Episode 8
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降谷はこの日、組織の任務だった。
任務を無事に終えた降谷は、白のRX-7に乗り込むと、盗聴器などの類がないか確認した。
何もない事を確認し終えると、その場からRX-7を発進させた。
MAISON MOKUBAの近くの立体駐車場に着き、降谷はRX-7から降りた。
マンションまでの道のりを歩いていると、ふと夜空を見上げた。
「・・・鳥、か?」
降谷が夜空を見上げたちょうどその時、大きな白い鳥のようなものが飛んで行ったのを見た。
(飛行機にしては、ナビゲーションランプが点いていなかったし・・・)
降谷はふと、凛の守護霊を思い浮かべた。
(そういえば彼女の守護霊も、白くて大きな鷲だったな。)
フッと微笑んでいると、ポケットに入れたスマホが震えた。
スマホ画面を確認すると、見知った番号が並んでいる。
「風見、どうした?」
「お疲れ様です、降谷さん。
たった今、新しく入った情報によると、今夜川島港倉庫にて闇取引が行われるそうです。」
「組織絡みか?」
「恐らくは・・・」
「わかった。
すぐに向かう。」
降谷は通話を切ると、すぐさま来た道を戻った。
降谷はひと仕事終えた後、警察庁へ向かい、報告書を凄まじい早さで仕上げた。
そして、上へ報告しに行った帰りに、向こう側から歩いて来る風見を見付けた。
「お疲れ様です、降谷さん。」
「お疲れ、風見。
今日の昼は急だったにも関わらず、対応してくれてありがとう。
お陰で助かったよ。」
「恐縮です。」
「それで、その時にぶつかったという女性は大丈夫だったのか?」
「降谷さん・・・
昼時にぶつかった女性は、降谷さんが以前調べて欲しいと言っていた神崎さんでした。」
降谷は凛の名前に、目をカッと見開いた。
風見は昼時の出来事を思い出しているのだろう。
そんな降谷の変化に気付かず、視線を右下に移しながら、少し頬を染めて照れくさそうに続けて話した。
「彼女は・・・その、なんと言いますか・・・
包容力があると言いますか・・・
彼女と話していると、暖かい何かに包まれたそんな気になると言いますか・・・
笑顔がとても可愛らしーーーーえ?」
風見はそこまで話すと、目の前に居る降谷が般若の顔になっている事にようやく気付いた。
「・・・風見、何頬を染めて嬉しそうに話しているんだ?」
「え?
え????」
突然の般若な降谷に、風見は顔面蒼白になり、冷や汗をダラダラと流した。
「そういえば、昼に来た時・・・
頼んだものとは別に、何か紙袋を持っていたな?」
「あああああれは!
昼を逃した、じっ自分の為にっ神崎さんがくれたっかかかか菓子です!! 」
「・・・ほぅ?
まさか、全部食べたのか?」
「いいいいいいいいえっっっ
少しは食べましたがっっっ
まだ残ってーーーー」
「風見・・・
残りは、俺に渡せ・・・今すぐに・・・」
「はっはいいいいいいい!」
般若の顔で極寒の冷気を纏う降谷に、風見は目に涙を溜めながら慌てて自身のデスクへと走った。
そして、凛からもらった菓子の入った紙袋を鷲掴むと、再び降谷の元へ走った。
風見が走って持って来た紙袋を、降谷は無言でぶんだくると、降谷はそのまま退庁した。
その降谷の背中を、目から滝の如く涙を流しながら見送った風見はーーーー
(今後、神崎さんに関係するものや情報すべては、すぐさま降谷さんに横流しせねばっっっ!)
心のメモに、しっかりと書き留めたのであった。