日常
名前
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図書室を出て向かったのはアレキちゃんの部屋。
アレキちゃんには戦争に出始めてからずっとお世話になっているので、実はとても仲良くなったのだ。
「アレキちゃーん、今いーい?」
「忙しいから駄目よ」
『アレキちゃーん、今いーい?』
「いいに決まってるじゃない。いらっしゃいガーネット!」
私の声を聞くなりスッと顔を出したアレキちゃんは、目が合ったイエローと手を握り合い押し合いを始める。
おーい、割れるぞー。
『お兄ちゃん、その戦いまた今度ね。アレキちゃん新人来たよ〜』
はいっと腕の子を見せると、可愛らしく笑って手袋を付け頭を撫でる。
ジェードと私の。
あの、なんでですか…
「綺麗な色ね〜珍しい色だから月人に狙われやすいかもね。気をつけて世話するのよガーネット!」
『ふふん!当たり前よ!ガーネットちゃんに任せなさい!』
手を上げたアレキちゃんにハイタッチをして部屋を出た。
『もう、イエロー不貞腐れないでよ〜』
「あいつガーネットガーネットってうるさいんだよ」
『はいはい』
この兄ちゃん本当アレキちゃん好きだな。
よしよしと軽く撫でてやって、次に向かったのはスフェンの工房。
「スフェン〜新人来たぞ〜」
「ほんとに!?ちょっと待って!」
木の山に埋もれて見えないけど、せっせと作業を中断しようとしてくれてるんだろうな。
キリのいいとこまでしたいよね。わかる。
『お疲れスフェン、精が出るねー』
「なんだよそれ〜。おっ、綺麗な緑色。よしよしお名前は?」
「ジェードって言うんだ。良くしてやってくれ」
ひょこっと出てきてくれたスフェンは、私の年寄り臭い言葉に少し笑ってからジェードを撫でてくれた。
ついでに私も。
やめろ照れる。
『わざわざありがとうスフェン、邪魔してごめんね!』
「仕事頑張ってな!」
「いーって!うん、ジェードの世話ちゃんとしてやれよ!」
はーいと手を振って、次はペリドットの紙製作工場(仮)へ向かう。
おーっとこちらも紙の山だぞ。息してる?
「ペリドット〜新人〜」
「えっ、ちょっと待って!」
うーんデジャヴ。
仲良しだなぁスフェンもペリドットも。
スフェンと同じくひょこっと顔を出し出てきてくれたペリドットは、素早く手袋をつけて髪を撫でてやっていた。
ついでに私も。やめろ照れる。
『ありがとうペリドット、話せるようになったらまた紹介するから!』
「ok、またな」
パチっと華麗にウインクを決めると、紙の山の中に埋もれに行った。
あ、アニキーー!
「じゃ、次行くか」
『うん』
疲れてないかなとジェードを見ると、緊張しているのかさっきから全然喋らない。
綺麗なお兄さんお姉さんに立て続けに頭撫でてもらってればな〜。
私もみんなと出会った当初が懐かしいよ。
告白しかしてた記憶ないけど。
「んー…じゃ、近場でユーク行くか」
『さんせ〜。ジェード大丈夫だよ、緊張しなくても』
ぽんぽんと背中を叩いてやると、安心したのかまた擦り寄ってきた。
あ〜かわいい…猫みたい。
「ユーク〜、30年ぶりの新入りだぞー」
「あらほんと?ガーネットもお兄さんね!」
『うん!もう可愛くて手放せないんだよ』
「あらあら!」
先生に提出する書類をまとめていたユークは、すぐに顔を上げてジェードを認識した。
『ジェードって言うの』
「へぇ、ジェード?素敵な髪の色ね、この子によく似合ってる。それに賢そうな顔してるわ。議長の仕事向いてそうね!」
『うん、向いてるよ。私に似なくて賢くなっちゃいそう。きっと優秀だ!』
「むっ、ガーネットは賢いだろ。今までで1番言葉を覚えるのが早かったし、読み書きも戦闘でさえもすぐに出来た!俺の弟が優秀じゃないわけないからな!」
胸を張って自慢げに言ってくれるイエローに、もう無くなったはずの涙腺が緩んだ気がした。
『うぅうありがとぉ〜』
「ふふ、仲良しねぇ!…あら?」
「『ん?』」
ユークの不思議そうな声に目を向けると、腕の中のジェードが興味深そうに書類を見つめている。
もしかして、もしかしちゃうかジェード…
「あ〜、あ〜」
「まじかジェード」
『やっぱ賢いなジェード』
「すごいわジェード!きっと私より優秀な議長になるわね!」
生まれて初日でこの仕事に興味持つのはちょっと心配になるわお兄ちゃん。
「話せるようになったらたっぷり議長の仕事を教えるわ!ジェード、立派になるのよ!」
『あはは、ありがとねユーク…またね〜』
謎の教育ママスイッチが入ったユークを会議室に隔離して部屋への道を歩く。
「なんかあっという間だったなぁ。もう日が暮れる…」
『ほんとね〜、時が過ぎるのはあっという間だ』
「うー?」
何でもないよと頭を撫でてやってもう休ませることにする。
みんなと会って疲れただろうしね。
イエローとお別れして部屋に戻ると、机の上にジェード用の寝間着が置いてあった。
うう、ベリルちゃんありがとう…
『はい、ジェード!ばんざーい!』
「ばんあい〜」
布団の上に下ろしてやって、ぱっと腕を上げてみせるとジェードも真似して腕を上げた。
『よしよし。そのままね』
ベルトを抜いてやってベストを脱がす。
次に窮屈なネクタイを解いてやってからズボン、シャツのボタンを外して裸にする。
あ、ごめん。手袋とニーハイ脱がすの忘れたから目も当てられないくらいエロくなったごめん。
「あ〜、うーむぅ」
『ごめん、なるべく見ないようにするからね。ね』
目をそらしながら寝間着をはおらせ手早く着付ける。
っしゃ、できた!
『じゃあジェード。ねんねしようか』
「えんえ」
『そ〜。ねんねねんね〜』
オウム返しのように話すのがかわいくて、デレデレとした笑顔を見せてしまう。
いかんいかん。
ジェードがこんな笑い方を覚えてしまったら教育に悪い。
主にユークママが怒る。
『いい子ね〜ジェード。よしよしおやすみ』
「おあ…みー」
人の子と同じようにお腹をぽんぽんと優しくゆっくりと撫でてやると、振動が心地いいのかウトウトしていた瞼が落ちた。
あ〜やっぱかわいい。しんどい。
これから毎日一緒とか心臓持たない。
ジェードが穏やかな寝息を立てだしたのを確認して、タオルケットをお腹に被せてやり私は毛布にくるまった。
久しぶりだな毛布。また暫く世話になるぜ。