Episode 0
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凛はすぐさま魔力を解放し、自身の背後一面に分厚い氷壁を造り出した。
自身の後ろに居る者たちを護る為にーーーー
『『アバダ・ケダブラ(息絶えよ)!!』』
2人が呪文を唱えたのは同時で、互いの杖先から出た緑の閃光がぶつかり合った。
ぶつかり合った呪文は相殺された。
それを合図かのように、凛とヴォルデモートはひたすらに激しい攻防を続ける。
『それがお前のもう1つの姿か!
だが、例え姿変わろうとも俺様の前では無に等しい!!』
凛はヴォルデモートの圧倒的な魔力の強さに押され、奥歯を噛み締めた。
(ーーーーっ
一瞬でも気を抜けば、ヴォルデモートに魔力を喰われるっ!)
その時、ヴォルデモートが傍らに居た大蛇のナギニに、シューシューと蛇語で何かを指示しているのに凛は気付いた。
主からの命令を聞いたナギニは、シュルリとその場から離れ、凛が造った氷壁へと近付いて行く。
(ーーーー!?
アイツっナギニに命令して、まだセブルスを狙うつもりね!?)
凛は頭をフル回転させて、氷壁に向かって体当たりを繰り返しているナギニをどうにかしようと考えた。
しかし、ヴォルデモートとの攻防に一瞬の隙も見せられない状況に、盛大に舌打ちをした。
凛が必死に考えるも、今のこの状況を打破できる解決策など微塵にも見付からず、ついに氷壁にヒビが入ってしまったのに気付いた。
(・・・そうだ。
ヴォルデモートはハリーでないと倒せない。
ハリーが倒さなくちゃいけない。
ならば、私に出来る事はただ1つーーーー)
凛は、ヴォルデモートとの攻防を止めた。
(ーーーーダンブルドア校長先生からの任務を遂行する!)
凛は、ヒビ割れて穴が開き始めた氷壁に身体を押し込んでいるナギニに向かって、左手をかざした。
『俺様との勝負の最中によそ見をするな!!』
ヴォルデモートのその声に続き聞こえた死の呪文ーーーー
(あぁ・・・私、死んだな。
あーあ、せっかく大金注ぎ込んで手に入れた妖女シスターズのプレミアムチケット、無駄になったわ。)
死の間際にふと思った事がそんな事とは・・・
凛が自嘲気味に笑った時、緑の閃光が凛の身体を貫いた。
凛の左手から放った氷塊がナギニに当たり、ヒビ割れた氷壁から遠くに吹っ飛んでいくナギ二の姿を見たのを最期に、凛は静かに目を閉じた。