Episode 1
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凛は今、人生で初めて見るコンビニに、目を大きく見開いていた。
(なんっだここ・・・
小さいお店なのに、品揃えが豊富すぎる・・・
てか、何故か私の知らない物ばかり売られてるんだけど?)
凛が呆然としてる間に、安室は次々と手当てに使えそうな商品をカゴに入れていった。
そしてササッと会計を済まし、コンビニを出た。
「あっあの・・・
買って頂いてしまってすみません・・・
お金、その・・・」
安室の背中を小走りで追い掛けながら、凛は安室に礼の言葉を述べた。
しかし日本円を持ち合わせていなかった凛は、お金を返す事が出来ない為どうしたものかと思案した。
(日本のグリンゴッツの支店って何処にあったっけ?
困ったな・・・ダイアゴン横丁のしか行かないからわかんないや。)
そんな彼女の心配を他所に、振り向いた安室は愛想のいい微笑で首を横に振った。
「僕が言い出した事なのでお金も気にしないでください。
ここで傷の手当てをしましょうか。」
安室はコンビニの陰に行くと、買ったばかりの物を出して凛の腕に出来た傷の手当てをやり始めた。
1つ1つの工程が丁寧で、かつ素早い手つきに、この人手当てに慣れてるとすぐに思った。
(・・・まるで癒者みたいだな。)
ぼんやりとそんな事を思っていると、彼は最後に足に出来ていた傷の手当てを終えていた。
そして、手当てに使った際に出たゴミを袋に一纏めにしてゴミ箱に捨てた。
「ありがとうございます。
とても手際がいいんですね。」
「あぁ、僕もよく怪我をするので慣れてるんです。」
「そうですか。
では、私はこれで・・・」
凛はペコリと頭を下げてその場から立ち去ろうとすると、安室に呼び止められた。
「待ってください。」
「何か?
あ、手当てをしてくださったお礼ですか?」
日本円を持ち合わせていない凛にとって、何かをお礼しようものにもコーヒー1つ奢れない。
どうしたものかと考えていると、凛の考えを見抜いたように安室は否定した。
「え?あ、いえ、そうではなく。
ご自宅まで送りますよ。」
凛はハタと止まった。
眉間に深い皺を寄せて明らかこちらを怪しんで見る凛に、安室は続けて言った。
「変な意味ではなく・・・
またどこかで転げ落ちてしまっては大変ですから。」
「それならもう大丈夫です。」
「僕が心配なだけです。」
(・・・手当ての事といい、本当に何なのこの人。
しつこいんだけど。)
凛は面倒臭いとでも言いたげに小さく溜息を漏らした。
「・・・では駅までお願いします。」
「駅までですか?」
「えぇ、家はこの辺ではないので。」
「そうですか。
では駅に向かいましょう。」
安室は凛が明らか面倒くさそうにしている事に気付いていたが、ここで逃がす訳にもいかない。
駅までの道のりで、出来るだけ謎の多い凛から情報を得る為に歩調を緩めて歩く事にした。
「ご実家はどちらですか?」
「千葉の方です。」
「都外なんですね。
千葉といえば、ネズミーランドがありますよね!
近いですか?」
「え?
あー・・・千葉と言っても、私の家は山の方なので近くないですね。」
「そうですか。
今日は何故杯戸町へ?」
「・・・まぁ、友達に逢いに来たんですけど、その友達と喧嘩してしまって・・・
財布も何も持たずに慌てて飛び出して来たら、堤防から勢いよく転げ落ちたんです。」
「・・・なるほど。
だから心ここに在らずで気付かなかったんですか。
そういえば先程、11歳までは日本で過ごしていたと言っていましたが、今は日本に住んでいないんですか?」
「そうですね。」
「どちらの国で?」
「秘密です。」
「英語の訛りを聞く限り、イギリスだと思うんですが・・・
イギリスですか?」
「訛りがイギリス英語だからと言って、イギリスとは限りませんよ。
イギリス英語が好きなだけで、もしかしたら住んでる国はアメリカかもしれませんし。」
「んー・・・でしたらーーーー」
「どこの国でも良くないですか?」
「そう、ですね・・・
・・・失礼ですが、お幾つですか?」
「幾つに見えますか?」
「うーん・・・20代前半、ですかね?」
「さぁ、どうでしょうね。」
「え!まさか10代ですか!?」
「まさか・・・
成人はしてますよ。」
「でしたらーーー」
「女性に年齢を尋ねるのは失礼ですよ、お兄さん。」
「・・・失礼しました。
そういえば、その服・・・法服のように見えますが、お仕事は裁判官ですか?
それともキリスト教で?」
「・・・はぁ。
私、見ず知らずの人にそのようにズカズカと詮索されるの大嫌いです。」
安室からの質問の多さにうんざりした凛は、つい低い声でハッキリと拒否の言葉を放ってしまった。
しかし、今の彼女は表向きはポーカーフェイスを保ちながら冷静なように見えるが、心の中ではかなり焦りまくっていた。
