仲間
名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ジェードと熱いハグをかまして1年。
彼は立派な議長になりました。
私から離れたジェードはユークにベッタリで、議長の仕事を一日中教えてもらうようになり私は非常に寂しかった。
イエローに慰めの言葉をもらいながら月人をヤケになって倒しまくり、結果精神を心配された。
まあ当たり前だよな。うん。
議長の仕事を覚えジェードは新議長になり、ユークは書記に回った。
2人のやり取りはまさに夫婦でお兄ちゃん入る隙がないな〜。
このままじゃお兄ちゃんまた割れちゃうよ?いいの??
そんなこんなでお兄ちゃん離れをしたジェードを寂しく思いながらも、私は今日も見回りという名の月人狩りに行くのです。
もう、ヤケです。
朝起きて早々考えることじゃないな。
頭の中おかしいんか。うん、おかしいな。
布団から出てちゃっちゃと制服に着替えて剣をベルトにつける。
レッドベリルに作ってもらったウェッジヒールパンプス履いてっと。
今日も完璧。
かわいいぞガーネットちゃん。おえっ。
何気ない一言で重症を負った…控えよう。
部屋を出るとアレキと同時だったようで、挨拶を交わして一緒に会議室に行く。
アレキちゃんの色って朝から見ると目が痛いな。いや、綺麗だけども。
「ジェード。もう立派な議長になっちゃったわね。離れちゃってお兄ちゃん寂しいんじゃない?」
『私の弟だもん、立派に決まってるでしょ!当たり前だよ寂しいよ!お兄ちゃんあんなに早く成長しちゃうなんて思ってなかったよ!!最近ジェードと全然話してないんだよ!?いい加減精神崩壊するよね!?』
ずいっとアレキちゃんに詰め寄ると嫌そうな顔をして肩を押され離された。
「いい加減弟離れしなさいよねぇまったく。こりゃイカれるのも時間の問題ね。」
『何よ〜、ねえ、お兄ちゃん〜かわいそうなガーネットちゃんを慰めて〜』
「あーはいはい、よしよし。こうゆう時だけお兄ちゃんなんて呼ぶんだからまったく」
アレキちゃんの腕に腕を絡ませながら歩くと鬱陶しがられたが、すぐに諦めて頭を優しく撫でてくれた。
さすがお兄ちゃん。わかってるー。
「おはよう。アレキ、ガーネット。ふふっ朝から仲良しね」
「おはよう。アレキ、ガ、ガーネット」
会議室に着くといつものように前にたった2人が挨拶をしてくれた。
ジェードなんか目も合わせてくれない。
もうお兄ちゃんの事嫌いなの??泣いちゃうよ??泣けないけど。
「おはよう。当たり前でしょ?あたしとガーネットの仲なんだから。あと、アレキちゃんとお呼び」
『おはよーユーク、ジェード。私とアレキちゃんはマブダチだからねー!』
2人で年甲斐もなくキャッキャしてると、いきな体育座りをしたジェードをユークが慰めていた。
いや、急にどうした。
「今日も目を合わせられなかった。なんて情けないんだ。それにガーネットなんかニコニコしてアレキにひっついて…私の気も知らないで…」
「もう。はいはい、また後で話しかけたらいいじゃない、しっかりと目を見てね。ジェードがガーネットに対して照れて話せないのが悪いんでしょう?ほら、また頑張りましょう、ね?」
2人でぼそぼと仲良さそうにしちゃってさ。
私とは目も合わせないのに。
ふん、いいもんね。今度抱きつきに行くもんね。
こうなったらもう強行突破よ。嫌がられたってやめないんだから。
覚悟しとけよ末っ子。
「おはよう。みんな、集まっているな」
「おはようございます先生。はい、全員揃っています。…って、その宝石は…」
いつものように最後に来た先生は挨拶をしながら前に立った。
ジェードが言ったように先生の腕には見覚えのない宝石が収まっている。新人だ
「昨日、見回り組は緒の浜へ行けていなかったから、代わりに見に行ったら生まれていた。」
うっ、そうなんです。
昨日月人の矢にボロボロに割られた私達は学校に連れ戻され、緒の浜まで見回りに行けなかったのです。
気絶しちゃったんだけど、その時ものすごくでかいジェードの悲鳴が聞こえた気がしたんだけど。気のせいかな。
「この子の名前はオブシディアン。仲良くするように。教育係は…そうだな…ユーク、頼めるか?」
「あ、はい。それはもちろん。僕でいいのなら」
先生はオブシディアンをユークに渡すと、昨日はオブシディアンを見ていて休めてないからという事で瞑想に入られた。
言い訳しなくてもいつも瞑想してるじゃん。
ほぼ押し付けられたユークは苦笑している。
「えっと、じゃあ先に今日の予定を確認しましょうか。議長」
「あっ、と…みなさんおはようございます。今日の天気は────」
ユークとジェードは戸惑いながらも朝礼を始めたが、私達は話を聞きながらも視線はオブシディアンに釘付けであった。
「以上、解散。──はしないよなぁ…」
ジェードの解散の号令を受けた私達はユークを囲んで新しい子に話しかける。
「黒か〜。珍しいな!」
「とても綺麗だ。でも、月人に狙われやすいかも」
「俺らで守ってやればいい話だって!な、ガーネット!」
『そーそー、かわいい末っ子を月人なんかにやんないよ!』
わいわい好き勝手に話しているとオブシディアンが目を開けた。
うっわ、かわいい。
塩顔美人のジェードとは違っておっとり系だ。
「あ〜、うぅ。あっ!」
「「「「『かわい〜』」」」」
私達年長者はもうかわいい末っ子にメロメロ。孫を見るじじばばの気持ちだ。
「はいはい、お兄さん達は早く仕事に行きなさいね。イエローとガーネットは特に!」
「『はーい』」
じゃあねと手を振ってからイエローと学校から外に出る。
かわいかったな〜オブシディアン。
仲間に入りたそうにソワソワしてるジェードも大変かわいかった。
イエローとたわいのない会話をしながら見回りを始める。
ていうかいい加減私達以外に見回りしてくれる子来てくれないと困るんだよな。
同時出現されたら手に負えないよ。それに、生まれてきて31年、いまだにクラゲを研究できていないのはマジでどうかと思う。
忙しすぎてそれどころじゃない。
ラピスとの約束もまだ果たせてないし…朝礼で会うたびウインクしてくるし、早くしろよって催促なのかな…はあ。
なんの変化もない空を見上げて白粉花の実を摘み、器に入れる。
今日も暇だな〜。
「ガーネットー。お兄様暇なんだけど〜。イチャイチャしようよー」
『うるせー黙って白粉花の実あつめんかーい』
ちぇーという声を背に全ての白粉花の実を摘む。
最近は少ないな〜。いつか全部なくなっちゃいそう。
「議長〜。無事帰還したぞ〜」
『ただいま〜』
「ああ、イエローに。ガーネット…お疲れ様」
夜、やっと見回りを終え学校に戻る。
朝は白粉花の実を摘んで、昼は白粉花の実を摘んで、月人狩りして夕方は白粉花の実を摘んで…
いつもと変わらない1日を過ごす。
いやいや
ふざけるな気が狂うわ。
殺す気か。
実が入った器を抱えてジェードに寄りかかると、普段から硬い体がカチーンとさらに硬まった。
おや、おもしろい。
「はあ…ガーネット、器貸しな。俺が持ってっとく〜」
『ありがとうイエロー。お疲れ〜』
お疲れ〜という声が遠ざかっていく。
ありがとうお兄ちゃん。
さすが空気が読めるねお兄ちゃん。
実はジェードと全然話せていない事をお兄ちゃんに相談していたのだ。
できる優しいお兄ちゃんを持てて私幸せだよ…
『ジェード〜』
空いた両腕でジェードに抱きつく。
あ〜俺の弟かわいい〜
「が、ガッ、ガーネット!?何してるんだ!?」
おもしろいくらい動揺しているジェードを逃がさないように少し力を込める。
ああ、ほぼ1年ぶりだこの感覚…
『ジェードがいつまで経っても目合わせてくれないし、話してくれないから。お兄ちゃん思い切ってみました』
「うっ、そ、それは…」
『ごめん…もう私のこと嫌いになった?お兄ちゃん、もういらないかな。うん、もう1人で大丈夫か〜』
ジェードがいつまで経っても背中に手を回してくれないことを寂しく思う。
割れないように、でも強くジェードを抱きしめる。絶対離さないぞ。
これはもう意地だ。
嫌われたって構わん。
「っ嫌いになんかなるわけないだろ!わたしは…私はガーネットが好きだ。大好きだ…いらない訳ない…1人で大丈夫なんかじゃない…ガーネットがいないと私は嫌だ…!今まで目を合わさなくて悪かった。急に恥ずかしくなって話せなくなったんだ。ガーネットは優しくて可愛くて強くて、私の憧れで…」
ジェードは勢いに任せて次から次へと私への愛の言葉を零しながら私の背中に手を回した。
割れそうなくらい強く抱きしめられて息が詰まる。
は、はずかしい…なにこれ。
成長したジェード結構好みだしかっこいいから普通に照れるんだけど。
いや先に手出したの私だけどね?でもね、これはなんか、ね?照れるじゃん??
『う、うん!もうわかったごめん!私が悪かった!ジェードの気持ち全然知らなくて』
「ガーネットは悪くない…元はと言えば、私がお前を避けたりしたから…ごめん、ガーネット」
ジェードの気持ちを知れて満足した私は、ジェードの肩を押して体を剥がすと割れたっていいからその綺麗な頬に口を押し付けた。
あ、今絶対口にヒビ入った。
ま、いいや後で部屋に内緒で隠してる白粉はたいとこ。
「な、ななななななな!!!」
『わあ、おもしろい』
熱がどんどん上がって顔が真っ赤になったジェードはあろうことか気絶した。
うそ、白目剥いてるすごい。
ああ、ふざけてる場合じゃないな。
直立不動で白目剥いて気絶するのはやばい。
とりあえずもう私の部屋でいいよね。
よしレッツラゴー。
翌朝、ジェードの叫び声が学校中に響き渡ったのは言うまでもない。