青春は待ったなし!
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『なぁツッキー』
土曜日の練習終わり
山口は自主練で先帰ったため、月島が一人になったタイミングで話しかける
「…なんですか。また変なこと企んでるデショ」
『失礼やな。テスト終わったし、甘い物食べたいやろ?』
「いえ、別に」
『そんな我慢せんでもええよ~。正直に言いや?』
「いや、本当にどうでもいいです」
『仙台駅前にな?新しいカフェが出来たんやって!ケーキが美味しいらしいねん』
「僕の話聞いてます?」
『一緒に食べに行かへん?』
「なんで僕が…」
『ええやん。ケーキ好きなん知っとるで』
「…」
『先輩が奢ったるやーん』
「先輩に奢ってもらうわけにはいきませんよ~。なので遠慮シマース」
『…なら花巻さん誘おかな』
「…誰ですか?」
『青城の人!』
「…」
無言で背中を向け歩き出す月島を首を傾げながら見ていると顔だけ振り返り
「ちょっと、行かないんですか?カフェ」
『?!一緒に行ってくれるん?』
「他校の人と行かれるくらいなら僕が行ってあげます」
『素直じゃないねぇ』
走って追いかけ、横に並び顔をちらっと見るとムスッとしていた
可愛いかよ
バスに乗り、仙台駅まで向かう
お目当てのカフェは駅のすぐ近くにあり、外まで甘い香りが漂っていた
思わず鳴ったお腹を押さえ扉を開ける
中には観葉植物や古い置物などあり、レトロな雰囲気だった
時間帯のおかげかお客さんは他に2組しかおらず、すぐ席に案内してもらえた
向かい合わせで座り、メニューを受け取って一緒に見る
ケーキの他にも軽食もあり、ドリンクの種類も豊富でワクワクが止らない
『ツッキー何にする?』
「いちごのケーキセットにします」
『もう決まったん?早っ。えー、めっちゃ迷うなー』
チーズケーキも美味しそうやし、季節のフルーツタルトも捨てがたい。チョコもええなぁ~
クリームソーダもいろんな色あるやん!可愛いー!
「…迷ってるやつ両方頼んだらどうですか?」
『でもな、3つで迷ってんねん…』
「…」
『決めた。チョコにする』
すいませーん、注文ええですかー?
店員さんを呼び、二人分の注文を済ます
できあがるまでたわいもない話をして分かったことは、彼は意外と弟器質が強いということ
思わずツッキーみたいな弟が欲しいと言ったらすごく嫌な顔された
ほんますぐ顔に出すよな
注文したケーキとドリンクが運ばれ、思わず目が輝く
携帯で写真を撮るときにちゃっかりツッキーも入れたら盗撮やめて下さい。とお叱りを受け、許可取ったらええんか?と思ったけど聞く前に許可は出さないと断言された
ツッキーも携帯を構えたので映るように屈み、ピースすると眉間の皺がエグいことになったので大人しく姿勢を正し、ケーキと向き合う
ツッキーはいちごのショートケーキとアイスカフェラテ
うちはチョコケーキにブルークリームソーダ
ケーキを一口食べてみると甘すぎないさっぱりとしたチョコであり、ほんのりオレンジの香りも広がる
『めっっちゃ美味しい…ツッキーはどう?』
「…おいしいです」
ほんのちょっとだけ口角が上がったのを見逃さなかった
帰る前にお手洗いに行き、戻るとすでに会計が終わっていた
外に出てから文句を言うも全く聞き入れてもらえず…
『先輩らしく後輩に奢りたかった…』
「発想がもうバカ」
『辛辣』
「…なら今度奢ってください」
『おん!また行こなぁ!』
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(今日でツッキーとめっちゃ仲良くなれたわぁ)
(え?)
(え?!ちゃうかった?!)
(いや、まぁ、はい。そういう事にしときます)
(めんどくさそうな顔せんでや)
(なまえさんはいつもめんどくさいです)
(名前?!…ツッキィィ!)
(ちょっと!ひっつかないで下さい!)