Episode 10
夢小説設定
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「まぁ・・・
何にせよ、これでバーボンの目的はなくなったんだ!
ポアロからも居なくなるだろうな!」
ベルツリー急行の事件から数日が過ぎたある日。
通話口から聞こえる嬉々としたコナンの声に、凛は気まずそうに口を挟んだ。
「あー・・・コナンくん?」
「でも、凛さんも気を付けろよ?
どこでヤツらが目を光らせてるかわかんねーんだからな!」
「あ、うん。」
「じゃあ、オレは今から用事あっから!
またな!」
その言葉を最後に、通話はプツッと切れた。
凛はスマホの画面に指を滑らせ、今朝安室から届いたメール画面を開いた。
【来週からポアロに復帰する。
あと、何故凛さんがベルツリー急行に乗っていなかったのか、詳しく聞こうか。】
「・・・透さんは、来週からポアロに復帰するみたいだよ。」
すでに聞こえていない通話相手のコナンに向けて、凛はポツリと呟いた。
もちろん、その事などまったく知らないコナンは、今からスペシャルコーチとして呼ばれている安室自らによってポアロに復帰する事を教えられ、驚く羽目となる。
コナンの用事の場に、まさか安室が居る事など知らない凛は、自分がわざわざ言わなくてもその内誰かから知らされるだろうと自己解決した。
「・・・ま、わざわざ私から言わなくてもいっか。」
【列車の揺れのせいで、尋常じゃない程に酔ったの。
それはもう、胃ごと口から飛び出すんじゃないかって程に気持ち悪くてね・・・
なので、さっさと姿くらましで家に帰っていました。】
凛は安室からのメールに対して、適当に返事を打って送信すると、スマホをテーブルの上に置いた。
「よし・・・
今日は午後から約束があるから、お菓子でも焼こうっと!」
凛はウキウキとしながらキッチンへと向かい、冷蔵庫や戸棚から菓子作りに使う材料を出し始めた。
無塩バター、薄力粉、グラニュー糖、卵、バニラエッセンス、粉糖、メレンゲパウダーに食紅・・・
髪の毛を高く1つに結び、袖を捲りあげて手を念入りに洗う。
「さぁて・・・始めますか。」
凛は口の端を持ち上げて、ボウルと泡立て器を手に持った。