Episode 9
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この日、凛は学校帰りの蘭と園子に誘われて、喫茶店に来ていた。
木目調の落ち着いた店内のソファに座り、各自でドリンクを店員に頼んだ。
しばらくして、愛想のいい笑みを浮かべた店員が、オーダーのドリンクを持ってやって来た。
「・・・ベルツリー急行?」
凛はグラスの中に入っている氷を、ストローでカラカラと突きながら聞き返した。
「そ!
蘭やおじ様、あと博士や子どもたちも一緒に行くんだけど・・・凛さんもどうかなって!」
「んー、気持ちはすっごく嬉しいんだけど・・・
それってとても人気で、もうパスリングは完売ってニュースで言ってたよ?
今からじゃ到底買えないから、私は無理かな・・・」
困ったように微笑みながら凛が言うと、園子はポケットを漁り始めた。
「そんな心配ご無用よ!
凛さんは身1つでいいんだから!」
園子は凛に向かって右手を差し出して開いた。
その右手のひらの上には、ベルツリー急行に乗車するのに必要となるパスリングがあった。
「えっ!?嘘!」
「ホントホント!
このリングは凛さんの分よ!」
「え!?えええええええ!?!?
それ・・・だって、レアな・・・
ちょ、待って、まずこのリングのお金渡すね!?」
「何言ってんの!
お金はいーっていーって!」
渋る凛に、園子は半ば強制的に凛の手のひらの上にパスリングを置いた。
「実はベルツリー急行は、ウチの鈴木財閥が手掛けてるものなのよ。
だからパスリングなんてタダも同然よ!」
(恐るべし、鈴木財閥・・・!!!)
バッチン!とウインクしながら話す園子に、凛は呆然とした。
その様子の凛に、蘭が懇願するような目で言った。
「私・・・凛さんとどうしても一緒に行きたいんです。
凛さんと遠出する事って、滅多にないですし・・・
その、一緒に旅行したくて・・・」
「そうそう!
近所でお茶は出来てるけどさ、やっぱ一緒に旅行とかしたいもんね。」
蘭と園子の言葉に、凛は2人の手をギュッと握りながら即答した。
「OK!
喜んで何処まででもお供致します、我が姫君たちよ。」
「「ひっ姫君?」」
「園子ちゃん、これ本当にありがとう。
すごく嬉しい。」
凛はニコリと微笑みながら、園子からもらったベルツリー急行のパスリングを大切に鞄へ入れた。