Episode 8
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ティーパーティが終わりに近付いた頃、たくさんあった菓子たちもかなり減っていた。
余った菓子たちは、凛が持ってきていたラッピング袋に入れ、いくつかをみんなにプレゼントした。
そして残りは、凛自身で持ち帰る事にした。
子どもたちと手を振って別れた凛は、その足で隣の工藤邸へと向かった。
ピンポーン・・・
ガチャ・・・
「おや、凛。
どうかしましたか?」
「やっほ、昴。
こんにちは。」
「こんにちは。
おや?ピアス・・・してましたか?」
「これ?
最近するようになったの。」
凛の耳に光るシトリンのピアスを、沖矢はジッと見た。
「・・・シトリン、ですか。」
「知ってるの?」
「えぇ。
今市場に出回っているほとんどのシトリンは、アメジストを加工したモノですが・・・
そのピアスに付いているシトリンは、透明度が非常に高いので天然物ですね。」
「天然物?」
「ええ、そうです。
天然物のシトリンは、滅多に採れるモノではないので、大変希少と言われていますよ。」
「マジかよ。
私の耳に、そんな希少性の高いモノが着いてたのか。」
「まぁ、ここで立ち話も何ですし・・・中へどうぞ?」
沖矢は横へ少しずれて、玄関口を開けた。
しかし、凛は首を左右に振った。
「あ、ごめんなさい。
ちょっと今日は、この後予定があって・・・」
「そうですか。
別に凛が謝る必要はありませんよ。
では、今日はどうしましたか?」
「あのね、余り物で申し訳ないんだけどお菓子いらない?」
「お菓子、ですか?」
「そう。
今日はね、お隣の阿笠邸で超絶プリティな子たちとティータイムしたんだ。
どーだ、羨ましいか!?」
「えぇ、羨ましいですね。」
「へへっ。
それでね、そのティータイムの為に私が張り切ってお茶菓子いっぱい作ってしまって・・・
みんなに分けたんだけど、まだこんなにも余ってるの。」
凛はそう言うと、手に持っていた紙袋を広げて沖矢に見せた。
沖矢は紙袋の中を覗くと、ニコリと微笑んだ。
「これは美味しそうですね。
是非とも僕も頂きたいです。」
「良かったぁ!
何種類かあるから全種類をいくつか貰って欲しい!」
「ありがとうございます。」
凛は沖矢の大きな手のひらの上に、菓子を山盛りに乗せた。
そして軽く手を振って工藤邸を後にした。