Episode 1
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凛は初めて見るコンビニに、目を大きく見開いていた。
(なんっだここ・・・
小さいお店なのに、品揃えが豊富すぎる・・・
てか、何故か私の知らない物ばかりなんだけど?)
凛が呆然としてる間に、安室は次々と手当てに使えそうな商品をカゴに入れていった。
そしてササッと会計を済まし、コンビニを出た。
「あっあの・・・
買って頂いてしまってすみません・・・
お金、その・・・」
安室の後を小走りで追い掛けながら、凛は安室に礼の言葉を述べた。
安室は振り向くと、愛想のいい微笑で首を横に振った。
「僕が言い出した事なので気にしないでください。
ここで傷の手当てをしましょうか。」
安室はコンビニの陰に行くと、買ったばかりの物を出して凛の腕に出来た傷の手当てをやり始めた。
そして最後に足に出来ていた傷の手当てを終えると、ゴミを一纏めにしてゴミ箱に捨てた。
「ありがとうございます。
とても手際がいいんですね。」
「あぁ、僕もよく怪我をするので慣れてるんです。」
「そうですか。
では、私はこれで・・・」
凛はペコリと頭を下げてその場から立ち去ろうとすると、安室に呼び止められた。
「待ってください。」
「何か?
あ、手当てをしてくださったお礼ですか?」
「え?あ、いえ、そうではなく。
ご自宅まで送りますよ。」
凛はハタと止まった。
眉間に深い皺を寄せて見る凛に、安室は続けて言った。
「変な意味ではなく・・・
またどこかで転げ落ちてしまっては大変ですから。」
「もう大丈夫です。」
「僕が心配なだけです。」
(・・・しつこい。)
凛は小さく溜息を漏らした。
「・・・では駅までお願いします。」
「駅までですか?」
「えぇ、家はこの辺ではないので。」
「そうですか。
では行きましょう。」
駅までの道のりで、出来るだけ謎の多い凛から情報を得る為に、安室は歩調を緩めて歩いた。
「ご実家はどちらですか?」
「千葉の方です。」
「都外なんですね。
千葉といえば、ネズミーランドがありますよね!
近いですか?」
「え?
あー・・・千葉と言っても、私の家は山の方なので近くないですね。」
「そうですか。
今日は何故杯戸町へ?」
「えーと・・・友達に逢いに来たんですけど、その友達と喧嘩してしまって・・・
慌てて飛び出して来たら、勢いよく転げ落ちたんです。」
「・・・なるほど。
だから心ここに在らずで気付かなかったんですか。
先程、11歳までは日本で過ごしていたと言っていましたが、今は日本に住んでいないんですか?」
「そうですね。」
「どちらの国で?」
「秘密です。」
「それは残念です。
・・・失礼ですが、お幾つですか?」
「幾つに見えますか?」
「うーん・・・20代前半、ですかね?」
「さぁ、どうでしょうね。」
「え!まさか10代ですか!?」
「まさか・・・
成人はしてますよ。」
「でしたらーーー」
「女性に年齢を尋ねるのは失礼ですよ、お兄さん。」
「・・・失礼しました。
そういえば、その服・・・法服のように見えますが、お仕事は裁判官ですか?
それともキリスト教で?」
安室からの質問の多さに、凛はポーカーフェイスを保ちながらも心の中では荒れまくっていた。