Episode 9
夢小説設定
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バシッ!!
「~~~~おぇっ・・・」
灰原は顔を青白くさせて右手で口元を覆った。
そう、灰原はまさしく姿くらましの洗礼を受けたのだ。
「大丈夫?」
凛は灰原の背中をさすりながら声を掛けた。
「あー、サンキュ。
少しラクになってきた。」
「その声・・・君は男性だったんだね。」
「まぁな・・・
お姉さんは名探偵の仲間?」
「名探偵ってコナンくんの事?」
「そうそう。」
「コナンくんのお友達ではあるけど、貨物車に居たのは私の単独行動だよ。」
「・・・そっか。」
「貴方は一体誰?」
凛が尋ねると、男は魔法のように一瞬にして姿を変えた。
白いタキシードにシルクハットにマント、目元にモノクルを着けた男は、凛の右手を取って、その手の甲にキスを落とした。
「初めまして、お嬢さん・・・
怪盗キッド・・・と言えば、ご存知でしょう?」
「あ!
コナンくんが言ってた"キザな泥棒"さんですね!
初めまして、私は神崎 凛です!」
凛の言葉に、怪盗キッドはズリッとズッコケた。
そんな怪盗キッドに構わず、凛は目を輝かせて詰め寄った。
「まさか、こんな所で同族に逢えるとはっ!」
「ん?同族?」
「貴方も魔法を使うのでしょう?」
あまりにもキラキラとした瞳で見つめてくる凛に、怪盗キッドは頬を少し染めた。
「あ、いや・・・
私のはマジックでして・・・」
「マジック?
それは魔法でしょう?」
「違いますよ。
ただの手品の方です。」
怪盗キッドはそう言うと、ポンッと音と共に一輪の赤い薔薇を出すと凛に差し出した。
凛はその赤い薔薇を両手で受け取ると、少し落ち込んだように言った。
「手品・・・そう。
とても綺麗ね、ありがとう。」
「・・・凛さんが言う、魔族の話を聞いても?
それにさっきのは一体・・・」
凛は渋ったが、怪盗キッドと共に姿現しをした為、隠し通す事は不可能だと判断した。
凛は怪盗キッドの右手をギュッと握ると、口を開いた。
「信じてもらう為に、少しだけ見せるね?」
「え?どういうーーーー」
怪盗キッドが聞き返すより先に、強い光に包み込まれた。
数分後ーーーー
強い光が落ち着いた頃、凛は怪盗キッドの右手から手を離した。
「なるほど、ね。」
「信じてくれた?」
「あぁ。
凛さんとはまた違った魔族なんだろうけど、オレの知り合いにも魔女が居るんだ。」
「え!?
魔女が!?」
「でも凛さんのような魔女とは別のタイプだと思うぜ?
アイツは魔術は使えるが、魔法は使えないはずだ。」
「そう・・・
なら、その人も同族ではないのね。」
しょんぼりとする凛の頭を、怪盗キッドは撫でた。
「凛さんがオレの助けを必要とするなら、いつでも助けに来るから・・・な?
そんな落ち込むなって・・・」
「うん、ありがとう。
私も怪盗のお手伝いはしないけど、助けになるならいつでも頼ってね。」
「サンキュ!」
怪盗キッドは屈託のない笑みを見せると、礼を述べた。