Episode 8
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『レパロ(直れ)』
凛が呪文を唱えると、凹んでいたRX-7のボディは一瞬にして新車のようなピカピカに直った。
「すごいな・・・」
「ふっふっふー。
これくらい、ちょちょいのちょいだよ。」
凛は白のRX-7の屋根をサラリと撫でた。
「RX-7さん、いつもご主人様を護ってくれてありがとね。
零さん、RX-7さんがまた傷付いたりしたら遠慮なく言ってね。
私がいつでも直すから。
ある程度の怪我もさっきみたいに治せるから、いつでも頼ってね。」
「凛さん、本当にありがとう。
何かお礼をしたいんだが・・・何がいい?」
「え?
これくらいでお礼だなんて・・・
気を遣わなくていいよ。」
普通の人であれば壊れたモノを簡単に元に戻したり、傷を治す事など不可能である。
しかし、凛の世界では当たり前のようにそれが可能である為、凛はキョトンとした。
「俺が凛さんにお礼をしたいだけだ。」
「うーん・・・」
しばらくの間、うんうんと唸っていた凛は、「あ!」と声を上げた。
「あのね、零さんがすごく忙しい身であるにも関わらず、こんな事お願いして申し訳ないんだけど・・・
また零さんの手料理が食べたいです!」
「それくらいかまわないが・・・
そんな事でいいのか?」
「"そんな事"じゃないよ!
零さんの手料理は、最高のご褒美なんだから!
味覚はもちろん、視覚までも虜にする程の素晴らしいお料理やお菓子たちに、もう舌が蕩けるとはまさにこの事かって思うもの!
私、零さんの手料理がホグワーツの料理で1番好きだった糖蜜タルトより大好きなの!
人生の最期に何を食べたい?って聞かれたら、迷う事なく零さんの手料理って答えるレベルよ!」
降谷の手料理について力説する凛に、降谷は堪えきれずにぷはっと笑った。
「そんなに褒めてもらえるなんて・・・
嬉しい限りだな。
なら、腕によりをかけて作るよ。」
「わーい!
この楽しみを糧に、日々頑張るぞー!」
両手をあげて心底嬉しそうにする凛に、降谷は自然と優しく微笑んで見ていた。
数日後ーーーー
降谷に招待された凛は、口をポカーンと開いてテーブル前に立っていた。
降谷は椅子を引きながら、テーブル上に並ぶメニューの説明をした。
「海の幸とドライベジタブルのテリーヌ、旬野菜のコンソメスープ、サフランソース仕立ての真鯛の黄金焼き、レモンソルベ、牛フィレ肉のポワレだ。」
「・・・ここはどこぞの高級レストランでしょうか?」
「ははっ、そんなワケないだろ?
ただの俺の手料理だ。
あと、デザートにフロマージュブランのムースを作っておいた。」
「零さんは料理人に転職した方がいいと思う。」
「趣味程度の腕前じゃ無理だな。」
(この豪華な手料理たちで趣味の範囲というなら、私の手料理はどうなるの?)
その後、凛は食後のコーヒーまで大変美味しく完食し、ますます女としての自信をなくしたのであった。