Episode 5
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この日、凛はポアロでの仕事を終えて帰路についていた。
すると、凛の視線の先になんとも目を奪われる名前のクレープが売っていた。
その名も、"ストロベリーとストロベリーの結婚物語~ホイップクリーム激盛りフィーバー ラズベリーと浮気編~"である。
時刻は15時過ぎもあってか、ちょうど小腹が空いていた凛は、迷う事なく購入する事にした。
無事に謎の名前のクレープを買えた凛は、キョロキョロと辺りを見回しながら歩いた。
(せっかくいい天気だし、外で食べたいな。
どこか座れる場所はないかな・・・)
公園の前を通りかかった時、ちょうど誰も居らず、ベンチも座りたい放題だった。
「ラッキー!
あそこに座って食べよっと!」
凛はベンチに腰掛けると、さっそく1口頬張った。
口の中に広がるホイップクリームの甘味とイチゴの甘酸っぱさ、そして追い打ちをかけるかのようにラズベリーの酸っぱさが後からやって来る。
「ん~~~~っ美味しい!
ボリューミーなホイップクリームだけど、そこまで重くない!
意外と多く入ったフレッシュな苺にラズベリーが合う~!
これはあのネーミングにも納得の味!
浮気はよくないけどね!」
昼食を少なめにしていた為、ボリュームのあったクレープは綺麗に完食された。
「ご馳走様でした。」
凛は両手を合わせて食事の挨拶をした。
そして親指で口元に付いていたホイップクリームを拭うと、鞄の中からウェットティッシュを取り出して指を拭いた。
(さて、大満足したし帰ろ。)
凛がビニール袋にゴミを入れてベンチから立ち上がると、ふと背後の草むらから気配を感じた。
(ーーーー何?)
凛が振り向いたと同時に、何かが凛を襲って来た。
凛は咄嗟に目をギュッと瞑った。
次の瞬間、背中に響く鈍痛と腹部への圧迫を感じた。
「ーーーーいった・・・
てか重・・・なに?」
凛は恐る恐る目を開けると、目の前には小太りの男が自身の腹上に跨っていた。
「・・・いや、誰だよ。」
凛は思わず、冷静にツッコミを入れた。
「今日も凛ちゃんは可愛いね?」
「はい?」
「いつも僕に優しくしてくれたよね?」
「何の話です?」
「だからね、僕も勇気を出して凛ちゃんの気持ちに応えようと思ってね。」
小太りの男は、脂ぎった顔を凛の顔へと近付けた。
(ひいいいいいいいい!?
ちょー待て待て待て待て待て待て!!
この人ポアロの常連客か!!
勇気なんか出すなぁぁぁぁぁぁ!!)
「のっ退いてください!!」
凛は顔を出来る限りめいいっぱいに横へ背けながら、小太りの男の胸元を必死に押し退けようとした。
しかし、中々に脂肪を蓄えた身体は想像以上に重く、凛の筋力では到底押し退ける事など出来なかった。
「怖がってるの?
あ、そっかぁ・・・照れてるんだね?
本当に凛ちゃんは可愛いなぁ・・・」
「これのどこが照れてるってんだぁぁぁぁぁっ!
全力拒否してるって気付けえええええ!」
なおも脂ぎった顔を近付けようとして来る小太りの男の口元を左手で抑えながら、凛は必死に叫んだ。
しかし凛の叫びも虚しく、小太りの男にはなんら響かなかった。
(あーもう!
何なのよ、コイツ!
相手がマグルだからって言ってる場合じゃないわね!)
凛は小太りの男の脇腹へ、こっそり杖先を向けた。
(・・・ステューピファイ!(失神せよ))
凛が無言呪文を唱えた瞬間、杖先から赤い閃光が飛び出し、小太りの男は左横へ勢いよく吹っ飛んだ。
凛は男が吹っ飛んだ方へ視線を向けると、口の端を持ち上げた。
「ちょーっと強くやりすぎたかな。
ま、でも これでおあいこですよね?
よいしょっと・・・」
凛は上半身を起こし、ふと視線を右側へと移した。
そこには今にも駆け出そうとした状態の沖矢の姿と、サッカーボールを蹴ろうとしたのか、片足を振り上げた状態のコナンの姿があった。
(あー・・・むろさん。
本当にごめんなさい。
早速約束を破ってしまいました。
ジャパニーズ最上級の土下座をするので許してください。)
凛はこの事を微塵にも知らない安室に、心の中で盛大に土下座して謝った。