Episode 9
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「手をあげたまま移動しましょうか。
8号車の後ろの貨物車に・・・」
凛は積荷の陰から、8号車の方の扉を見た。
扉の窓ガラスに人影が写っている。
「さぁ・・・その扉を開けてください。
その扉の向こうが貨物車です。」
窓ガラスに写った人影が、後ろ手に扉を開けた。
そこには大人の姿をした灰原と、その灰原に銃口を向ける安室の姿があった。
(ん?
大人の姿の哀ちゃん?
あれ?でも哀ちゃんは、さっき有希子さんにお願いしたから・・・
あの人は誰?)
「ご心配なく。
僕は君を生きたまま組織に連れ戻すつもりですから・・・」
安室は、ベストの内側から小型の四角い爆弾を取り出した。
そして膝を着き、貨物車と8号車の連結部にその爆弾を置いた。
「爆弾でこの連結部分を破壊して、その貨物車だけを切り離し・・・
止まり次第、ヘリでこの列車を追跡している仲間が君を回収するという段取りです。
その間、君には少々気絶をしてもらいますけどね。
まぁ、大丈夫・・・
扉から離れた位置に寝てもらいますので、爆発に巻き込まれる恐れはーーーー」
「大丈夫じゃないみたいよ。」
貨物車に足を踏み入れた灰原は、積荷を覆う白い布をめくって言った。
「この貨物車の中、爆弾だらけみたいだしーーーー!?」
その時、積荷の陰に隠れていた凛と灰原の目が合った。
凛はすぐさま人差し指を自身の顔の前で指し、灰原に静かにするよう伝えた。
灰原はその意図がわかったのか、何も言わずに安室へと視線を移して口を開いた。
「どうやら段取りに手違いがあったようね。」
「仕方ない・・・
僕と一緒に来てもらいますか・・・」
「悪いけど、断るわ!」
灰原はピシャリと言って、貨物車の扉を閉めた。
その後、8号車方から安室の焦った声と爆発音が聞こえた。
「おい、こんな所で何やってんだ!
ここは危ねぇんだぞ!?」
灰原にすごい剣幕で詰め寄られた凛は、冷静な顔で頷いた。
「うん、そうだね。
お姉さんが誰なのかはわからないけど・・・
ちょっと失礼。」
凛はそう言うと、灰原の腰元に腕を回してきつく抱きしめた。
「なーーーー!?」
抱きしめられて焦る灰原を無視した凛は、その場で姿くらましをした。
ドォォォォン!!
それと同時に、積み込まれた大量の爆弾が大爆発を起こした。