへんからな!)
(“鎌先さんって誰やねん!“)
(“うけるw“)
(はー?!)
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