仕事
名前
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「次は見回り兼医療を見学しよっかね」
『うん!』
「だいたいは俺とパパラチアが開いたやつを治してるんだ。まぁ得意わけではないけどな!」
イエローはまた私の手を握って、医務室まで連れてきてくれた。
「医務室を見るのも初めてだろ?」
『うん』
「そこの大きな棚に白粉と対塩樹脂が入ってて、そっちの棚にはその実が入ってるんだ」
イエローが指した棚はとにかく高くて大きくて、あそこから落ちたら即割れてしまうと思った。
おい、なんであんな高い所に管理してんだ。
「俺達は見回りが主だから医療担当が欲しいんだよな〜管理してくれるやつが早く来てくれるといいな?そしたらガーネットも先輩だ!」
『じゃあわたしがなろうか?』
「ははっそれもいいかもな!でも色々見て向いてそうな仕事を探すのが一番だ」
いい子。と何度目かわからない撫で撫でをしてもらう。
本当に医療担当でも困らないけどね。
「ま、治すのは誰かが割れた時にでも実践して教えるさ。じゃあ次は見回りな〜」
手を引かれて連れ出されたのは外。
『わぁ〜あ!すごい』
「ん?ああ、外をじっくり見るのは初めてだったな。綺麗だろ!」
『うん!きれい!!』
空は真っ青の雲一つない晴天で、いっぱいの草は陽の光に照らされて風に揺られている。
なんてことない景色のはずなのに、とっても綺麗に見える。
『すごい…!』
「か〜わいいなぁガーネットちゃんは。おいで、こっちには池もあるし海月もいる」
海月!?
私が前世で最も好きだった生物ではないか!
ふわふわ浮いているのを見て、よく癒されたものだ。
来世は海月でもいいと思ったことがあるくらい。
「ほら、これが海月って言って水の中で生きている生物なんだ。詳しいことはまだわかんないんだけどな」
『…かわいい。ふわふわしてるね』
そうだ、今は宝石なんだから刺されて痺れることはないかもしれない。
『さわってもいいの??』
「ん?いいよ。好きなだけ構いな」
イエローの許可を取ってから、浮いてきた海月をつつく。
あ、あ〜…癒し…多分この世界で私にとって一番の癒し!
あ、でもみんなの綺麗な顔見るのが一番の癒しだから海月は二番目かな。
『ふわふわ…ふわふわ〜』
「うんうん、ガーネットが初めてキラキラした表情見せてくれてお兄様感動〜」
でも時間なくなっちゃうから行こうねと手を引かれて海月から離される。
あ〜…後で絶対戻ってくるからね、海月…
「…なあガーネット、海月の研究でもしてみるか?」
『いいの!?』
「わーすごい食いつきー。いいよ、アレキみたいに先生に提出するといい。俺みたいに見回り兼海月研究みたいにしたらいいかもな」
『ありがとう、いえろー!せんせいにゆってみる!』
嬉しくてイエローと繋いだ手をぶんぶん振りながら歩く。
いつの間にかしっかり歩けるようになってるし、いい事だらけだ!
「ほら、あそこペリドットとスフェンが見回りしてるぞ。腰に下げてるのが月人と戦うための武器なんだ」
『ぶき…』
話を聞いただけでは到底信じられるようなものではなかったが、実際に見るとやはり現実なんだと、逃避することを許してはくれない。
「…ガーネット、先生の所まで走れるか?」
『え…うん、はしれるよ』
「よし、行くぞ!」
繋いでいた手を割れてしまうくらい強く握って、イエローは学校へと走り出した。
絶対離れないように、もつれながらもしっかりと走る。
大丈夫、大丈夫だよ私。
ちゃんと走れてる。
前だけ向いて、足に集中して。
「先生!!南の方向に月人が…あ?」
『はぁっはっ…ぇ』
そこには、座禅を組んで瞑想をしている最中の先生の姿。
「あっちゃぁ…先生瞑想中なの忘れてた…しょうがない鐘鳴らすぞ!おいでガーネット!」
『う、うん!』
繋いでいた手はパっと離れて、イエローはどんどん遠くなっていく。
お、お兄様速すぎない?
大丈夫、大丈夫。
まだ走れる私。
無我夢中で走っていると鐘が鳴った。
イエローが鳴らしたんだ。
よかった、この鐘は全員集合だったはず。
私は力が抜けてそのまま草に突っ込んだ。
あれえ!?大丈夫!?割れてない??
「ガーネット!?大丈夫?一人でいたら危ないよ!僕と行こ!」
学校から出てきたレッドベリルお兄さんが、私を見つけてくれて起き上がらせてくれた。
『ありがとお』
「どえーーーっ!!!あんた話せるようになったの!?すごいじゃない!しかも歩けてる!!」
すごいすごーいと頭を撫でられる。
嬉しいっていう感情より、レッドベリルお兄さんの叫び声にびっくりしたっていう感情のが勝ってしまった。
リアクションがギャグ漫画のようだな。
かわいい。
「ペリドット!スフェン!大丈夫!?」
ペリドットお兄さんとスフェンお兄さんの姿が見えると、レッドベリルお兄さんは真っ先に声をかけて走り寄る。
その後もぞろぞろと武器を持った宝石達が集まる。
「ガーネット、お前は危ないから下がってろ」
大きな剣を持ったパパラチアお兄さんにトンッと後ろに押されて後ずさった。
『……すごい…』
足や腕が割れてしまったペリドットお兄さんとスフェンお兄さんを庇いながら、みんな月人に立ち向かっていく。
レッドベリルお兄さんやユークは、大きな風呂敷のようなものを持って割れた2人を包んでいる。
私も2人の欠片を集めるのに参加し、風呂敷の中に入れていく。
「ふー…あぶなかったなぁペリドット、スフェン」
「大丈夫かー?2人とも」
いつの間にか、戦闘に加わっていたイエローが声をかけながら私の隣にやってきた。
「さて、ガーネット!早速割れちゃったので治療をしていこうか!」
『はぁい』
レッドベリルお兄さんとユークがペリドットお兄さんを。
パパラチアお兄さんとイエローがスフェンお兄さんを包んだ風呂敷を持って学校に運ぶ。
私はイエローの横をついて行った。
「ガーネットはもう歩けるんだなあ…優秀じゃないか」
「そ〜なんだよ〜。もう読み書きもできんだよ〜流石俺達の弟だよね。ガーネット、今から治し方教えるからしっかり覚えろよ〜」
『えへへ〜うん!』
「偉いなガーネット。じゃあ俺が剣の使い方を教えようか」
「そうだな。戦闘ならパパラチアに習うのが正解だ」
『ありがとお…ぱぱらちあおにいさん』
「あははっ!パパラチアでいいってガーネット!俺相手にかしこまるなよ」
優しい笑顔でパパラチアは嬉しいことを言ってくれた。
やっぱり素敵です…イケメン…
『うん、ぱぱらちあ。ありがとお』
にっこりと笑顔を返してくれたパパラチアに見事ノックアウトされました。
結婚してください。