Episode 5
夢小説設定
その後、凛はコナンと赤井といくつかの約束をした。
1つ目は、赤井が生きている事は絶対に誰にも言わない事。
2つ目は、普段赤井には沖矢として接する事。
例え工藤邸であっても、コナン以外の人物が居る場合は沖矢として接する事。
3つ目は、人が居る場所での魔法は極力使わない事。
特に、全身黒づくめの人間には気を付け、絶対に能力がバレないようにする事。
4つ目は、何か遇っても1人で解決しようとせず、コナンと赤井を頼る事。
「・・・で、いいですか?」
凛は2人と決めた約束事を再確認していると、赤井が口を開いた。
「イギリスで生活していたのが長いなら、今更ファミリーネーム呼びなどまどろっこしいだろう。
俺や沖矢の方もファーストネーム呼びにしてくれ。
あと、敬語もいらん。
これを5つ目の約束事に入れておいてくれ。」
「・・・赤井さん?」
赤井はコナンからのジト目を完全にスルーした。
凛は、人差し指を顎に添えながら「うーん・・・」と悩んだ。
(確かにそう言われると向こうでは、ほとんどの人の事をファーストネーム呼びしてたなぁ。
まぁ、私もファーストネーム呼びに慣れてるし・・・)
「・・・なら、今なら秀一?」
顔をコテンと横に傾けて赤井の名前を呼ぶ凛。
「・・・破壊力抜群だな。」
「え?え?? 赤井さん、本当に???」
コナンの問い掛けに、赤井は答えなかった。
「そうそう。
私ね、コナンくんに謝らなければいけない事があるの。」
「ボクに?」
「私が空腹で死にかけてた時、コナンくんと蘭ちゃんが助けに来てくれたでしょう?」
「うん。」
「その日にポアロの前でコナンくん、私に聞いたよね?
"敵じゃないよね?"って・・・
あの時の私は、コナンくんが何を敵と言ってるのかわからなかったから、覗きました。」
「え?
覗きましたって?」
「ほら、私って魔女だからさ・・・
開心術なんか使えちゃったりしてね。
コナンくんの心の中を覗いちゃったの。」
「それってどういう事?」
「例えば・・・
コナンくんが蘭ちゃんの事、恋愛対象として大好ーーーー」
「わぁぁぁぁぁぁぁっっっ!」
凛はコナンに手を引かれて、リビングの部屋から連れ出された。
そして赤井が覗いていない事を確認すると、小声で問い掛けた。
「・・・ボクの心の中を覗いたって事は・・・」
凛はコナンの目線に合わせてしゃがみ込むと頷いた。
「君、本当はあの有名な高校生探偵の工藤 新一くんなんだね。
大丈夫、この事は誰にも言ってないから。」
凛の言葉を聞いて、コナンは両手で頭をクシャクシャと掻き回した。
「~~~っ
目の前で、あんなすげぇ魔法を見せられたら信じるっきゃねーか・・・」
凛はそのコナンの頭を優しく撫でた。
「・・・子ども扱いすんじゃねーよ。」
「あら、私からみれば高校生も子どもよ。」
「オレ、凛さんには口で勝てない気がする。」
コナンのその言葉に、凛はプッと笑った。