Episode 10
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「え、シャロンってフリーなの!?」
どれ程の時間が経ったのだろうか。
トークに盛り上がっていた凛とシャロン。
いつの間にか、話は互いの恋愛話になっていた。
「そうよ。
私に男なんて必要ないもの。」
「えーっ!? 勿体ないよー!
シャロン程の美貌の持ち主なら絶対争奪戦に決まってるのに!」
「何故決まってるのよ・・・
そもそも、それは貴女もじゃない?」
「私?
私なんて人生で一度もモテた事がないんだけど??」
シャロンは、信じられないとでも言いたげな視線を凛に向けた。
「その目は何なのよ。
これが哀しい事に本当なのよ?」
「ふーん・・・不思議な事もあるものね。
凛みたいな可愛い子、私なら放っておかないのに。」
トゥクン・・・
「?
ねぇ、何か今変な音が聞こえなかったかしら?」
シャロンの言葉にときめいた凛は、シャロンの右手を両手で包み込んだ。
そして至極真剣な表情で口を開いた。
「シャロン、私と結婚してください。」
「・・・私と結婚するより先に、その鼻血をどうにかした方がいいわね。」
そう、凛はまさに鼻から血を垂らしていたのだ。
シャロンはティッシュで凛の鼻を抑えながら、小さく微笑んだ。
「凛は恋愛をしないのかしら?」
「んー・・・
さっきも言ったように、私モテた事ないし付き合った事もないんだよね。
だからなのか、恋愛ってどういうモノなのかわからなくてさ・・・
それに、しばらくは別にいいかなぁって思ったりもする。」
「ふーん?
それは残念ね。
せっかく凛好みの金髪ハーフ顔の男が、仕事仲間に居たのに・・・
どうやら彼も、中々貴女に心酔してるようだし?」
(・・・それってバーボンこと安室 透じゃね?
てかシャロンさんよ、さりげなく一般人に組織の人間を紹介しないでください。)
凛はシャロンからの紹介を、丁重にお断りをした。
凛がぶつくさ言いながら髪を耳に掛けた時、シャロンは凛の耳に付いているピアスに気付いた。
「貴女・・・ピアスなんてしていたかしら?」
「そう、最近ね。」
「へぇ・・・
それ、どうしたの?」
「これはね、もらったの。」
凛はシトリンのピアスに触れながら、ふんわりと微笑んだ。
大事そうに、そして愛おしそうにする凛に、シャロンはニヤリと意地悪に微笑んだ。
「しばらく恋愛はしないんじゃなかった?」
「え!?」
「そのピアス、男からのプレゼントなんでしょ?
とっても愛おしげな顔していたわよ。
余程その男の事を愛してるのね?」
凛はその言葉に顔を真っ赤にさせ、慌てて反論した。
「な!?
べっ別に私は透さんの事、愛してないわよ!?」
「・・・そのピアスの贈り主って、安室 透なのね。」
「!?
シャロンサンハ カレヲ ゴゾンジナノデショウカ?」
「ご存知も何も・・・
へぇ・・・あの彼がねぇ・・・」
(アクセサリーを贈るなんて・・・
バーボンは独占欲の塊なのね。)
シャロンの腕にしがみつき、「あぁぁぁっ私は本当に彼の事を愛してないのよぉぉぉっ」と必死に弁解する凛の頭を撫でながら、シャロンは口の端を持ち上げた。
数分後ーーーー
凛はシャロンからの言及に耐え切れず、ひたすらカクテルを飲みまくった結果、見事に潰れた。
「でへへへへ~ しゃろ~ん・・・
しゃろんは、きょーも綺麗だねぇ~。
ちゅーしちゃうぞ~。
ほれほれ、ちゅー!」
(・・・困ったわね。
まさかここまでお酒に弱いなんて・・・)
シャロンは現在、右隣に座る酔っ払・・・凛に困っていた。
その困り事の根源である凛は、シャロンの右腕に抱きつき頬擦りしている。
更には時折、可愛らしく微笑みながらシャロンの頬にキスする始末だ。
(まったくこの子は・・・
私が男なら、間違いなく危ないじゃないの。)
シャロンの右腕にしがみついたまま、凛はバーテンダーに追加でカクテルの注文をする。
その凛に、シャロンは優しく諭した。
「・・・凛、ダメよ。
貴女、相当酔ってるわ。
この辺でやめときなさい。」
「えー・・・
そんなことないもん・・・
わたしらって、もっとのめゆ・・・」
凛は眠気も襲って来てるのであろう。
呂律も怪しくなってきていた。
シャロンは小さく溜息を漏らすと、左手でスマホを操作し始めた。
「ハァイ。
今、私たちがよく取引に使うバーに居るのだけれど・・・
酔い潰れてしまった可愛い仔猫ちゃんを、迎えに来てくれないかしら?」
「違うわよ。
今夜は完全にプライベートよ。」
「あら、貴方もよく知ってる子よ。」
(・・・むかえ?
しゃろんとお別れ・・・)
「・・・だ。」
「え?」
「いやだ!
まだ帰らないもん!
シャロン取らないで!」
凛はシャロンの通話相手にわざと聞こえるように言い放った。
しかし眠気がピークに達していた凛は、シャロンの腕を抱きしめたまま寝てしまった。