Episode 7
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翌日ーーーー
ポアロの閉店作業を終えた凛は、降谷にポアロまで迎えに来てもらい、安室名義のマンションに来ていた。
「本当にいいんだな?
別に無理して開けなくても、イヤリングに替えてもらう事も出来るぞ?」
「開けたいと思っていたのも本当なの。
いい機会だし・・・絶対開ける!」
「わかった。」
降谷は昨日注文したニードルと消毒液、軟膏、アイライナーをローテーブルの上に用意した。
凛は膝の上に乗せていたハロを、優しくギュッと胸元で抱きしめた。
降谷がアイライナーで耳朶に印を付けようと凛の耳に少し触れた瞬間、凛の肩はビクリッと震えた。
「・・・大丈夫か?」
「うっ、うん・・・」
降谷は両耳に印を付け終えると、ニードルの先端に軟膏を付け、今度は少し強めに凛の耳に触れた。
「・・・んっ」
色気ある凛の声に、降谷はピタリと動きを止めた。
「・・・いっ、痛くしないでね?」
少し目尻に涙を溜め、眉を八の字に下げて頬を染めながら降谷を見つめる凛に、降谷は一旦耳から左手を離した。
(ーーーーフッ
俺は一体これくらいの事で何を動揺しているんだ。
中学生じゃあるまいし・・・)
左手で前髪を少し乱暴気味にかきあげ、気を取り直した降谷は、再度凛の耳に触れる。
それと同時に降谷自身の顔も寄せた。
「ああああああ安室さん!?」
降谷の矯正な顔立ちを間近くで見る事になった凛は、咄嗟に後ろへ後退ろうとした。
しかし凛がそうするより先に、降谷が耳元で静かに囁いた。
「しー・・・
動くと危ないぞ。」
「ーーーーっ」
その場で動かず、耳まで真っ赤にして目をギュッと閉じる凛に、降谷の口角は持ち上がった。
「・・・そう、いい子だ。」
(ああああ安室さんが近いいいいい!!
耳元でめっちゃいい声がぁぁぁぁっっっ!
あぁぁぁぁぁっいい香りがぁぁぁぁぁっっっ!
心臓が爆発するぅぅううううっっ!!)
心臓の鼓動が、耳にやけに大きく響く。
凛はもはや何が起こっているのかわからず、ただひたすら目をギュッと閉じて時が過ぎるのを待った。
すると、ふと降谷が自身から距離を取ったのがわかり、凛は恐る恐る目を開けた。
「終わったぞ?」
「へ?」
降谷は自身の耳をトントンっと指し示した。
凛が手鏡で確認すると、そこには自身の耳に光るシトリンのピアスが付いていた。
「あ、れ?
いつの間に??
全然痛くなかった・・・」
「凛さんがジッとしてくれてたお陰で、すぐに終わったよ。
それ、ファーストピアスとしても使えるから安心して。」
「あ、ありがとう!」
凛は未だに高鳴る鼓動のまま、慌てて礼を述べた。
そして再び手鏡で自身の耳に光るシトリンのピアスを見た。
「・・・これで安室さんがいつでも見守ってくれてるみたいだね、なんちゃって。」
へへっと笑いながら話した凛に、降谷は心臓が少し早くなった気がした。
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