Episode 10
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園子にテニスのコーチを頼まれた安室は、この日伊豆に行っていた。
早めに帰る予定だったが、殺人事件があった為、結局帰るのは夜遅くになってしまった。
帰宅した安室は、一休みする暇もなく和室でパソコンを起動させ、持ち帰った公安の仕事に取り掛かっていた。
その時、ローテーブルの上に置いていたスマホが、ブーッブーッと震えた。
安室がパソコンからスマホに視線を移すと、画面にはベルモットの電話番号が表示されていた。
嫌な人物からの着信に、安室は眉間にシワを寄せて軽く舌打ちをすると、スマホを手に取り通話ボタンをタップした。
「もしもし?」
「ハァイ。
今、私たちがよく取引に使うバーに居るのだけれど・・・
酔い潰れてしまった可愛い仔猫ちゃんを迎えに来てくれないかしら?」
「それは組織に関係する人物ですか?」
「違うわよ。
今夜は完全にプライベートよ。」
「では誰なんです?」
「あら、貴方もよく知ってる子よ。」
ベルモットの答えに、安室がさらに問い詰めようと口を開いた瞬間。
ベルモットの少し焦った声と安室のよく知る、今現在安室が最も気にかけている人物の声が通話口から聞こえてきた。
「いやだ!
まだ帰らないもん!
シャロン取らないで!」
「は!?」
間違いなく通話口から聞こえた凛の声に、安室は珍しく取り乱した。
「ちょ!一体どういう事なんです!?」
「落ち着きなさいよ、バーボン。」
「これが落ち着いていられるとでも!?
彼女に一体何をしたんです!?」
「何もしてないわよ。
友達と飲んでたら、その友達が酔い潰れてしまった。
ただそれだけよ。」
「とにかく!
すぐに迎えに行きますから、それまで彼女に指1本触れないでください!」
安室はベルモットの返事を聞く前に通話を切り、急いで玄関ドアを開けた。
そして白のRX-7に乗り込むと、法定速度を遥かに無視したスピードでバーへと向かった。