Episode 9
夢小説設定
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その時、怪盗キッドの方から着信音が聞こえてきた。
怪盗キッドはポケットからスマホを取り出して画面を見た後、小さく舌打ちをするとすぐさま通話ボタンを押した。
「聞いてねぇぞ、名探偵!
拳銃に爆弾に何なんだ、あの危ねぇヤツらはよ!!」
怪盗キッドは通話先のコナンに対して、めいいっぱいの不満をがなりたてた。
「悪ぃ悪ぃ!」
「貨物車に凛さんが居たから助かったものの・・・
凛さんが居なかったら、今頃黒コゲだぞ!?」
「は!?
そこに凛さんが居んのか!?
ちょっ、変わってくれ!」
怪盗キッドはひどく慌てるコナンに首を傾げながらも、凛に向かってスマホを差し出した。
「名探偵が、凛さんに変わってくれってさ・・・」
怪盗キッドに言われた凛も首を傾げる。
「コナンくんが?
何用だろうね?」
凛が怪盗キッドからスマホを受け取り、スマホを耳に当てた。
「やっほー、コナンくん。
どうかしたの?」
「"どうかしたの?"じゃねぇだろ!?
なんで凛さんが、怪盗キッドと一緒に居んだよ!?」
「え、だって・・・
たまたま入った貨物車に、たまたま爆弾いっぱいあって、たまたまそこに大人の姿をした哀ちゃんに変装した怪盗キッドさんが現れて・・・
爆発したら危ないから、とりあえず姿くらまし使って2人で無事脱出おめでとう・・・みたいな?」
「姿くらましってーーーーキッドに魔法バラしちまったのか!?」
「命には変えられぬよ、少年。」
「~~~~っ違いねぇ!」
「大丈夫。
怪盗キッドさんも私が魔女だって誰にも言わないって約束してくれたもん。」
凛は隣に立つ怪盗キッドに、ねー?とにこやかな笑顔を向けながら首を傾げた。
怪盗キッドも凛と同じように、ねーとにこやかな笑顔で首を傾げる。
「あーわかったわかった!」
受話口の向こうのコナンにも、今の凛と怪盗キッドののほほんとしたやり取りの映像が見えたのかと思える程少し適当に返事をされた。
「それより今どこ?」
「東京駅。
って事で、私そっちには行った事がないから姿現しが使えないのだよ。
コナンくん、申し訳ないけどみんなに適当に誤魔化しといて。
じゃ!」
凛はそれだけ言うと、すぐさまスマホを怪盗キッドに手渡した。
怪盗キッドはその後、コナンと一言二言話すと通話を切った。
そしてそのままスマホを凛に差し出す。
「このスマホ、凛さんに預けといてくれだってさ。」
「うわー・・・絶対コナンくんに逢わなきゃいけないパターン。」
コナンにお叱りを受ける未来を見て、凛は心底嫌そうな顔をした。
「しっかし、凛さんって絶対いい性格してるよな!」
「そう?
褒め言葉として受け取っておくよ。」
凛は怪盗キッドからスマホを受け取り、鞄の中へ入れた。
「ではお嬢さん、またいつか月下の淡い光のもとでお逢いしましょう。」
怪盗キッドはそう言うと、ポンッと音を立ててその場から消えた。
「なるほど・・・コナンくんの言う通り、キザな人だな。
そして本当に魔法みたいだ。」
残された凛は、自分の魔法も堂々と手品だと言い張れば逃げ切れる気がした。
翌日ーーーー
朝から阿笠邸に居ると言うコナンの元へスマホを届けた凛は、案の定コナンと灰原にこっぴどく怒られた。
28歳にもなる大きな大人が、小学生の子どもの前で正座をして背中を丸めて頭を垂れている。
とどめに灰原に強めのデコピンをされた凛は、半泣き状態でポアロへと出勤した。
そんな夕方ーーーー
「凛さん!
本当に良かったです!!」
「本当は声掛けたかったんだけど、久しぶりの家族の団欒に水を差しちゃ悪いと思ってさ!
とにかく本当に良かったわ!」
「ん?」
凛はポアロの店外で掃除をしていると、下校してきた蘭と園子に捕まっていた。
そしてワケのわからない出来事に、蘭の隣に居たコナンを素早く捕まえて小声で聞いた。
「コナンくん?
これは一体何事なのかな?
まったく話が見えないんだが?」
「しゃーねぇだろ!?
あの日、凛さんが急に居なくなっちまったんだからよ!」
「ふむ、それで?」
「だからベルツリー急行がたまたま停車した駅に凛さんの家族が居て・・・
凛さんはそのまま再会した家族と一緒に過ごしたって事にしたんだよ!」
「えっ、なんかすごく無理ある設定をありがとう。」
その後蘭たちと別れた凛は佐藤と高木に出逢い、2人からも同じように捕まった。
「神崎さん、良かったですね!」
「無事にご家族と再会出来たと聞きました!
本当に良かったです!」
しかし、その後佐藤と高木は頭の上にクエスチョンマークを浮かべた。
「あれ?
そうなると、神崎さんの本当の戸籍とかは?」
「あれ?おかしいですねぇ・・・」
慌てた凛は2人に向かってオブリビエイトを唱え、2人が戸籍など準備してくれた部分だけの記憶を消去したのであった。
