短編
名前
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この間○○を助けた件から、○○が少しおかしい気がする
目が合ったら逸らされるし、声を掛けただけで頬が赤らむ
あいつは何かの病にでもかかってしまったんだろうか
「なあ、どう思うユーク」
「うーん、ある意味病にはかかってるわね」
「なっ!!やっぱり何処か悪いのか!?おいルチル!至急○○を見てやってくれないか!?」
「落ち着いてくださいジェード。あの子はそんな危機的病にかかってるわけじゃないんですから」
「そっ、そうか…」
思わず立ち上がり、後ろに椅子がすごい音を立てて倒れていったが、今の私には気にする余裕はなかった
かわいい年下が苦しんでると思うだけで、私まで苦しくなってくる
特にそれが○○なら
普段からぼーっとしてて、何にもやる気を出さない○○が病にかかっているというのは、あまりにも可哀想だった
あれ、普段からしっかりしてないから原因不明の病にかかってるのか…?
「急患!急患〜!ルチルいる!?」
「はいはい、いますよ」
『またモルガ〜』
「まったく貴方は…」
噂をすればなんとやら、○○とゴーシェが開いたモルガを布に包んで運んできた
「悪いなルチル」
「思ってないでしょう」
『モルガ、ちゃんと反省しなよ』
「うるせーなー」
初めて知った
○○はあの2人といる時はよく喋るし、表情豊かなんだな
『ぁ、じ、じぇっジェード!?』
「や、やあ」
『ぼく、先に見回り戻る!』
「え、」
ろ、露骨に避けられた
可愛がってる後輩に避けられるのって、こんなにも辛いのか…
「…議長、心配だから○○についてってあげたら?」
「そ、うだな…行ってくる!」
ユークに促され校外に出ると、○○達の見回り範囲に黒点が浮かんでいるのが見えた
「○○!!」
嫌な予感がする
気づいたら報告もせずに、黒点の方へと足が向いていた
嫌な予感ほど的中するというのは、あながち間違いじゃない
○○は月人からの攻撃をうまく躱し、なんとか1人で片付けたところだった
だが私の足は止まらず、○○に向かって突っ込んだ
「わー!!」
『わっ』
服同士がぶつかった事で、ギリギリ○○を割ることはなかった
あ、危ない
『っジェード危ない!』
「え」
私の下に倒れていた○○は、即座に私を押しどけると、飛んできた全ての矢を綺麗に弾いた
これじゃあ、前と逆だな
『ジェード!平気!?』
「あ、あ」
胸が痛い
体が熱い
○○が眩しい
かわいい
美しい
ああ、そうか。この病は──
その時私は確かに恋に落ちる音を聞いた