Episode 4
夢小説設定
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「・・・これが経緯です。」
安室は指を顎に添えて考え込んだ。
脳内に、今まで自分で調べあげた情報と凛から聞いた話が織り成す。
(到底信じられない、不確かな情報ばかりだ。
だがしかし、公安の力を持っても彼女の情報はまったく出て来なかった。)
ふと安室の脳内に、ホームズの言葉が流れた。
("全ての不可能を消去して、最後に残ったモノが如何に奇妙な事であっても、それが真実となる"・・・か。)
安室は目を閉じると小さく溜息を漏らした。
そして目を開けると、手に持っていた杖を凛に差し出しながら微笑んだ。
「話してくれて、ありがとうございます。」
「わっ私の話を信じてくれるんですか?」
杖を返してくれると思っていなかった凛は、おずおずと杖を受け取りながら尋ねた。
「正直・・・今でもすべてを信じられません。
しかし、神崎さんから聞いた話の方が納得出来る事が多かった。
だから、とりあえずは貴女の言葉を信じます。」
安室の言葉に、凛は大きな瞳からポロリと涙を零した。
「あ、ありがとうございます・・・
あの、私・・・安室さんに謝らなきゃいけない事があります・・・」
「何ですか?」
「駅まで送ってくれたあの日・・・
私、安室さんが私の世界に居る悪い人だと勘違いして、開心術をかけてしまったんです。
ごめんなさい・・・」
「ん?開心術とは?」
「えと、相手の心の中を無理矢理覗く魔法です。」
「つまり?」
「その、安室さんの記憶を見ました。」
(あの不快感の正体かっっっっ!!)
安室は左手で額を覆い、項垂れた。
その様子に慌てて凛は続けた。
「あのっ見たと言っても全部は見ていません!」
「・・・何を見たんです?」
「えと、安室さんが喫茶店や探偵として働く姿と・・・
全身黒っぽい服を着て、バーボンさんというコードネームで、ある組織に潜入してる姿と・・・
本当の貴方は、警察庁警備局警備企画課の降谷 零さんという事・・・」
(道理であの時、俺の意思とは関係なく勝手にそれらの記憶が浮かび上がったワケだ・・・)
安室は再び項垂れた。
その安室に、どう声を掛けたらいいのかわからず、凛は焦った。
「公安警察がどのような組織であるのかを知ってます!
もちろん誰にも話してません!」
「・・・あぁ、今後もそうしてくれ。」
先程までの柔らかな雰囲気から一変した安室に、凛はピンッときた。
「・・・安室さんって本当はそんな感じなんですね。」
「どうせ君には俺の正体がバレているんだ。
今更隠す必要なんてないだろ?」
「・・・ですね。」