Episode 7
夢小説設定
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しばらくして、降谷は銃のメンテナンスを終えた。
再び腰元へ戻そうとする降谷の腕を掴み、凛は口を開いた。
「安室さん、お願い!
もっとよく見てみたいです!」
「・・・ここに置くから見るだけだぞ?
触るのはダメだ。」
「了解!
ありがとう!」
凛がテーブルの上に置かれた降谷の愛銃であるH&K P7M8をじっくりと見ていると、横からスっと小さめの紙袋が差し出された。
それが何かわからず、凛は首を傾げて降谷に視線を移した。
「凛さんにプレゼント。」
「え、どうして?」
「今日は君の誕生日だろ?」
「あ・・・忘れてた。
ありがとう、嬉しい!
開けてもいい?」
凛は顔をパァッと明るくしながら、小さな紙袋を受け取った。
そして頷いた降谷を見た後、紙袋の中から綺麗に包まれた小箱を取り出した。
包み紙を丁寧に剥がして小箱を開けると、少しオレンジがかった黄色の美しい宝石が付いたピアスが入っていた。
「わぁ・・・
すごく綺麗・・・
この石は何て言うの?」
「シトリンって言うんだ。
4月12日、凛さんの誕生日石だよ。」
「私の誕生日石!
安室さんって本当に博識だなぁ、すごい。
こんな綺麗で素敵なプレゼントをもらえたの、人生で初めてだよ。」
凛はシトリンのピアスを見て、心から嬉しそうに笑った。
しかし、少し困ったように眉を下げた。
「実は私、ピアスは開けてないんだ。
耳に穴を開けるのが、少し怖くて疎遠気味なの。」
「なら、それはイヤリングに替えてもらおうか。」
「え!?
ううん、大丈夫!
せっかくこんな素敵なプレゼントもらったんだもん!
今すぐにでも開けるよ!」
凛はそう言うとすぐさま杖を振った。
杖を振って出した針を右手に取り、耳朶を左指で少し抑えて目をギュッと瞑った。
今にも耳朶を刺しそうな凛を、降谷は慌てて腕を掴んで止めた。
「何をしている!?
危ないからやめるんだ!」
「え?
針で穴を開けるんじゃないの?」
「ある意味そうだが、君のは違う!
それに君の持ってる針は極太すぎる!」
降谷は左手で凛の極太の針を持つ右手首を掴みながら、空いてる手でスマホを素早く操作した。
「どうしても開けると言うのなら、今ネットでニードルを購入した。
ピアッサーでも良いが、負担が少なく炎症を抑えて綺麗にピアスホールを完成させるニードルの方がオススメだ。
明日には届くようにしたから、それまで待ってくれ。」
「安室さんは、やっぱり何でも知ってるね。
ねぇねぇ、このピアス・・・安室さんの髪みたいで綺麗だね。」
にへらと笑いながら左の指でシトリンのピアスを撫でる凛を見て、降谷は視線を逸らした。
その降谷の頬が少し赤くなっていた事など、凛は気付かなかった。