Episode 9
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
そんなこんなで満員の客を乗せ、ベルツリー急行は快調に走り出した。
凛と蘭、園子、世良の4人は、一等車で仲良くお茶を飲んでいた。
すると、部屋のドアがコンコンとノックされた。
「はい?」
蘭がドアを開けて通路を見るが、そこには誰も居ない。
「イタズラ?」
園子は不思議そうに首を傾げ、世良は通路に落ちている白い封筒を見付けた。
「蘭くんの足元に何か落ちてるよ。」
「本当だ・・・何だろう。」
蘭は白い封筒を拾い上げて中身を確認した。
中からは封筒と同じ、白いカードが出て来た。
「えっと・・・
【おめでとう。
あなたは、共犯者に選ばれました!
7号車のB室で被害者役が待っている。
入れ替わり推理クイズを盛り上げてくれたまえ。】?」
蘭がカードに書かれていた内容を読み上げると、園子と凛は首を傾げ、世良は反応した。
「なぁ・・・それって、 推理クイズの配役じゃないのか?」
「そっか!
なら、私たちが選ばれたんだね!」
園子と蘭は盛り上がった。
しかし凛は、推理クイズよりもベルツリー急行の車内の方が気になって仕方がなかった。
「みんな、ちょっと車内の散策して来てもいい?」
凛が3人に尋ねると、蘭、園子、世良は至極心配げな表情で凛を見た。
「1人で大丈夫ですか?」
「道に迷わない?」
「変な奴に声を掛けられても、絶対着いて行っちゃダメだからな?」
「う、うん?」
一回りも歳下である3人に何故か心底心配された凛は、納得いかないまま部屋を出た。
しばらく凛が8号車の車内を散策していると、通路の先からツバのある帽子を目深に被った男が歩いて来た。
凛は通路の端に寄り、その男とすれ違った瞬間ーーーー
「・・・ハァイ、凛。」
凛は聞いた事のある声に勢いよく振り返った。
しかし、そこには先程すれ違った男の後ろ姿しかない。
凛は咄嗟にその男の腕を掴んだ。
その男がゆっくりと振り向いた。
振り向いた男の顔には、大きな火傷の痕があった。
(ーーーーえ?
秀一・・・なワケないよね?
それにさっきの声はーーーー)
「ーーーーシャロ・・・」
凛が名前を呼ぼうとすると、男の長い人差し指が唇に添えられた。
「シー・・・ダメよ、今はお仕事中。
それに、この8号車は危険よ。
早くここより前の車両に戻りなさい?」
凛が言葉を紡ごうと口を開いた瞬間、後ろから誰かに勢いよく腕を引かれた。