鬼滅の刃
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「伊之助! ○○!!もうすぐ打ち直してもらった日輪刀が来るって!」
「ほんとか!?」
『よかったねぇ』
「うん!急げ急げ」
「ヤッフー! ○○も来い!」
二人はウキウキしながら○○の手を引き玄関へと向かった。
「鋼鐵塚さん!!おーい!」
聞き覚えのある名前に、○○は思わず冷や汗をかいた。
鋼鐵塚との衝撃的な出会いを思い出した為だ。
○○は後ろから炭治郎を見守っていると、炭治郎の前を火男面の男が走って通り過ぎたのが見えた。
その手には何故か包丁が握られている。
○○の顔が青ざめた。
「はっはが…」
「よくも折ったな俺の刀を!よくもよくもォオ!!」
鋼鐵塚の相変わらずな刀愛に○○は苦笑した。
そしてついに炭治郎を刺しそうになった所で、○○はいい加減止めに入った。
『はっ、鋼鐵塚さん!危ないですから包丁下ろしてください!!』
○○が炭治郎を守るように前に出ると、鋼鐵塚はピタリと動きを止めた。
ゆっくりと包丁を持つ手が下りたことで、炭治郎はようやく生きた心地がした。
「っ○○ーーー!!!お前こんな所にいたのか!!文に場所を書かないから心配で堪らなかったんだぞ!!!」
火男面から滝のような涙を溢れさせた鋼鐵塚は○○を強く抱きしめた。
鋼鐵塚からあまりにも文が届くため、文通が続いていたのだ。
持っていた包丁はその辺に投げ捨てた。
逞しい腕に閉じ込められ、○○は顔を真っ赤に染めた。
彼は筋肉フェチなのである。
『も、申し訳ありません…』
その光景を炭治郎は呆然と見つめ、伊之助は怒り狂った。
(○○と知り合いだったのか…この好かれよう…悪いが刺されそうになったら○○に協力してもらおう…)
流石の炭治郎もこんな死に方は嫌だった。
炭治郎がげっそりしながら考えていた時、鋼鐵塚が叫んだ。
「よし○○!!もう考えは纏まっただろ!!俺と結婚しろ!!!」
『無理ですぅ…』
前言撤回。
鋼鐵塚に○○を極力近づかせない事を炭治郎は誓った。
伊之助は言うまでもないだろう。
「まあ、鋼鐵塚さんは情熱的な人ですからね。人一倍刀を愛し、人一倍○○殿を愛していらっしゃる。あ、私は鉄穴森と申します」
なんとか鋼鐵塚を○○から剥がし落ち着かせ、部屋に上がった五人は二人が打った刀を見つめていた。
○○は後ろに寝転ぶ鋼鐵塚に、腰に腕を回されていた。
今にも飛びかかりそうな伊之助を炭治郎は必死に押えた。
「伊之助殿の刀を打たせていただきました。戦いのお役に立てれば幸いです」
伊之助は黙ったまま鞘から抜いた刀を見つめた。
「ああ綺麗ですね。藍鼠色が鈍く光る渋い色だ。刀らしい良い色だ」
「よかったな。伊之助の刀は刃毀れが酷かったから…あいたたた」
炭治郎の言葉に、鋼鐵塚は炭治郎の頭をボカボカと殴りだした。
○○は驚いて一瞬思考が止まった。
『はっ、鋼鐵塚さん…悪いのは炭治郎かもしれませんが殴っては駄目ですよ』
控えめに鋼鐵塚の服を引っ張る○○に、鋼鐵塚は胸を射られた。
「何故お前はそんなに愛らしいんだ!!おい結婚しろ!!」
『ひえっ!?困ります!』
ついに○○を押し倒した鋼鐵塚を三人はボコボコにした。
この時ばかりは鉄穴森も怒り狂い、弱点の脇を突かずにボコボコにした。
それはもうボッコボコにした。
ボロボロになりながらも、○○を自身の膝に乗せ我慢する鋼鐵塚に三人はハラハラした。
○○は固い感触のそれに気がついて青ざめた。
「えっと、握り心地はどうでしょうか。実は私二刀流の方に刀を作るのが初めてでして」
鉄穴森が話している途中に伊之助は突然立ち上がると、トコトコと庭に下りた。
「?伊之助殿?」
鉄穴森の不思議そうな声も無視して、伊之助は地面に視線を落とす。
どうやら石を見ているらしい。
やがて蹲みこんだ伊之助は大きな石を選別し手に取ると、真新しい刀をその石で殴り刃毀れさせた。
四人は絶句した。
「よし!」
○○は急いで鋼鐵塚の腕から抜け出し庭に下り立つと、満足気に言い放つ伊之助の頭を掴み下げさせ共に土下座した。
「ぶっ殺してやるこのくそがき!!」
「『すみませんすみません!!!』」
ドカーンと怒りが爆発した鉄穴森に、炭治郎と○○はひたすらに謝るしかなかった。
日が暮れるまでブチ切れられた伊之助は珍しく怯え、○○へと抱きついた。
怒りが収まらないまま帰る鉄穴森と、名残惜しそうに○○に手を振り続ける鋼鐵塚。
炭治郎は深く頭を下げ、○○は苦笑しながら手を振り返し、伊之助は○○に抱きついたまま髪に顔を埋めるのだった。