Episode 4
夢小説設定
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「この許されざる呪文の三つの内、どれか一つでも使えば即アズカバン行きです。」
「アズカバン?」
「あ、えーと・・・
マグル界で言うなら、刑務所ですね。
この世界にはそれは適用されないと思いますけど、私にも人の心はあるので、この三つの呪文は使いたくありません。
・・・まぁ、前の世界で一度だけ唱えた事はあるんですけどね。」
「え?」
「私の居た世界で、もっとも邪悪な魔法使い相手に怒りを抑えきれずにちょっと・・・
結局負けて、殺されちゃいましたけど。」
困ったように頬を掻きながらへへっと笑って話す凛に、降谷は心がつらくなって視線を彼女から外した。
「あと、これは私だけが待つ能力なんですけど・・・
杖や呪文なしに氷系の魔法が使えます。」
凛はそう言うと、何もない空間に向かって手をかざした。
すると一瞬で氷で出来た大きな柱が出来上がった。
(魔力を解放した姿の事までは言わなくてもいいよね?)
「・・・とまぁ、こんな感じですが。
何か他に聞きたい事はありますか?」
凛に尋ねられた降谷は、正直頭がパンク寸前だった。
その為、他に聞きたい事はあるのかと聞かれても、まず何を聞けばいいのかさえわからなかった。
そんな降谷の心境を察したのか、凛は降谷の手を握って戸惑いの色を浮かべるグレイッシュブルーの瞳をジッと見つめた。
「私は・・・いつ元の世界へ帰れるのか、まだわかりません。」
「・・・しかし、元の世界へ帰ってしまうと君は・・・」
「そうですね。
死んでいるかもしれません。」
「・・・なら、このままこの世界に居た方が君にとってもいいんじゃないか?」
凛は首を左右に振って、切なげに微笑んだ。
「私はこの世界にとって、ただの異端者ですよ。」
「そんな事ーーーー」
「安室さん・・・私はこの世界に居る限り、この魔法を人前で無闇矢鱈に使うつもりはありません。
でも・・・目的の為ならば容赦なく魔法でも何でも使います。」
「目的?」
「私の大切な人たちを護る事です。
この世界にも護りたいと思える人が居ます。
この世界は犯罪が多い・・・私は大切な人たちをそれらから護りたいんです。
今度こそ絶対にーーーー」
凛のあまりにも嘘偽りのない強い信念を感じられる瞳に、降谷は心が揺れ動いた。
そして国は違えど国家国民の為にその身を捧げて戦う凛の信念に、降谷は知らぬ間に自分自身を重ねていた。
(・・・彼女も俺と同じ、か・・・)
そして降谷はフッと口の端を待ちあげた。
「・・・神崎さん、よくわかったよ。
今まで知らない世界で、一人でよく耐えて来たな。
だが、君はもうこの国の住人・・・君も護られるべき存在の一人だという事を忘れないでくれ。」
降谷の言葉に凛は一瞬目を大きくし、そして安堵したのか、心からの笑顔を見せた。
「気になっていたんだが・・・」
「何ですか?」
「君が無意識に呼んでいた"セブルス"と言う人物は、やはり前の世界の人なのか?」
凛は一瞬哀しげな表情を見せたが、すぐにその表情を消して困ったように微笑んだ。
「・・・すみません。
彼の事は・・・まだ色々整理が出来ていなくて。
彼の事や私の生い立ちは必ず話します。
もう少しだけ待っていてくれませんか?」
一瞬の哀しげな表情を見逃さなかった降谷は、それ以上聞くつもりなど毛頭になく、素直に頷いた。
「神崎さん・・・
君の正体を知ってる人物は、この世界に他に居るのか?」
「いいえ、安室さんだけです。」
「なら、俺と一つだけ約束してくれ。
君が魔女である事、魔法を使える事は決して俺以外には言わないと。」
「わかりました。」
(彼女は何も怪しい人物じゃなかった。
これからは俺が、この国も彼女の事も護ってみせる。)
降谷は拳を強く握り、心に誓った。
ーーーーーーーー
「そういえば、名前で呼んでもいいか?」
「もちろん、いいですよ。」
「あと、歳も近いんだ。
敬語じゃなくていい。」
「りょ、了解?」
「ははっ!
なんで疑問形なんだよ。」
