Episode 46
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ハロウィンイベントも無事に終わり、閉店作業を終えた後のポアロでは、凛と安室がハロウィンの飾り付けを片付けていた。
「あっという間に終わっちゃったね~。」
「本当にそうですね。」
未だ冷めぬ余韻に浸っている凛に、安室は続けて言った。
「凛はちゃんと楽しめましたか?」
「うん!
それはもうすっごく!」
笑顔で話す凛に、安室は それは良かったですと微笑んだ。
レジカウンターに飾り付けてあるハロウィンの置物を片付け終えると、凛は椅子をガタガタと移動させながら天井近くから吊るして飾られている物を片付けようとした。
「凛、危ないですから・・・
上の飾り付けは僕が取ります。」
「ありがとう。」
すかさず安室に制され、凛は礼を述べた。
そして安室が椅子の上に立っている間、万が一にでも椅子が転けてしまわないように椅子を支えて持つ。
すると、椅子の上に立った安室の尻が凛の目の前にある事に気付き、思わずその尻を凝視した。
今はヴァンパイアの立て襟マントは脱がれている為、上の飾り付けを取る度に形のいい尻が目の前でユラユラと揺れ動く。
今の凛の眼中に映るのは、まさしく安室の尻だけだ。
・・・むんずっ
「ーーーー!?!?!?」
安室は突然尻を強く鷲掴まれる感覚に思わず驚愕し、危うく椅子の上から落ちそうになった。
慌てて振り向いて、凛の方に視線を移す。
その彼の顔は赤く染まっていた。
「いきなり何するんですか!?」
「あ、ごめん。
あまりにもいい形の可愛いお尻が私の目の前にあったから・・・
抑えが効かずに揉みたくなっちゃって。」
両手を軽く上げながら詫びる凛に、安室は深い溜息を漏らした。
そして困ったように微笑みながら椅子を降りた。
「僕なんかのお尻より・・・」
安室は凛の腰元に両手を回すと、彼女を自身の方へ引き寄せた。
そして口を凛の耳元に寄せる。
「・・・凛のお尻の方が、可愛くて触りたくなる。」
低い声で小さく囁きながら、凛の尻をスカートの上からゆるりと撫でる。
「ーーーーちょっ!?」
「ほら・・・
こんなにも可愛い。」
「透っ、やめーーーー」
凛が顔を真っ赤にしながら安室に制止の声を掛けたが、彼はニヤリと悪い笑みを浮かべた。
グッと身体を後ろへ押されて、安室の力に敵わない凛はいとも簡単に背後のソファ席へと倒れ込む。
その凛に覆い被さるようにして安室がソファの座席面に両手を着き、目を細めて彼女を見下ろした。
口の端を持ち上げ、その僅かに開いた安室の唇から牙がチラリと覗いた。
「ちょっ、何!?
退いて欲しいんだけど!?」
「まだ31日が終わってないから・・・
歯が戻らないんだ。」
「だっ、だったら何だと言うのよ。」
安室はグッと凛の顔に自身の顔を近付けた。
「・・・凛の血、俺が飲んでもいい?」
「はい!?」
「女のFBIに言ってたじゃないか。
喜んで血をあげるって・・・」
「透は本物のヴァンパイアじゃなくて、人間でしょ!?」
「さぁ・・・実は違ったりして。」
悪戯っぽく、でも妖艶に微笑む安室に、凛は頬を染めてゴクリと喉を上下に動かせる。
そんな凛の僅かな隙を狙って、安室が彼女の口を塞いだ。
「んんっ!」
無理矢理安室の舌で唇をこじ開けられ、舌を絡め取られる。
そのまま舌を軽く吸われ、凛の舌が安室の口腔内に入ると、そこには普段彼の口内にはない尖った牙に舌先が触れる。
その尖った牙に興味本位で舌先を這わせていると、軽く舌先を噛まれた。
「ーーーーっ」
ピリッとした甘い刺激が舌先に走り、凛が肩を大きく揺らした。
口を離した安室が濡れた唇をペロリと舐めながら、恍惚な表情を浮かべて凛を見下ろした。
その唇から覗いている牙から視線が外せない。
「・・・癖になった?」
安室がそう言うと、凛の首筋に唇を寄せた。
凛の首筋を舐めれば、彼女から控えめな喘ぎ声が漏れ出す。
「悪魔を食べる吸血鬼も悪くない・・・な。」
その言葉が落とされた後、首筋にズクリ・・・とした痛みが走った。
「ーーーーいっ!?」
その痛みに、凛は眉根を寄せて安室の肩に置いていた手に力が籠る。
力が籠った事で、安室の肩のシャツがくしゃりと皺が寄った。
首筋に感じる痛みと安室の唇が触れて強く吸われ、さらに舌で撫でられるのを感じ、痛いハズなのに何故か気持ちいいと思えてしまう。
「・・・腰、揺れてる。」
凛の首筋から顔をあげた安室の笑みを浮かべた口元に見える牙には血が付いており、口の端からは僅かに血が垂れていた。
その口の端から垂れた血をペロリと舐め取る安室の姿があまりにも妖艶すぎて、凛はさらなる疼きを下腹部に感じる。
「俺に噛み付かれて気持ちよかった?」
「・・・血なんか美味しくないでしょ。」
「凛のなら美味しいよ。」
凛の首筋を見やれば、そこには安室が噛み付いた際に出来た2つの小さな穴が空いており、そこから僅かに血が流れ出ている。
その血に誘われるようにして再び凛の首筋に顔を埋めた安室は、彼女の首筋から垂れている血を舌先で舐め取った。
「・・・あぁ、これは本当に吸血鬼になってしまった気分だ。」
「ん・・・っ
ちょ、透・・・
もう我慢出来なくなっちゃうから・・・
やめて・・・っ」
「ん、それは大変だな。
俺はこのままここで君を抱いてもいいけど・・・」
「もーっ!
早く退いて!」
安室は笑いながら潔く凛の上から離れた。
凛も身体を起こすと、乱れた髪を手で撫で付けて整える。
「そうだ。
透・・・この後、少しだけ付き合ってくれる?」
「いいですよ。
何処かに行きたいのですか?」
ソファに座る凛に手を差し出しながら安室が尋ねた。
その差し出された安室の手を握ってソファから立ち上がった凛は頷いた。
「私のお気に入りの場所・・・
ほら、米花町から少し離れたところにあるあの丘に一緒に行きたくて。」
「えぇ、もちろん。」
その後、ハロウィンの飾り付けも片付け終えた凛と安室は、米花町から少し離れた丘へと来ていた。
今日もこの丘からはよく星が見えた。
いくつもの星が瞬き、その瞬きの中で素早く流れていく星がいくつもある。
「あ、オリオン座流星群・・・
まだ見れたんだね。」
「本当だな。」
「綺麗だねぇ。」
凛は袖口から杖を取り出すと、静かに呪文を唱えた。
『エイビス・・・(鳥よ)』
凛が呪文を唱えると、白い小鳥が5羽現れた。
その白い小鳥たちはパタパタと翼を動かし、凛と安室の周りを飛び回っている。
凛が袖口に杖を戻し入れて両手を前に差し出すと、5羽の白い小鳥は彼女の手元へ飛んできた。
『リリー・・・ジェームズ・・・
シリウス、リーマス・・・そしてダンブルドア先生・・・
ねぇ、聞いて・・・私、しあわせになれたんだよ。
すべてを諦めていた私に、生きる力を与えてくれたあなたたちを永久に想ってる。』
英語で話された言葉だったが、安室はもちろん彼女がなんと言っているのかわかった。
凛がゆっくりと両手を空に向かって上げた。
すると、彼女の手元に居た5羽の白い小鳥たちは星が瞬く夜空へ向かって一気に羽ばたいて行った。
『彼らに愛を込めて・・・』
凛は両手の指を絡めて握り、目を閉じて静かに祈りを捧げた。
安室は星が瞬く夜空へ向かって飛び立って行った5羽の白い小鳥が見えなくなるまで見上げていた。
「付き合ってくれてありがとう。」
「いや・・・
こちらこそ君の大切な友人を弔う場に、俺も居させてくれてありがとう。
ずっと無理していつも通りの君を演じていたんだろ?」
「ふふ・・・零には何でもお見通しだね。
ねぇ、みんなに届くかな。」
「届くさ・・・きっと。」
凛は隣に立つ安室の手に、自身の手を伸ばした。
それに気付いた安室は、すぐに彼女の指と絡めるようにして繋いだ。
オマケーーーーーーーー
「いた・・・あっ痛いっ」
「・・・はっ、その割に・・・んっ、俺に噛まれてイってるじゃないか。」
「ひんっ! イってなーーーーっんん!いたぁ・・・ぅあっ!」
「ははっ、また噛まれてイった・・・
あぁ、こっちも可愛がってやらないと・・・なっ。」
「んぁっ!もっ奥やだってばぁ!
おなかっ壊れるっ!」
「お腹じゃなくて・・・子宮だろ?
ほら、ここも吸い付いてきて・・・はぁ、嬉しそうじゃないか。」
降谷は凛がコスプレしてると、いつもより情事が激しくなるようだ。
凛の中で、降谷は特にコスプレ好き説が浮上したのであった。
