Episode 10
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赤と黒を基調としたバーのカウンター席に、プラチナブロンドの髪を持つシャロンは座っていた。
その姿を見付けた凛は、シャロンの右隣の席へと腰掛けた。
「シャロン、お待たせ!
すみません・・・アプリコットフィズをお願いします。」
凛はバーテンダーにカクテルを頼むと、隣に座っているシャロンに視線を移した。
シャロンはカクテルグラスを静かに置くと、妖艶に微笑んだ。
「ハァイ、凛。
貴女ってやっぱり甘いお酒しか飲めないのね。」
「"やっぱり"ってどういう事よ。
そんなシャロンは、何を飲んでるの?」
シャロンはカクテルグラスの縁を、長い指でツゥ・・・と撫でた。
「これはギムレットよ。」
「わっ、さすがシャロン。
強いお酒を飲む姿もサマになりすぎでしょ。」
凛の目の前にアプリコットフィズの入ったカクテルグラスが置かれた。
凛はバーテンダーに礼を述べると、カクテルグラスを手に取って口へと運んだ。
「ねぇ、凛・・・
貴女、ベルツリー急行が急停車した駅に居たかしら?」
「え、居たよ。
どうして?」
「・・・別に。
凛があの子たちと一緒に居なかったから・・・少し気になっただけよ。」
シャロンは左肘をカウンターに付き、左手の甲に頬を乗せながら言った。
そのシャロンの様子に、凛は横から抱きついた。
「もーっシャロンったら!
それくらいで心配してくれたの?
好き!大好き!持ち帰りたい!」
「・・・凛は間違いなく、お待ち帰りされる方でしょうね。」
「なんでだよ。
あ、そうだ。
私さ、シャロンの為にクッキー焼いて来たんだ。」
「クッキー?」
凛は鞄の中をゴソゴソと漁り、綺麗にラッピングされた袋を取り出してシャロンに差し出した。
袋の中には、いくつものカラフルなクッキーが入っていた。
「そう。
最近アイシングクッキーにハマっててさ。」
「あら、可愛い。
ありがとう。
でも・・・どうして急に?」
「疲れてる時は糖分摂らなきゃ。」
凛は指で、軽く自身の目元をトントンと指し示した。
凛の言葉と行動に、シャロンは少し目を見張った。
シャロンは変装の達人だ。
もちろん自身の顔色が悪い時などのメイクもお手の物である。
その為、凛にはあっさりと見破られた事に驚いたのだ。
フッと口の端を持ち上げたシャロンは、再び感謝の言葉を述べた。
「ほら、このクッキーとか可愛いフクロウでしょ?
この柄が一番の自信作なんだよね。」
(え? フクロウ???
ダルマじゃなくて???)