Episode 6
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シャロンがトレーの上の食事を完食すると、隣で椅子に腰掛けていた凛は口を開いた。
「聞かないんですか?」
「あら、聞いたら教えてくれるのかしら?」
困ったように微笑んだ凛に、シャロンは口の端を持ち上げた。
「何故、私を助けてくれたのかしら?」
「別にフルフェイスを取った貴女が、私好みの絶世の金髪美女だったからではありません。」
即答した凛に、シャロンは訝しげに見た。
その姿に慌てて凛は否定した。
「だからと言って、私は怪しい人間じゃないですからね!?」
「はぁ・・・
怪しい人間こそ自分の事を怪しくないって言うものよ。」
「ぅぐ! 」
「まぁいいわ。
まだお礼を言ってなかったわね。
ありがとう、助けてくれて。」
「シャロンさん・・・」
「"さん"なんていらないわよ。」
凛は両方の指先をモジモジとさせながら、チラリとシャロンに視線を移した。
「あのー・・・」
「何かしら。」
「私とお友達になってくれませんか?」
凛にそんな事を頼まれると思っていなかったシャロンは、ポカンとした。
「あ、やっぱり無理ですよね。
すみません、忘れてください。」
ペコリと頭を下げて謝る凛に、シャロンは再び微笑んだ。
「・・・友達ならまず、その敬語をなくしてくれなきゃね。」
「え? 」
「だって壁を感じるじゃない?」
妖艶に微笑みながら話すシャロンに、凛は心から嬉しそうに微笑んだ。
しばらくして、シャロンは自分の帰りが遅い事で、他の仲間にこの場所を勘づかれる事を危惧した。
ベッドから出ると、寝室の窓へ向かった。
「シャロン?」
心配げな表情で隣にやって来た凛の頭をひと撫ですると、窓を開けた。
「そろそろ行くわ。」
「でも、まだ身体が・・・」
「大丈夫よ。
それに早く私が行かないと、ここに悪い奴らが来てしまうもの。」
(悪い奴ら・・・)
「シャロン、貴女は何の組しーーーー」
凛が言葉を紡ごうとすると、シャロンの長い人差し指が唇に添えられた。
「シー・・・
A secret makes a woman woman.
大丈夫よ、凛の事は私が護ってあげるから。」
シャロンはそれだけ言うと、窓からスルリと身を投げた。
「シャロン!
ここ5階!!」
凛が慌てて窓から身を乗り出して確認すると、シャロンは手すりを掴みながら器用に下まで降りていた。
下まで降り立ったシャロンは、凛の方へと視線を移すと、右手をヒラヒラと振って闇夜へと歩いて消えていった。
「すご、身体能力高!」
シャロンが消えていった暗闇をぼんやりと見つめていた凛は、先程の言葉を思い出していた。
(・・・女は秘密を着飾って美しくなる、か。
彼女は多分、コナンくんたちが言う黒づくめの組織の1人だ。
でも・・・彼女は本当に悪い人間なのだろうか。)
決意した表情で、スマホ画面に映る新しく増えた連絡先をスルリとひと撫でした。
「貴女の事も護ってみせるよ。
その為にはもっと力と知識が必要だ。」
そして凛は窓を閉めると、ポツリと呟いた。
「あーあ、コナンくんたちに知られたら大変だなぁ。」