仲間
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『おはようユーク!ジェード!』
朝、制服に着替えた私は器を抱えながらニッコニコで2人に挨拶をした。
「あら、早いのねガーネット!おはよう」
「あ、ああ。おはよう」
私が誰よりも早く会議室に来たことに驚きながらも2人は挨拶を返してくれた。
「何かいいことでもあったの?」
『えへへ、実はね?前から言ってたクラゲ研究、やっと今日からやっていいの!』
器を抱いてぴょんぴょん跳ねながら言うとユークは嬉しそうに良かったわね。と言ってくれた。
うん、本当によかった!
「クラゲ、研究?」
「ん?…ああ、ガーネットは生まれてすぐにクラゲに興味を持って、先生に研究をしてもいいか話をしてたの。許可は貰ってたんだけど、見回りの方が忙しくてずっとできなかったのよ」
『そーなの!ダイヤが来てくれたおかげでもう大助かりだよ〜!』
「…そうか」
クラゲを取りに行けるのが嬉しくて嬉しくて、ふくれっ面のジェードを見てもどうしたのか聞く余裕すら今の私にはなかった。
「ふふ、見回りになればよかったって思ったんでしょ」
「…まあな、それでガーネットがあんなに喜んでくれるなら」
「ふふふ」
「みんな、おはよう」
先生が来てから朝礼を始め、終わった瞬間私は医務室に直行した。
「あら、ガーネット。どうしました?」
『ルチル!対塩樹脂腕に塗ってくれない?』
「対塩樹脂…?いいですよ、こちらに」
ルチルに促され、椅子に座ってから腕に樹脂を塗ってもらう。
あ〜早く池に行きたい
「急にどうしたんですか?対塩樹脂を塗るだなんて」
『んー?私今日からしばらく見回りお休みだからさー。やっとクラゲ研究を始められるの!』
「クラゲの生態を調べるんですか?」
『そうそう!何かわかったらルチルにも教えてあげるね!』
それは楽しみですと言って対塩樹脂を塗ってくれたルチルにお礼を言い、器を持ってその場を離れた。
『クラゲや、おいで〜』
あれから池に来た私は、しゃがんでクラゲが来てくれるのを待っていた。
前見た時みたいに浮いて来てくれないかな…
「あら、ガーネットもう来てたの?」
「クラゲは取れたのか?」
『ユーク、ジェード。それがまだで…』
近寄ってきた2人は私を間に挟んで座った。
なんで私真ん中?
両手に花とかウハウハだなおい。
「遠いわねぇ…」
「だなぁ…」
『取れないよねぇ…』
来てくれないことにガックリしていると、ユークが一つ提案を出してくれた。
「クラゲを取るのは明日にして、今日は図書室でクラゲについての本を探してみるのはどうかしら!」
『おぉー…いいねそれ!さっそくラピスに頼もっと』
「えっ、ガーネット待っ……たないよなぁ」
「速いわねぇ…あの子のクラゲ熱も困ったものね」
器を一度部屋に持ち帰って、荷物がなくなった私は全力で図書室まで走ってきた。
明日のクラゲのために調べねば。
『ラピスー!ちょっといいー?』
「なんだい、ガーネット!やっと僕に会いに来てくれたんだね!」
『ちょっと入るね!』
綺麗な見た目に高い頭脳を持っているくせに、私と絡むとどこか残念なラピスをどけて図書室に入った。
ラピスの話聞いてる時間がもったいないよね()
「あら、誰かと思えばガーネットじゃない。どうしたの?」
『ゴースト!クラゲの事について書いてある本とかあるかな!』
「クラゲ、はたしか…」
思い出そうとしているゴーストの前に、サッと現れたのは藍色の美しい髪。
ラピスだった。
「クラゲの本かい?少し待っていて」
言うが早いか、ラピスは様々な本棚から本を取り出すと、どんどん積み重ねていく。
おお、管理者っぽい。管理者だけど。
「ここにあるものならこれで全部だよ。はい、どうぞ」
どんっ、と鈍い音を立てて机に置かれた本は分厚く10冊はあった。
『え、これ全部クラゲ?』
「そう、研究をするんだろう?これだけあれば捗ると思うよ。ぜひ持って行って」
『え、あっありがと』
久々に真面目なラピスを見て少し見直した。
やっぱりラピスはすごい。
こんなにたくさんの本の内容をすべて覚えていて、私のために持ってきてくれた事がとても嬉しかった。
思わず気の抜けた笑顔を零すと、ラピスはにこやかにしながらも少し引きつっているように見えた。
うーん、気のせいか?
『ごめんねゴースト、ラピスも。どーもありがとう!』
ラピスの長い髪に、この間作った花冠に使う予定だった余った花を服から出し、耳の上に刺してから部屋を出た。
おお、10冊って結構重い…
それにしても、やっぱり普通にしてたら美人だしイケメンだなあ。
性格で損してるなあの石。
「くっ、ガーネットはいったいどれだけ僕をキュンとさせたら気が済むんだろうっ!かわいいっ…すごく!まるで花が咲くような笑顔だ…!!」
「はいはい、ラピス立って。掃除ができないわ」
「あ〜ガーネット〜!」
「(…最近まじで頭おかしいなラピス)」
「あの子が来てからよ。でも、ラピスの気持ちもわかるわ。それ位彼は魅力的だもの」
納得していない中の彼に、薄く笑って掃除を始める。
きっと君も話せばわかるわ。
彼はとっても優しくて可愛くて強い、素敵な宝石だって。